トッププロが集う麻雀リーグ「RTDリーグ 2018」の準決勝が、9月1日からスタートする。今期のRTDリーグ 2018で瀬戸熊直樹(連盟)が掲げていた第1目標は、準決勝進出だった。昨年の予選最終戦、オーラスで逆転され、準決勝進出を逃した苦い記憶があるからだ。したがって、予選最終戦を迎えた時点では、有利なポジションではあったが「鳳凰位決定戦の最終日にリードしている時と同様の緊張感を持ち、自分が培ってきた麻雀をしっかり打って残ろう」と臨んでいた。
瀬戸熊の培ってきた麻雀とは「攻めるところは攻めて、守るところは守る」。これをポイント状況を気にせずにきっちりやり遂げることを指している。昨年は原因不明の肩の痛みに悩まされ、利き手である右肩が上がらず、対面の配牌を取ることすら苦痛だった。「今年はしっかり睡眠も取り、生活を整えてきたので、肩の方も大丈夫でした」。
最終的には+218.3を積み上げ、BLACK DIVISION 2位で準決勝進出を果たしたのだが、その道のりは決して楽なものではなかった。「道中3連続でラスを引き、マイナス100ポイント近くまで沈んだところからトップを取った半荘がありました」と35回戦に潮目があったと語る。「8000オールが決め手になるんですけど、その前にリーチのみをツモるんです。普段だったら手役を追いながら手作りするんですけど、アガリだけを狙った局にしたんです。そこを制したことで、ここから『行ける!』と確信が持てました。それで次局はMAXまで手役を追える段階に入ったんです」と自身のゾーンに入ったことを確信した上で、信念に基づいて手牌を進めた結果として生まれた親の倍満ツモだったというのだ。
このように、瀬戸熊の中では潮目が変わる一打と、転落のきっかけとなる一打があり、常に意識しながら打っているという。「不器用なので、一定ベースでこういう麻雀を打たなきゃと決めていて、そのリズムを外さないようにやっています。4回に1回は、ラスを引くので、5~6万点台のトップが取れるところを3万点台のトップで抑えないことを心がけています。最終的には素点勝負になるので」と考えている。実際、瀬戸熊のアガリ平均打点は6037点とリーグトップの打点力を誇っている。
「準決勝は10戦勝負なんで、しっかりポイントを積み上げれば、決勝も見える」と万全の体制を整えて、第2の目標に挑むつもりだ。【福山純生(雀聖アワー)】
◆瀬戸熊直樹(せとくま・なおき)1970年8月27日、千葉県出身、O型。日本プロ麻雀連盟所属。第26、27、29鳳凰位、第6、9期無双位、第14期發王位、第28、29、30期十段位。著書は「麻雀アガリの技術」。異名は「卓上の暴君」。
【RTDリーグ 2018準決勝進出者の持ち越しポイント】
1位 小林剛(麻将連合)+630.3→315.2
2位 鈴木たろう(協会)+520.1→260.1
3位 勝又健志(連盟)+307.4→+153.7
4位 瀬戸熊直樹(連盟)+218.3→109.2
5位 佐々木寿人(連盟)+200.5→100.3
6位 白鳥翔(連盟)+161.7→80.9
7位 内川幸太郎(連盟)+54.1 →27.1
8位 猿川真寿(連盟)▲139.6→▲69.8
※連盟=日本プロ麻雀連盟、協会=日本プロ麻雀協会
◆RTDリーグ サイバーエージェント代表取締役社長・藤田晋氏が、2016年に立ち上げた長期リーグ戦。各団体のトッププロ15人に加え、芸能界から萩原聖人が参戦。「BLACK DIVISION」「WHITE DIVISION」に分かれ、1人半荘27回戦を行う。上位4人ずつがポイントを半分持ち越して、準決勝に進出。さらに勝ち抜いた4人がポイントをリセットして決勝で争う。今期から新たに降級システムが導入され、各組予選8位は自動降級、各組予選7位は推薦者2人と入れ替え戦を行う。
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