AbemaTVのオリジナル恋愛リアリティーショー『恋愛ドラマな恋がしたい』のシーズン1が7月28日に最終回を迎えた。全10話の総視聴数は、1,500万を突破し大ヒットとなった同番組は、今後の活躍が期待される若手俳優の男女8人が恋愛ドラマを撮影しながら、本当の恋が芽生えるのかを追いかけた恋愛リアリティショー。毎回、1組の男女だけが物語の主人公となり、恋愛ドラマを撮影する。その台本には、必ずキスシーンが描かれる……というものだ。第一印象からお互いを選び、最後の告白で気持ちを確認しあうも、お互いの夢を優先した韓国出身の俳優・テジュと、モデルとして活躍中のひめちゃんこと姫野佐和子に番組での思い出やその後についてインタビューした。
8名のうちの1人に選ばれたときの気持ちをテジュは「恋愛リアリティショーは自分自身を出せるドキュメンタリー部分とドラマの両方が撮れるということなので、最高だなと思いました」と前向きに語る。一方で姫野は「まさか自分が受かると思ってなかったのでうれしかったです。でも、自分の素の部分や恋愛が公になることに対しては少し不安もありました。お芝居もほぼ未経験だったので、かなり怖くて、プレッシャーも感じていました」と初めてのことに対しての動揺もあったようだ。
テジュは撮影前の準備として、ダイエットをスタートしたという。「メンバーはみんなカッコよくて、可愛い人ばっかりじゃないですか。僕だけ三枚目になっちゃうといけない!と思って、毎日自転車3時間乗りました。ちょっと痩せたんですけど、番組終わったら戻ってきました(笑)」。
姫野は、今回の番組出演にあたり、演技レッスンに通いながら、たくさん映画を見るようにして、初めての演技に備えたそうだ。
オンエアの自分の演技を見て驚愕
楽しみや不安など、それぞれの思いを抱えながら挑んだ本番。実際にオンエアを見たときには、2人とも自分の姿に恥ずかしさを覚えたそう。「自分の姿を見るのはちょっと恥ずかしくて、嫌な気持ちもありました。『わ~俺、こんな顔してるんだ』って(笑)。」(テジュ)。「自分の演技が本当にひどかったです。棒読みで思い出しても恥ずかしくなっちゃいます。撮影中は感情を作っていたはずなのに、画面で見るとなかなか伝わらないんだなと知りました」(姫野)。
オンエアでは、ほかの出演者たちの知られざる行動も明らかになり「自分の知らないところでこんなことが!」と驚いたという。「海の中間告白は驚きました。誰が誰に選ばれたのかも秘密だったので、放送を見て『え?りぽぽ(三秋里歩)が何故りゅうたろう(岡田龍太郎)に中間告白したの?どういうこと?』となりました。さらに、りゅうたろうが、こめちゃん(米山穂香)と海ちゃん(川村海乃)、2人とボートに乗っていたのも!そんな状況ないよ!って」(テジュ)。
好きな相手のキスシーン
衝撃的な撮影となったのがact.5のテジュとこめちゃんとのキスシーン。「残酷なオーディションと衝撃のキス」と称され、スタジオでMCを務める渡辺直美ほか、それを見たすべての者たちが息をのんだ。このとき、いったい本人たちはどんな気持ちでその場にいて、オンエアをどう感じながら見ていたのだろうか。
「実は、自分の演技に満足できなくて、ちょっと納得できない部分がありました。でもそこも視聴者は優しく受け入れてくださって温かい反応をもらえたので本当に良かったです。こめちゃんに対しては、オンエアを見たときに『この目はいいなあ』と思いました。演じているときは、気持ちを作ることに集中していたので、こめちゃんの演技がどうとか考える余裕はありませんでした」とテジュ。
好きな相手の激しいキスシーンを見守ることとなった姫野は「もちろん、できたら私が相手役になりたかったという気持ちはあります。でも、こめちゃんは雰囲気を作るのがとても上手で、こめちゃんだからこそ、あんなにすごいキスができたと思っています」と心境を告白した。
テジュ、ひめちゃんの「優しくて純粋なところが好き」
第一印象からお互いを想いあっていた2人。印象を訪ねると「見た目は、ハーフみたいで女性らしいなと思いました。最初は口数は少ないけど、芯のある強い人かもしれないと想像しました。好きな気持ちが芽生えたことには、特にきっかけがあったわけではなくて、3か月間の撮影を通して一緒にいるうちに、自然にあふれ出る優しさが素敵だと思いました。優しくて純粋なところが好きです」とテジュ。
姫野は「一緒に初めてペアを組んだときに、リードしてくれて男らしいなと思いました。ほかにも企画の中でデートをしたり、同じ時間を過ごす中で、演技だけではなくていろんな話ができて、一緒にいて落ち着く人だなあって感じていました」と語った。
衝撃のキスからのラスト
別の相手とのキスシーンを経ても、最初から最後までたった一組だけ心揺れることなく相思相愛だった2人だったが、最終回の告白では思いもよらない展開が起こった。この3か月間の撮影を経て、テジュの心には大きな気づきが生まれていたのだ。
「演技をもっと頑張りたい」
姫野の告白をOKしたテジュだったが「1年後、2年後とか、俺がもし、俺の演技とか俺の姿に満足できたら、たぶん告白は、俺から佐和子にしたいと思ってます」と思いを姫野に告げた。
このテジュの決断に対して視聴者からは大きな反響が寄せられたという。「いろいろ責められました。僕の日本語力が足りなかったから、ちゃんと伝わったかちょっと不安です」とテジュ。言葉の壁が理由で気持ちをうまく伝えられなかったことに悔やんでいる部分もあった。
姫野は「テジュから仕事を頑張ろうって言われて、またいつかみんなとお仕事できるように頑張りたいなって思いました。最終日にインスタを投稿したらコメントが600件を超えて、みんながこんなに応援してくれていたというのがわかってうれしかったです。もちろん悲しいという気持ちもあったけど、みんなからの応援コメントで心強くなりました」と明かした。
最後に今後のビジョンについて聞くと「『リリーのすべて』のときのエディ・レッドメインの演技がとても印象に残っていて『彼は女性の気持ちも持っているんだ』と感動したことを覚えています。僕も、そんな演技をしてみたいなと思っています」とテジュ。
撮影が終わってから演技の面白さに目覚め、すでに舞台を1本経験し、次の舞台も決定しているという姫野は「かわいく映るとかじゃなくて、人間らしく、崩れた状態でも人の心が動くような深い演技ができるようになりたいです。もちろん演技だけじゃなくて、モデルとしても頑張りたい。いろんなことに挑戦して自分を磨いていきたいと思います!」と語った。
テキスト:氏家裕子
写真:mayuko yamaguchi