日本では、友人を失ってしまったり、変な商品を買わされてしまったり、ネットワークビジネスによる被害が後を絶たない。SHELLYがMCを務める『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース~』(AbemaTV/アベマTV※毎週土曜23時から放送中)では、「ワタシ、自分を見失ってました」をテーマに、宗教やネットワークビジネスにハマった経験のある女性たちが赤裸々に語った。
(※番組ではあくまでも体験談の紹介が目的のため、特定の団体を非難するのが目的ではありません)
(▲シンガーソングライターのうおしーらんさん)
2年前に友達の姉に誘われて、ネットワークビジネスにハマってしまったシンガーソングライターのうおしーらんさん。当時、フルタイムで会社員として働きながら音楽活動をしていたが、どちらもうまくいかずに行き詰まっていたという。そんなとき、バンド内にいたメンバーから姉を紹介され、ネットワークビジネスを知った。
「メイクレッスンがあるから来てみない?」と誘われ、その企業の製品を使ってフルメイクをしてもらったうおしーらんさん。うおしーらんさんがその出来上がりに感動し、「これほしい」と伝えると、メンバーの姉に「じゃあ登録の仕方を教えてあげるね」と言われ、ネットワークビジネスを始めた。「こういう仕組みで副収入が発生して、成功して年収何千万や億の人もいる」と夢を見せられたという。
(▲ジャーナリストの江川紹子さん)
長年、オウム真理教問題について取材をしているジャーナリストの江川紹子さんは「ネットワークビジネスをやっていた人がオウム真理教の信者になるケースもある」と話す。江川さんによると、何かに依存し、夢中になっていく心の仕組みには、宗教と似た要素があるという。
ネットワークビジネスを始めたことで、人間関係はどのように変化するのだろうか。うおしーらんさんは「自分の心の中で人を裁くようになる。(人間関係は)ずたずたになった」と振り返る。うおしーらんさんはその会社の製品を信じ込んでいたため、家族に対しても「今まで水道水を飲ませてきた両親」「サプリメントを飲ませてくれなかった」と、憎しみを抱くようになった。また、ネットワークビジネスを勧めたことで、友達も遠ざかってしまった。
うおしーらんさんは「業界(ネットワークビジネス)では“人間の整理”って言葉をよく使うんです」と話す。うおしーらんさんによると「ネットワークビジネスを始めたことによって距離ができてしまった友達は、いずれ縁が切れる関係だった。“人間関係の整理”ができていい」と教わったという。
続けて、うおしーらんさんは「成功者の人たちは、そういうのをかいくぐって『本当の友達だけが残って幸せな人間関係が築けるよ』っていうのが謳い文句だった。製品のよさがわかることを“センスがいい”って言葉を使う」とネットワークビジネスの業界で使われる言葉を紹介。「“センスがいい”という言葉も“本当の友達”という言葉も、自分にとって都合がいいだけだった」と本音を漏らした。
そんなうおしーらんさんは、ビジネスの矛盾に気づき、ネットワークビジネスを始めて1年でやめた。やめるときには買いためていた製品を全部返品したという。うおしーらんさんは「ほぼ全額返してくれる制度で、10万円くらい返ってきた。私が返品すると上の人のポイントがごっそり減ってしまうので、それで恨みを買ったと思う」と話す。
その後、ネットワークビジネスでつながった人とは、一切連絡がとれなくなったうおしーらんさん。これにはSHELLYも苦笑いで「本当の友達は誰だったんだって話ですよね。(人間関係を)整理できてよかったね」とコメント。スタジオの笑いを誘った。
ネットワークビジネスをやめた後、うおしーらんさんが本当に親しくしていた友達たちは「やめてよかったよ」と声をかけてくれたという。ネットワークビジネスをやめたことで、“本当の友達”の意味がようやく理解できたのかもしれない。
(C)AbemaTV
(AbemaTV『Wの悲喜劇』より)