甚大な被害をもたらした西日本豪雨から1週間。ANNのまとめによると、亡くなった方は広島県で85人、岡山県で59人など13の府県で194人にのぼり、依然51人の安否がわかっていない(13日19時時点)。
被災地では徐々に復旧が進む一方、大量の土砂が流れ込んだために作業の道が見えていない地域もある。避難生活を余儀なくされている被災者にとって今必要なものは何なのか、『けやきヒルズ』(AbemaTV)はまとめた。
100世帯全員が避難している広島県熊野町の川角地区。熊野町役場で話を聞いてみると、避難所で必要とされているものは飲み物などを冷やす「氷」、使い捨ての「皿・コップ・スプーン」、「ペーパータオル」などだという。また、水が不足している地域では給水所などから確保する水を貯めておくためのポリタンク、感染症を防ぐためのマスク、消毒用エタノールなど衛生を保つために必要なものが底をつき始めている避難所もあるという。
避難所には国際的に定められている「スフィア基準」というものがある。水の量やトイレの数から避難所のスペースに至るまで、被災者の安全を守るための最低限の基準で、冷戦終結後の1990年代に各地で内戦が起こり多数の難民が発生したことから、国際赤十字などが設定した。
・「3.5平方メートル」のスペース
1人当たり3.5平方メートルのスペースが必要で、およそ畳二畳分の広さ。間仕切りを設けることを推奨。
・トイレの数は男女比1:3
トイレの数は男女比で1:3を推奨。女性は生理や排泄の仕方の違いで時間がかかるため。トイレ1つにつき最大20名(初期は50名)。トイレまでの距離は安全性と利便性、衛生面から50m以内が理想。
日本の避難所については、海外から「人道的に問題がある」「難民キャンプ以下だ」という指摘もあるという。テレビ朝日元アメリカ総局長の名村晃一氏は、「日本は災害が多いので、避難所の環境については世界よりも先に進まなければいけない立場だと思う。ただ、日本人の場合我慢強さもあって、『もうちょっと良い環境にしよう』という声は出しにくい性格だと思う。2次被害は食い止めなければならない」と、現地の環境改善を求めることの重要性を主張。一方で、「日本は基準を作って守ることのできる国。率先して定着させてほしい」と述べた。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)