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「真夜中の映画祭」(AbemaTV)が、8月3日~25日にかけてゾンビ映画強化月間を実施。真夏の夜にピッタリのゾンビ映画の数々を一挙放送。そんなホラーでスプラッタな企画テーマに合わせ、特別ゲストとして月刊『ムー』編集長の三上丈晴氏を招聘。ゾンビにまつわる様々な薀蓄や見どころなどを視聴者に紹介してくれる。このゾンビ企画をさらに掘り下げるべく、三上氏にインタビューを敢行。『ムー』でも紹介された最新のゾンビ情報から三上氏自身のゾンビ観まで、非常にディープなお話を伺うことができた。

■マヤ文明とゾンビの関係とは? 米軍がゾンビ対策マニュアルを作成!?

―普段からゾンビについて語られることは多いですか?


三上:ちょうど今年『ムー』の3月号に、マヤ文明とゾンビについての記事を掲載しました。アメリカ軍が<ゾンビ対策マニュアル>というものを作っていたことが2016年に発覚して……といった内容です。

―それはオカルト的なものではなく科学的な?


三上:ウィルスですね。もちろん、映画のようなゾンビが襲ってくる……という話ではないんですが、感染したらヤバいぞ! という。ウィルスは特定されてはいないものの、どうもゾンビ化するような症状をもたらすウィルスがあるらしい、と。

―なるほど、まさしく危機管理マニュアルですね。


三上:またマヤ文明だとか、古代人の遺骨なんかを分析していくと、一度死んだ人間が生き返っているかのような形跡や、それを防ぐために施したような痕跡もあるんです。

―それは一体どんな!?


三上:例えば頭部を切断して反対向きに埋葬したり、口の中に石を詰め込んだりだとか、呪術的な施しをしているんです。実はマヤ文明って結構カニバリズム、つまり人肉を食ってるんですよね。もちろん、それはゾンビの特性でもある。そして、ここ(『ムー』掲載記事)でも紹介しているんですけれども、数年前に“バスソルト”と呼ばれるドラッグを使用した男が、生きている人間の顔に齧りついてバリバリ食ってしまったというニュースがあった。そういった事件が他にもいくつかあったんですよ。

―ありましたね……かなり凄惨な事件でした。


三上:そのバスソルトが原因なのか、もしくはもっと別の何かなのか? ひょっとしたら、こういう行動をとってしまうことがウィルスと関係してるんじゃないか? といった指摘もあるんですよ。ただ、そういったウィルスはどんどん変異していくものなので、しっかり対策というか、ワクチンも含めて医療的に研究しなくちゃいけない。

特に、パンデミックみたいな形で大規模感染が起こったとしたら、国レベルで早急に対策しなくちゃいけないということで、2014年と2016年に、いわゆる“対策マニュアル”なるものを国(アメリカ)が作っていたんです。

―つい最近の話なんですね!


三上:そうなんです。軍も、これは架空の訓練、シミュレーションだよとは言っているんですが、書かれている内容というのが、かなりリアルなんです。まさに1番の問題となるのは病原で、特に生物兵器として使われる可能性があると。すでにこういった書き方をしているということは、生物兵器としてゾンビ化するような細菌なりウィルスというものが作られているんじゃないか? と。

―それは軍事利用目的で?


三上:もちろん。ウィルスだった場合、ワクチンを作らなくちゃいけない。でも作るためには“本体”が必要になってくるわけで。そういう意味で軍は、すでにゾンビウィルスというものを持ってるんじゃないか? という疑惑があるんです。いわゆる“ゾンビリサーチャー”と呼ばれるアメリカの研究家の中には、政府に対して疑惑を抱いて「資料もっと出せ!」みたいな、そういう働きかけをしている人もいる。

―たとえばUFOの研究をされている方たちと同じように、独自にゾンビの研究をしている民間の方も多いんですね。


三上:もちろん民間なんですが、個人だけじゃなく<ゾンビリサーチ協会>みたいなものを設立して、組織的に行動しているところもあって。いかにもアメリカっぽいですけどね。

■魂には2つの概念があって、そのうち一つは肉体に残り続ける

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―様々なゾンビ映画がありますが、三上さんお気に入りのゾンビ映画は?


三上:そんなにたくさん見てるわけじゃないんですよ(笑)。でも、子どもの頃に観た『死霊のはらわた』とか『バタリアン』とかですかね。

―日本でもゾンビは人気ですが、人々の心を掴んでいる理由は何なのでしょうか?


三上:いくつかあるとは思うんですが、ゲーム感覚の部分もあるのかなと。「やっつけるぞ!」みたいな。

ただ、ゾンビというのは基本的に“リビングデッド”なので、つまり死体が動くということ。いわゆる“生きた人間を襲って云々”という設定とは別に、死体を蘇らせて使役するという話は昔からありますよね。中国の『キョンシー』なども、一旦死んだ人間が……という話だった。ただ、ゾンビと同じようにどこか抜けている(笑)

―息を止めておけば見つからない、なんて設定もありましたね。


三上:真っ直ぐにしか移動できないとかね(笑)。実は魂の概念は2つあって、“魂魄(こんぱく)”というんですが、「人間が死ぬと魂のほうはあの世に行く、魄のほうは地上に残る」という概念なんです。両方とも自我なんだけれども、生きている人間が持つ意識とか自我としての魂というものは、あの世へ行って、もしくは生まれ変わってしまう。ただ身体の方にも魂があって、それが完璧ではない。

―つまり、そっちには自我とか自意識というものが……


三上:あまり無いので、使役されたりとか間が抜けている、という話になる。この魂には2つ種類があるという話は結構古くて、エジプトなんかもそう。バー(魂)とカー(精神)という魂があるんですが、バーはあの世に行って、カーは地上に残る。つまりミイラにカーが宿ってるんですね。

―かたやゾンビ映画には、純粋に死者が蘇るものやウィルスに感染するものなど様々ありますよね。三上さんが考える“ゾンビの定義”とは?


三上:まあ人それぞれの好みなんだろうけど(笑)。でもやっぱり原点で言えば、死体が蘇って生きた人間を襲う、しかも大量に……みたいなもの。小学生の時に始めて観て、もうトラウマですよね。とにかく集団でやって来られたら怖えー! っていう(笑)

―そういったゾンビも、科学的に考えていくとウィルスが原因だったりする可能性があるわけですよね?


三上:ただ“ゾンビ”って言ってしまうと、基本的にはハイチのブードゥー教の、アフリカに起源を持つ呪術ですよね。死者を蘇らせる“ゾンビパウダー”で一種の仮死状態にさせて、墓に入れてしばらくしてから掘り起こして使役させる、という。

―では三上さんご自身は、そんなゾンビの存在を信じてらっしゃいますか?


三上:可能性は充分あると思います。ヤバい話が結構あるんですよ。超常現象の話になっちゃうけど、死体が蘇って動き出して人間を襲うっていうのは無い話ではない。

―なぜゾンビには人間を襲う衝動があるんでしょう?


三上:チベットの密教でも、死者が人肉を食らうっていう話があるんですよ。生き返った死体は人間の肉を食うという世界的に共通した認識があるんでしょうね。だからゾンビとカニバリズムっていうのは、いつもワンセット。

■米軍によるゾンビ対策マニュアルにも「頭を狙え」と書かれていた

―もし現実世界にゾンビがいたとして、三上さんだったらまずどんな行動を取りますか?


三上:……逃げる(笑)。一番怖いのはウィルス性、感染性のゾンビですよね。

―そんなゾンビ世界で、三上さんがまず準備するものは?


三上:メリケンサックとグローブとかですかね(笑)。ゾンビの特徴としては、アタマを討てば活動停止するというものがあって。ゾンビ対策マニュアルにも「頭を狙え」と書かれていました(笑)

―ソンビ映画も多様化が進み、ゾンビが主人公の作品も増えてきました。もし三上さんご自身がゾンビ化、あるいはもう少しでゾンビ化する、という状況だったらどうしますか?


三上:いやあ、そこは「正しくゾンビになる」で(笑)

―ゾンビ化した世界では、『ムー』の読者と非読者では生き残る確率も違ってきますか?


三上:(笑)まあサバイバル能力というよりも、そういったニュースなどが流れてきたときに、「あ、これは『ムー』に書いてあったアレだな」とか、そういう判断ができれば、それに基づいた対策や行動が迅速にできるんじゃないですかね、判断材料として。何も知らずに「ゾンビ? は?」ではなく、そういう“現象”として捉えられれば、初期段階の行動は違ってくるかなと(笑)

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