女優の吉田羊とGENERATIONS from EXILE TRIBEの佐野玲於が、20日、東京・新宿ピカデリーで行われた映画『ハナレイ・ベイ』公開記念舞台挨拶に、共演の村上虹郎、松永大司監督と登壇した。

撮影現場であるハワイにて、佐野が内緒で購入したという吉田へのとっておきのプレゼントが渡された。サプライズの気配を感じた吉田は目を丸くしながらも、佐野から「羊さんに…」とおずおずと差し出されると、感激の笑顔に変わる。佐野からのプレゼントは吉田の誕生石でもあるアメジストのお守り。スクリーンでは、佐野が吉田へのプレゼントを選んでいる際の動画も流れた。食い入るように見つめた後、吉田は「ああ…タカシ!」と役名で佐野を呼び、「相当うれしいです。誕生石がアメジストなので、息子の愛を感じます。ありがとうございます」と告げた後、佐野を見つめ、「泣いちゃう。泣いたら記事がそればかりになっちゃう(笑)」と必死に感動の涙を止めていた。




世界中に熱狂的なファンを持つ村上春樹が2005年に発表し、累計70万部を超えるロングセラーとなっている『東京奇譚集』の一篇である『ハナレイ・ベイ』を、『トイレのピエタ』や『オトトキ』の松永大司監督が映画化。ハワイの美しき湾ハナレイ・ベイでサーフィン中にシャーク・アタックで命を落としたタカシ(佐野)と、息子を失った母親サチ(吉田)の喪失と再生、希望が描かれる。

クランクインの前からピアノを1日8時間練習したり、英語のレッスンをしたり、さらには撮影中、松永監督にこてんぱんにやられたという体験をした吉田。「大切な人はたくさんいますけど、この作品で共に戦った戦友の松永監督が、私の女優人生において非常に大切な存在になりました。女優として、原点に立ち返らされる思いをしました」と吐露し、「いつか監督に“吉田さんとやりたい”と言ってもらえる俳優になりたい」と、吉田が想いをあふれさせる。

吉田の熱い想いを受けて、松永監督も「うれしいです。本当に頑張ってもらったと思います。吉田さん、玲於、虹郎の生きざまは刻まれている。中途半端な気持ちでやっていない分、ここにいる役者と簡単にもう一度やろうと逆に思わないんです。けど、5~10年後、それぞれ今のことを続けていて、違う作品で違う形で会えたらいいなと本当に思いましたね」と、同じく深い愛を感じさせるコメントで返していた。

舞台挨拶では、劇中でも出てくる「異性にモテる三箇条」をキャスト陣が発表することに。個性豊かな回答が出そろう中、注目は佐野の「美味しいごはんに連れて行く、話をよく聞く、仲間に会わせる」という回答。佐野は「何かを一緒に食べたのって思い出になりますよね。“話をよく聞く”は取材でも羊さんが言っていて、超・説得力があって”はいっ”となった(笑)」とユニークに理由を話す。最後の「仲間に会わせる」について、吉田が「仲間に会わせてくれるって、すごく大きいですよね。佐野くんが大事にしている人に会わせてくれるってことは、それほど大切にしているってことだから」と納得の表情を浮かべると、佐野も「なるほど。よしっ!」と満面の笑みを見せていた。




取材・文・写真:赤山恭子
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