10月19日(金)より全国公開となる映画『ここは退屈迎えに来て』が「第37回バンクーバー国際映画祭」の「ゲートウェイ部門」に正式出品され、主演の橋本愛、廣木隆一監督が登壇する舞台挨拶が行われた。

この記事の写真をみる(3枚)

 「R‐18文学賞」読者賞を受賞し、2012年に小説が発売されると紀伊國屋書店スタッフによる「キノベス!2013」にランクイン。詩的なタイトルが印象的な、山内マリコの処女小説『ここは退屈迎えに来て』がついに映画化を果たす。本作は10月19日(金)より全国公開。

 本作は、2004年の高校時代から2013年の現在まで、みんなの憧れの的だった「椎名くん」を柱にキャラクターを交差させながら描く、痛く切ない群像劇。主人公「私」を演じるのは、その透明感のある演技で高く評価される女優・橋本愛。元彼「椎名くん」を忘れられない「あたし」には、体当たりの演技で注目を浴びている若手実力派女優・門脇麦。

 そして、みんなのあこがれの的だった「椎名くん」を独特の色気と存在感を放つ人気急上昇俳優・成田凌が演じているほか、渡辺大知、岸井ゆきの内田理央、柳ゆり菜、村上淳ら出演作が後を絶たない実力派俳優が脇を固めている。監督は、これまで本格派ヒューマンドラマから恋愛モノまで、数々の作品で登場人物の繊細な心の機微を紡ぎ出してきた名匠・廣木隆一監督がメガホンをとった。

 この度、9月27日からカナダのバンクーバーにて開催されている北米最大の映画祭の1つである「第37回バンクーバー国際映画祭」の「ゲートウェイ部門」に本作が正式出品され、現地時間9日のワールドプレミア上映に主演の橋本愛、廣木隆一監督が登壇する舞台挨拶が行われた。

拡大する

 今回が2年ぶり3度目の海外映画祭への参加となった橋本は、上映前の舞台挨拶にて、堂々とした態度で流暢な英語のスピーチを披露。さらに、上映後に行われた観客からのQ&Aコーナーでは、映画を観終わったばかりの観客から多くの質問が寄せられ、橋本と監督が終始笑顔で答えている姿が印象的だった。

 観客から、地方都市を舞台とした本作にちなみ「(橋本さんが)東京に行くことが自分の意思ではなかったとのことですが、今の東京にはどのような想いがありますか?」という質問が寄せられると、橋本は「今は東京のことがすごく好きで、楽しみ方も見つけられていると思います。ただ、ここが私の居場所だというふうに腰を据えられるかというと、違うような気もしていて。世界中のどこにも『ここだ』という場所が見つからないかもしれないですが、今自分がいる環境を充実させるようにしているので、毎日楽しいです」と、東京への想いを橋本らしい文学的な表現でコメントしていた。

拡大する

 また、本作で最も好きなシーンを聞かれた監督が「全シーンと答えるしかないです(笑)」と即答してごまかし、観客の笑いを誘ったのに対し、橋本が「監督が1番好きなシーンが気になります」と重ねて会場に笑いが広がる場面も。上映終了後に大きな拍手が巻き起こった後ということもあり、上映後の舞台挨拶は終始和やかな空気の中行われ、アットホームな雰囲気で終了した。

 舞台挨拶終了後に映画祭の感想について聞かれた橋本は、「他の映画祭と違い、日本と近いものをすごく感じました。質疑応答の時も反応を見て、見たばかりのお客さんの反応を肌で感じられたのもいい経験でした。地域を感じるというか、アットホームな感じをとても受けました」と満足気に語っていた。

(C)2018「ここは退屈迎えに来て」製作委員会

映画「ここは退屈迎えに来て」
映画「ここは退屈迎えに来て」
橋本愛 門脇麦 成田凌 原作:山内マリコ『ここは退屈迎えに来て』幻冬舎文庫 監督:廣木隆一 脚本:櫻井 智也
映画「ここは退屈迎えに来て」オフィシャルサイト
この記事の画像一覧
この記事の写真をみる(3枚)