映画『あの頃、君を追いかけた』の初日舞台挨拶が4日、東京・TOHOシネマズ 日比谷にて開催され、キャストの山田裕貴、齋藤飛鳥(乃木坂46)、松本穂香、佐久本宝、國島直希、中田圭祐、遊佐亮介、監督の長谷川康夫が登壇した。
水島浩介役を演じた主演の山田は初日を迎えた感想を聞かれ「今日の初日が不思議な気分で、例えて言うと変かもしれないですけど、3年くらい遠距離恋愛をしている彼氏・彼女に会うみたいな。楽しみなんだけど何を話していいか解んないような気持ちです」と独特の表現で思いを伝えてから、「皆さんの心に残る作品になってくれていたら僕らは幸せです。今日は短い時間ですけど、楽しんでいきましょう」と客席に呼びかけた。続けて、早瀬真愛役を務めたヒロインの齋藤が「映画初出演ということで割と自分に対する不安が大きかったので、公開しないことにならないかなと思ってました(笑)」と語ると、共演者から「なんてことを!」と突っ込みが入る。客席からも笑い声が起きる中、齋藤は「嘘です(笑)。ちゃんとこの状況を嬉しく思っております。皆さんこの後、ちょっとだけお付き合いいただきますが、何卒よろしくお願いします」と挨拶した。また、長谷川監督が「(登壇した7人を指し)間違いなくこの先ずっとそれぞれの場所で活躍してくれるみんなです。どこか別の作品で彼らの出演作品を観たら、ああ、そういえば『あの頃、君を追いかけた』に出ていたなぁとちょっとでも思い出してくれたら嬉しいです」と語ると、客席からあたたかな拍手が送られた。
作品の中で1番好きなシーンを聞かれ山田はヒロイン真愛が学生時代を回想するシーンを挙げた。この後で齋藤は「山田さんが雨の中、自転車に乗って『早瀬真愛、お前が好きだ!』って叫ぶシーンは美しいなって思います」と回答。これにすかさず山田が「あれも回想の中だもんね。一緒じゃん!」と突っ込むと、齋藤は「一緒だ(笑)」と微笑んだ。松本は「海で7人が横に並んで将来のことを語り合うシーンがいいなと思いました。撮影中も”好きなシーンだな”と思いながら」と答えていた。
ここで、映画タイトルの『あの頃、君を追いかけた』にかけ、追いかけたいタイプか追いかけられたいタイプか登壇者にアンケートを取ることに。追いかけられたいタイプに挙手したのは山田と齋藤と長谷川監督。齋藤は「私は消去法というか、どっちもイヤというか…。多分私は追いかけることはできないタイプだから、追いかけてもらう方がいいけど、追いかけてもらったらもらったで申し訳ないなと思っちゃうから、どちらでもないのかも」と自身の恋愛観を分析した。これに山田が「関わらないでってこと?」と質問すると齋藤は「そんな冷たい感じではないですけど(笑)。そっとしておくのがいいのかも」と答えていた。また、追いかけたいタイプの國島が「自分の好きな人は自分から決めたいっていうのがあるのと、絶対に幸せにする自信が俺の中にあるので」と語ると、中田から「それ新宿の飲み屋で毎回言うやつだね。酔ったらすぐ言うんだよ」と暴露されていた。
イベントの最後には出演者を代表して齋藤が「当たり前ですけど、時間って戻らなくて。戻らない時間って美しくて儚くて、大切なんだなぁということが伝わる作品になったんじゃないかなと思います。皆さんの大切な時間と重ね合わせていただけたらと思います。今日もし少しでもいいなと思っていただけたなら、皆さんのご両親やおじいちゃんやおばあちゃんに薦めていただけたらうれしく思います。今日は雨の中、本当にありがとうございました」と客席に感謝を伝えた。山田は「監督もキャストもスタッフさんも、この作品に関わったすべての人が報われるような映画にしたいと思って主演としてやらさせていただきました」と主演という大役の撮影前の覚悟を明かした後で、「今日から『キミオイ』の輪が広まっていくといいなと思ってます。今日までがすごく苦しかったんです。僕に興味ない人、もしかしたらこの7人にも興味ない人にも『観てください』って言っていかなくちゃいけない。けど今日の公開を迎えてからは、この映画の応援隊長は皆さん1人1人なので。この映画を良かったと思っていただけたらぜひ声を大にしてたくさんの人に広めてもらえたら、僕たちはみんな『この映画をやってよかった』と思えるので」と客席に呼びかけ、この日を締めくくった。