23日に大分市で行われた総裁選３選の応援集会にビデオメッセージを寄せた安倍総理。「先般、米朝首脳会談が行われたが、次は私が金正恩委員長と向き合う番だと思っている。過去の相互不信という殻を打ち破り、金委員長と直接向き合い、私の手で拉致問題を解決する」と訴えた。
25日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ！』では、安倍総理に先行して総裁選の出馬を表明した石破茂氏に、外交・安全保障問題などについて話を聞いた。
まず、北朝鮮問題について石破氏は「今まで圧力をかけ続けてきたから、ということだけではないだろう。北朝鮮がアメリカにまで届く大陸間弾道弾、それに核を載せることもできると示したのが一つ。北朝鮮が経済回復に自信を持ってきたことが一つ。そして、あれこれ言われていた中国との関係を改善することに成功したこと。これが要因で、単に圧力をかけ続けたからだけではない。拉致の問題を解決しようと思ったら、北朝鮮が全部答えを出さなければダメだ、ではなく、北朝鮮が示したことに対し、一つ一つ検証していくことが大事だ。お互いに駐在員事務所を置いて、政府同士できちんと話ができることが大事だ。スローガンだけでは解決しない」と指摘した。
また、北朝鮮問題で協調してきたアメリカについては「トランプ大統領がアルミと鉄鋼の制限について日本に厳しい条件を突きつけてきた時、何と言ったか。"今まで日本はここまでよくもアメリカを騙せたものだと思っているだろうが、これから先はそうはいかない"と言った。つまり、友情と国益は別だということだ。それはリアルに考えておかないといけない。日本国の国益は一体何であるのか。アメリカの国益とは一体何であるのか。アメリカに対して、パリ協定から離脱して何の意味があるのか、TPPという枠組みから離脱して何の意味があるのか、ということをきちんと言っていくことだと思う。外交にしても安全保障にしても経済にしても、日本はこう思うということをきちんと言ってこそ。アメリカはそういう国だ。きちんと物を言うのが信頼だと思う。国と国との信頼は、本当にお互いの国益をかけた真剣勝負だ」とコメント。
対中外交も同様だとし、「中国政治は共産党一党独裁、経済は資本主義でやってきた。いかに格差が生じさせないか、いかにして権力と資本の癒着が起こらないかということが大事だと考えていて、そのためには経済が成長していかないともたない。いかにして中国が安定的に経済成長できるかを議論しないと、力が外に向かう危険性がある。そうした問題を認識して、互いに何ができるかという話をしなければならない。中国の状況をよく分かっているね、と向こうが思わないと、言葉だけで終わってしまうと思う」との考えを示した。
同時期には沖縄県知事選も予定されており、沖縄問題も総裁選の争点になるのか注目されている。
石破氏は「米軍基地は何のためにあるのかということをきちんと理解しないまま地元に負担してくださいね、というのは、日本国の為政者として正しいやり方だと思っていない」とした上で、「沖縄の問題も憲法の問題も、どうしたら理解してもらえるかという努力をしなければならない点では一緒だと思っている。本土で"基地出ていけ"という運動が盛んだった時代、様々な国内の基地をアメリカの施政下にあった沖縄に移してしまった。本当に正面から向き合って、説明をして、"お願いです。分かってください"と言わないといけない。沖縄がわがままを言っている、勝手なことを言っている、という気持ちでいる限り、絶対に解決しない。そして、アメリカがやっていることを自衛隊が代わることはできないか、あるいはこの基地は本当に必要か、という問いかけをしていかないと負担は減らない。安倍さんもこれはすごく努力をしてきた。だが、多くの基地がまだ沖縄に存在している。それはアメリカがやらないといけないことなのか。日本の自衛隊でやるべきことはないだろうか。あるいは基地の管理権を日本が持つことは本当にできないのだろうか。"オール・オア・ナッシング"ではなく、一歩でも前にいくためにできることは何だろうか、ということも含め、沖縄に誠心誠意に向き合うことができるかどうかだ」と訴えた。
石破氏は、内閣人事局の見直しなど、「政治・行政の信頼回復100日プラン」を公約に掲げており、これは小泉進次郎氏ら若手の自民党議員が主張してきた国会改革にも関連してくる。
「私は内閣人事局の存在を否定はしない。官僚たちが自分の役所のためではなくて、国のために働けるように内閣人事局はできた。それは大事なことだったと思う。ただ、どんな人でも公平な評価は難しい。国民のために働いたよね、という尺度が必要で、第三者による評価も必要だ。いくつかの目で見ていくこと。運用の改善は必要だと思う。また、国会改革も絶対に必要だ。まず、スキャンダルは他の委員会でちゃんとやって、予算委員会は予算をちゃんとやってねということだと思う。野党の側も単に攻撃するのではなくて、我々ならこうするということをきちんと示すべきだ。役人が前の晩に徹夜して答弁を書いていて、クオリティの高い答弁ができると私は思わない。質問は少なくとも２日前までに出してね、と。そして議論は、言いっぱなし、聞きっぱなし。これを聞いても、違う答えが返ってくる。時間が来たからお終い。この国会は一体何なんだとなる。本当にやるべきことをちゃんとやる、当たり前の国会にしていかないといけない。若い人たちが国会を変えようとしているのは、ちゃんと受け止めないといけない。人口が恐ろしく減るし、安全保障環境が過去と全く違う今こそ、国会が国会の仕事をしないといけない。そのための改革は、若い人たちと一緒に勇気を持ってやらないといけないことだ」と話していた。（AbemaTV／『みのもんたのよるバズ！』より」）
