AbemaTV『橋下徹の即リプ!』で、橋下氏と元日本経済新聞記者の鈴木涼美が、芸能人の逮捕報道における“肩書き”について言及した。

今月6日、酒を飲んだ状態で車を運転し、ひき逃げしたとしてタレントで元モーニング娘。の吉澤ひとみさんが逮捕された。報道では吉澤ひとみ“容疑者”と表記された一方、4月に強制わいせつ容疑で書類送検された人気アイドルグループ・TOKIOの元メンバーの山口達也さんの報道では当初“山口メンバー”という肩書きで報道された。
橋下氏は「山口さんの件は“事務所の力が働いたのか”という意見がネットで言われていましたが、メディアのルールでは、逮捕されると“容疑者”。逮捕されずに起訴されたり、事情聴取されたりということがあった場合、社会的地位がある人には肩書きをつける。だから、アイドルだったら“メンバー”だろうとなった。メディアも事務所を忖度(そんたく)したわけではないのでは」と解説。元日本経済新聞記者の鈴木も「テレビと違って新聞社はそんなに事務所に忖度する必要はない。日経新聞では“TOKIOメンバーの山口さん”になっていた」と話した。

橋下氏は「近代法治国家の場合、裁判で罪が確定してから初めて“有罪”と扱う。これは大原則。僕も知事や市長をやっている時代に、民事で裁判を起こされて、一審と二審で負けたことがあった。そうやって負けて批判を受けた裁判でも、最後の最後で勝ったんですよ。名誉毀損で訴えられて、一審と二審で負けて、弁護士会から2カ月間業務を停止の懲戒処分を受けたけど、最高裁でひっくり返って勝った。そういうこともあるから、特に刑事裁判は判決が確定するまで“推定無罪”として扱うべき」と過去の経験から、最高裁で判決が逆転した事例を紹介。「だから僕は、裁判が行われて刑が確定するまで(容疑者呼びではなく)“さん付け”にしないとおかしいと思うんですよ」と、芸能人の逮捕報道における“肩書き”について意見した。

「判決が確定してから“有罪”なんだから、僕は全部“さん付け”にすべきだと思う。大手新聞社はみんな有罪が確定するまで“容疑者”ではなく、“さん付け”に統一した方がいい」と主張。容疑者とされた人が裁判に出席する際も、橋下氏は「本来、手錠と腰縄は法廷では外すべき」と意見を述べた。
橋下氏は「手錠されたまま腰縄で拘束されて法廷に入っていくじゃないですか。当たり前のように思われていて、判決が出るまでは推定無罪なのに、傍聴人の前で手錠されたまま腰縄つけた姿を見せて供述する。弁護士会から『これっていいの?』と今やっと問題視する声が出ている」と、判決が出る前にもかかわらず、すでに犯罪者のような扱いにする状況に疑問の声を寄せる。続けて「もちろん逃亡を阻止するためには手錠や腰縄は必要だし『容疑者だから当たり前じゃないか』という反対意見もいっぱいある」と反対論も認めつつ、「ただ推定無罪という扱いを原則にするのが、近代法治国家のあるべき姿」と自身の考えを示した。
(AbemaTV/『橋下徹の即リプ!』より)






