
東京五輪の暑さ対策として、組織委員会が提案している「サマータイム」の導入。森会長は先月、安倍総理に2時間時計を早めるサマータイムを提案。しかし菅官房長は6日、「政府としてサマータイム導入を目指すとの方針を決定した事実はありません」と消極的な姿勢を見せていた。
そんななか、安倍総理は7日朝に森会長と会談。サマータイム導入について「自民党の部会で意見聴取をしてほしい」と指示し、検討する考えを示した。
東京五輪の暑さ対策としては、競技時間を早める案がすでに浮上している。これに対し組織委員会は、大会の準備が真夜中になることやアスリートの体調も考慮して、サマータイムで全体を調整すれば解決するとしている。
街の人に意見を聞いてみると、「仕事が2時間早く終われば、夏休みの弟とキャッチボールしたり、家族サービスの時間が増える」(20代・女性)、「早く帰れるんだったらいいですけど、早く帰れなかったら結局仕事の時間が長くなる」(40代・男性/会社員)と、賛否両論の声が上がる。
2時間のサマータイムが体に与える影響について、産業医科大学医学部の久保達彦准教授は次のように話す。
「日本でもかつて北海道でサマータイムを試験的に導入したことがあるが、2005年の調査では43%の人が何らかの体調不良を感じたと。単純に光を沢山浴びたりすれば夜更かしはできるが、体のリズム自体を変える、早く寝る方法は医学的にはよくわかっていない」

さらに、「全員がある日突然“時差ボケ”状態にさらされ、交通事故などに巻き込まれるリスクも増えるのではないか」と指摘。イギリスで交通事故が10.8%増加、ロシアで救急車の出動件数が増加、スウェーデンで心筋梗塞が5%増加したという報告もあるという。
組織委員会は、「1年限りでもいいので採用したらどうか」と東京五輪のためだけの導入も提案している。しかし、久保准教授は「ご病気を持った人は睡眠時間の確保が大事だが、そういった人も一時的に睡眠が取りにくい状態になってしまうという不安がある。様々な状況を抱えている人がいるので、そういう方にとっても優しいオリンピックであってほしい」と述べた。
アメリカでは1時間のサマータイムが導入されているが、テレビ朝日元アメリカ総局長の名村晃一氏は「アメリカは3月に夏時間になり、11月に戻る形なのでまだ負担はないが、夏の間のみで、さらに2時間のサマータイムとなれば負担は大きいと思う」と自身の経験を振り返る。

社会への影響としては、システムエンジニア(SE)の負担が増えることも懸念されている。ITジャーナリストの三上洋氏は、「スマホからATM、エアコンまでシステムの基準は時間。すべてのシステムを切り替えるのは手間とお金がかかりすぎる。来年までにサマータイムに対応して、2年後に廃止するのは無駄」との見方を示す。

これを受けて名村氏は、「やるのであれば、もう少し永続的な政策としてやるべき」と指摘。「日本のおもてなしも付け焼き刃ではないからいいものであって、根本的なことも含めてやらないといけない」と述べた。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)



