2018FIFAワールドカップロシア大会で3大会連続となるゴールを決めた本田圭佑選手が、2日放送のAbemaTV『AbemaPrime』に中米・バハマから生出演。自身の“次なる挑戦”について胸中を語った。
サッカーを通じて「教育」に取り組んでいる本田選手。2012年から展開しているサッカー教室「SOLTILO FAMILIA SOCCER SCHOOL」は、中国、カンボジア、タイなどを合わせて国内外80カ所以上、東アジア最大級の事業に成長。本田選手は現役選手でありながら経営者、投資家としても活動している。
「海外に行ってからいろいろなことを自分なりに見てきたが、サッカーだけやっていたら気づかないことがたくさんある。世の中の不便だったり経済的、教育的な問題だったり、そういった社会の問題に対して他人事に思えなくなった。それがきっかけでサッカースクールを始めて、投資家として活動し始めた。活動を通じて世界を少しでも良くできたらという気持ちがある」
本田選手は7月18日、俳優、プロデューサー、歌手、そして起業家としての顔も持つウィル・スミス氏とベンチャーファンド「ドリーマーズ・ファンド」設立を発表し、世界の注目を集めた。今回バハマへは「彼が忙しいので、僕がここに来ないと会えなかった」という。
ウィル・スミス氏と立ち上げたこのファンドの狙いについては、「コンセプトはシンプルで、世の中の問題点を解決していきたい」と説明。「去年の6月にLAを訪問した時に、ウィルに会わせていただける機会があった。その時に『僕がこういうファンドを作りたい』と彼に言ったところ、僕の思い、投資家として活動するようになった動機に共感していただいた」と経緯を明かした。
では、本田選手が捉える社会問題とはどのようなものなのか。
「日本にいるとなかなか分からないと思うが、世界には本当に貧しいところがまだまだたくさんある。サッカーの夢を追うことすらできない子どもたちがたくさんいる。その理由は経済的な問題で、解決しようと思った時に一番大事になってくるのは教育だと思っている。知識をつける、生きていく術を学ぶということ。しかし、残念ながら貧しいエリアの子どもたちは学校に通うことさえままならない。小学校に通うこともできずに、親の仕事を手伝っているのが現状。そういった経済格差、教育格差を僕1人では解決できないものの、今回のウィルのように、僕なんかよりもはるかに影響力のあるすばらしい人たちを巻き込むことで、もしかしたら子どもたち一人ひとりに対して夢を与えることができるのではないかという純粋な気持ちでやっている」
ワールドカップ後、1日10時間、1週間プログラミングを学んでいたという本田選手。投資との関係については、「テクノロジーを使った会社に投資をしていて、そういったテクノロジーは全てプログラミングからプロダクトができあがっている。投資を判断する基準も、プログラミングを少しは分かっていないと話にならない。その商品を作っているエンジニアの気持ちを少しでも理解するために通った」と説明しつつ、サッカーを例に「サッカーのことを一切知らない監督から『本田、お前はベンチだ』と言われたら腹が立つ。それに近いと思う。今回の投資の件でいうと、商品のことを少しでも理解することがきっかけ」と語った。
また、サッカーとビジネスではアプローチの仕方が異なるとし、「サッカーの時はケンカをしにいく感じで、入れ込んでいるところもあるし、仲良くする気も全然ない。でもこういった活動で大事なのは愛情。競争だけではなく協調性が求められると思っている」と語った。
この日、本田選手は現役続行とオーバーエイジ枠での五輪出場挑戦を名言。今後、活動の割合はどのように考えているのか。本田選手は「答え方によって内容が変わってくるが、情熱の注ぎ方は100%と100%。ただ、時間の使い方も大事だと思う。練習は1日に3時間程度しかしないのがプロサッカー選手なので、それ以外の時間はこういった活動に使うようにシフトしていっている」と自身の考えを示し、最後に「新たな一歩を踏み出す。引き続き本田圭佑の挑戦を楽しみにしていてほしい。間違いなくサプライズを起こし続ける」と力強く語った。
(AbemaTV/『AbemaPrime』より)