カジノにハマり、関連企業から借りた106億円を溶かして有罪判決を受けた大王製紙前会長の井川意高氏が、4日放送のAbemaTV『橋下徹の即リプ!』に出演、カジノ問題について意見交換した。
「当時はギャンブル依存症だったと思います」と話す井川氏。「4時間で150万円が23億になった。でもそこで止まらない。カジノの営業の人たちがそれこそ羽交い締めにするようにして"今日は帰りましょう"と言って止めようとしたが、"飛行機まで8時間あるから、75億くらいになるんじゃないか"って(笑)」と、自身のエピソードを明かすと、橋下氏は「大阪でこれからカジノ誘致で動きが激しくなってくるので、依存症対策は勝負どころだ。役人とか国会議員とか、張ったところでチマチマ2、3万円程度の人があれこれ考えてもダメだ。やっぱり106億負けた井川さんみたいな大御所に聞かないと。依存症対策に一肌脱いでいただきたいと思う」とリクエスト。
井川氏は、メディアに求められてもカジノの話はあまりしないようにしているとしながらも、「一番は行かせないことだと思う。パチンコは1分間に100発以上は出ないので、朝から晩までいても上限があることになる。それに比べて、カジノは自分で張る額も決められるし、回数も滞在時間も関係ない。今回のIR法案に時間制限は法案に入らなかったが、飛行機の時間が近くなると"このまま負けて帰るのか?"と全身総毛立つような感じになって、えいっと思い切り賭けてしまう。入場料6000円というのも最悪だ。何千万円も張るような人は別にして、パチンコに行っているような人がカジノに行ったら6000円負けた状態で始める感覚になるっているから。結局、ギャンブルをやらない人の話。あれは童貞がAVの台本作ろうとしているようなもの」と断じた。
これに対し、橋下氏が「マイナンバーなどを使って収入連動型で張れる金額に上限をかけるシステムが絶対必要だと思う。それでダメな人は入場させないようにするのはどうか」と提案すると、「それはありだと思う。 ギャンブルはどんなに大きくても月収の2割までが適切だと言われているし、消費者金融からの借り入れ制限と同じ感覚で導入できるのではないか。不正の防止のためではあるが、カジノにはいくら使ったか全て記録するシステムもすでにできている」と話した。
さらに、二人はパチンコの問題にも言及した。
「私は賭博罪で捕まったわけではないが(笑)、賭博を罪にするのはおかしいと思う。基本的にJ.S.ミル以来、人間には他人の権利を害さない限り愚かなことをしていいという"愚行権"があることになっている。イギリスにもブックメーカーがある。ただ、規制は必要だ。どうしてもイカサマが入ったり、上司がゴルフをむりやりやらせたり…と、ギャンブルではない形のものが出てきてしまう可能性があるから。また、私はパチンコ・パチスロに反対ではないが、やはりその規制も必要だ。カジノができる可能性があるのは全国で3か所だけだし、OECD諸国でカジノが無いのは日本だけ。それに対してパチンコ・パチスロは日本全国に1万3000店もある。セブンイレブンは2万店だ。どこの駅前にもあるし、地方だったらロードサイドを走ればすぐにパチンコが見つかるというのは日本だけ。でも、建前上はギャンブルではないことになっている。それはおかしいと思う」と話す井川氏。
橋下氏も「賭博罪はおかしいと思う。誰にも迷惑をかけないわけだから。ただ、本人を保護するための規制は必要だ。パチンコも明らかにギャンブル。カジノ反対の人は依存症が増えるからだというが、日本のスロットの台数はラスベガスより多い。依存症患者は3.6%いるとされているが、そのうちの2.9%はパチンコによるものだと言われている。そこを規制せずにカジノを規制するのはおかしい。そもそも景品だといってすぐ店の前でお金に変えている。パチンコがやってるような方式で民間企業が裏を抜けようとしたら脱法行為だとして必ず捕まる」と指摘していた。(AbemaTV/『橋下徹の即リプ!』より)