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 「やはり告発状の内容について事実無根であることを認めることができなかった」。

 25日、記者会見で無念さを滲ませながらそう語った貴乃花親方。今年3月、自身の弟子・貴ノ岩への傷害事件での日本相撲協会の対応などに関する告発状を提出したが、協会の見解は「事実無根な理由に基づいてなされた」というものだった。さらに「真実を隠さず追及したい」「内容には何ら真実に反する点はありませんでした」と話す貴乃花親方の意向に対し、協会側からは「事実無根であることを認めない限り、親方を廃業せざるを得ないという有形無形の要請」があったのだという。

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 同日放送のAbemaTV『AbemaPrime』に出演したお笑い芸人の小籔千豊は会見を受け「貴乃花親方が言っていることが真実かどうかは別として、自分が真実だと思っていることに対して"それは嘘だ、でも我慢しろ"と言われるのは嫌だろう。長いものに巻かれるような人だったら、最初からこんなことをしてないと思う。体制側と、体制を変えようとする人がいて、でも一人だから変えられなかったというのは、歴史上よくあること。偉い人に一人で立ち向かっても負けるし、組織を変えるということがいかに難しいか改めて感じた。僕も良く似た状況に置かれたことがあるので、貴乃花親方の考えていること、言いたいことは良く分かる。『踊る大捜査線』での、いかりや長介さんの台詞"正しいことをしたければ偉くなれ"を思い出す」と率直な感想を述べた。

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 会見で貴乃花親方は、記者からの「相撲協会に対して言いたいことは」との問いに「健全、そして力強い相撲をとって活躍してくれる若い力士を数多く輩出してほしいと思う」とコメントしている。

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 現役時代、二子山部屋で貴乃花親方の兄弟子だった元関脇・貴闘力は「会見でも"健全な"という言葉を度々使っていたが、本人がやりたかったのは、ただ"健全な相撲を目指したい"、それだけ。みんなわかっているはずだ」と話す。

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 「以前、俺は"相撲協会なんて辞めてしまえ。国会議員にでもなって、協会の上の文部科学省に行って勝負してこい"と言ったこともある。でも貴乃花親方は躊躇していた。"弟子がいるから辞められない。頑張ってみる"と。でも、横綱まで行った力士があれだけ色々言われて納得出来なかっただろうし、やはり腹に据え兼ねたのだろう。仕組みを変えなければ協会は良くならい。貴乃花親方は、そのためにどうしたらいいかを考えてきた。俺もクビになる8年前より以前から一緒に戦ってきたが、100人規模の組織の中では、味方を50人以上付けないと戦えないし、正しいことを言っていても正しくないかのようになってしまう。俺が"すぐ改革してしまえ"と言うと、"そうじゃないんだよ、力"と言っていた。"自分の子や孫の世代にはできればいいね"という感じでプランを考えていたと思う。だからしっかりと脇を固めていけば良かったのに、思い切ったことをしているなと思っていた」。

 一方、東京相撲記者クラブ会友の大見信昭氏は「告発状取り下げの時に"ゼロからスタートする"と言っていたので、親方の中での決着はついたものだと思っていたので、正直言って驚いた。同時に残念だと思った。嘘がどうこうよりも、もっと大事なことがある。弟子のことを第一に思うんだったら、一旦我慢して、辞めないでほしかった」と話す。

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 「貴乃花親方の、"何かやりたい"という思いはひしひしと伝わってきたし、正しい相撲道を貫く相撲にしたかったのだと思う。ただ、相撲界をどこへ導こうとしているのか、具体的に何をしようとしているのかが表には見えてこなかった。また、民主的な合意によって物事が決まるということを考えると、いいことを言うだけじゃだめで、賛同者を集めなければならない。しかし、貴乃花親方がその努力をどこまでしたのか。まだまだ道半ばだったと思う。組織を変えるカリスマ性を持った親方は貴乃花親方をおいて他に無かったし、辞めてしまえば発信力も無くなる。残る努力をして、賛同してくれる勢力を伸ばすべきだった」。

 こうした大見氏の意見に対し、小籔は貴乃花親方や貴闘力が言及する"健全"の意図を踏まえた上で「貴乃花親方には"全部ぶちまけても良いぞ"という思いもあっただろうし、それをすれば見ている人も皆"貴乃花親方が正しい"となったと思う。でも、それをしなかった。大好きな人たちにも迷惑かかるから、それは言わないという優しさがあった。大見さんだって、相撲記者クラブの会友として、そのことは言えないのではないか」と反論。貴闘力も「大見さんもわかってはいるけど、立場上それは言えないだろう」と話し、「貴乃花親方は相撲協会の内部にいたわけだから、色々な"爆弾"を持っている。それをぶちまけてしまうと何もかもが終わってしまうかもしれない。そこはなかなか言いたくても言えないことがある」とした。

 自身の今後については「ただただ自分が育てた弟子がとにかくかわいいです。この子たちの幸せと、栄光と、その道をできるだけ作ってあげたいと、これからは側面的になりますけど、それだけをしてあげたいなという気持ちでおりますので、敗北であっても…生きていける、相撲や土俵に携わって生きていけることを念頭に置きたいと思います」とコメントしていた貴乃花親方。

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 貴闘力は「この騒動はこれで終わるとは限らない。有能な弁護士を引き連れているという点からも何かあるのではないかと思う。力士たちが頑張っていても、相撲ファンがそっぽを向いたら終わってしまうんだから、上の人たちにはそこをわかってほしい。弟子たちを受け入れる千賀ノ浦親方は元々貴乃花の下にいた親方。弟子も貴乃花も安心して任せられると思う」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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