芸能界最強の格闘ゲーマーとも呼ばれるヴィジュアル系エアーバンド・ゴールデンボンバーの歌広場淳。数々のゲーム大会に出場し、プロゲーマーと遜色ないプレイを見せ続けている。現在はストリートファイターシリーズの最新作「ストリートファイターV アーケードエディション」(ストV AE)が主戦場だが、大ヒット作「ストリートファイターII」も小学生のころからプレイしていた。AbemaTVのゲーム番組「勝ったら100万円!SFV AE」の特番「勝ったら100万円!ストII賞金首」出演に際して行われたインタビューで、「ストリートファイターのおおもとは、異種格闘技のおもしろさだと思うんですよ」という歌広場に、シリーズ作との出会いと思いを聞いた。

-ストリートファイターシリーズとの出会いはいつですか?
小学校低学年の時にスーパーファミコンでやったのが最初の記憶ですね。ゲームセンターというよりは、スーパーファミコンで。友達の家で学校帰りに対戦した記憶がありますね。スーパーファミコンなので、小・中・大のパンチ、キックがあって、大が(初期設定では)LRボタン。コントローラーの上にあるので、すごく押しにくくて、波動拳とかやりにくかったんですよ(苦笑)
だから家庭用ゲーム機にあるキーコンフィグで中攻撃と大攻撃に入れ替えて、自分専用のカスタマイズをしていたのが、とても記憶にあります。小学校低学年のころから、勝つために何か工夫をしていたんですよね、きっと。
-当時から勝負にこだわっていたんですね。
「エドモンド本田」というキャラクターが百裂張り手という必殺技を出すんですけど、パンチボタンを連打するだけなんですよ。友達が「横綱参上!」という掛け声と同時にパンチボタンを連打。その友達に負け続けて、顔を真っ赤にして、泣きながら帰ったことがあります(笑)
パンチ連打しかしない、下手なやつに勝てない自分にショックを受けて、どうすればいいんだろう、百裂張り手の壁を越えるためにはどうすればいいんだろうとずっと考えて、学校が終わったらダッシュで帰って、友達の家に行く日々が続いていましたね。
-百裂張り手の壁は越えられたんですか?
僕は、ケンをかっこいいから使っていたんです。ケンしか使ったことがないくらい。百裂張り手の壁を破るには、それこそ波動拳を打つのが一番いいと思ったんですよ。ただ、波動拳がなかなか出せなくて。そこに救世主、ガイルというキャラクターがいましてね。ガイルは後ろタメ、前パンチという簡単なコマンドで、飛び道具の必殺技が出せたんです。ただ、僕の美的基準として、ガイルの髪型が…(苦笑)なので、ケンで勝つためにコマンド入力を頑張りました。
-最新作のストVAEを含め、シリーズ作が世界的にも人気である理由はなんだと思いますか?
単純にバランスがめちゃめちゃいいんだと思います。日本人って、オリジナルなものを作り出すというより、アレンジする能力が異常に高いんだと思うんですよ。なので、アクションゲームというものを、格闘アクションにして、さらに格闘ゲームにしたっていう、アレンジの力でストリートファイターシリーズが生まれて。その中での調整、バランスというのが抜群にうまいんですよ。
-キャラクターも個性的です。
現実にはありえないようなことを、さも現実にあるように見せる、リアリティーとデフォルメのバランスが、本当にうまいと思います。ガイルの髪型とか、春麗の太ももだとか、インド人(ダルシム)は手が伸びて火を吹くだとか。言われたら「それっぽいな」と思っちゃうんで(笑)ゲームを知らない人からしても、おもしろそうと思わせる力がすごかったんだと思うんですね。
-ストIIにおいては、格闘ゲームのパイオニアという役割も果たしました。
ゲーム自体のバランスについては、ストリートファイターのおおもとって異種格闘技のおもしろさだと思うんですよ。小柄な女性キャラクターだけどスピードとジャンプ力がある。一撃は重いけど動きが遅い力士がいる。戦ったらどっちが勝つか、みたいな。ワクワクするじゃないですか。そういうのを真面目に考えてくれて、その過程で力士(エドモンド本田)に必殺技で空まで飛ばせちゃって。そりゃヒットするだろうと(笑)
真面目に格闘技だけやったら、こんなにヒットしなかったと思うんですよ。パンチとキックだけじゃ。「パンチとキックと波動拳」だったからだと思いますよ!
-ありがとうございました。
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