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 「全日本国民的美少女コンテスト」出身の若手女優・吉本実憂(21)が主演を務める映画『レディinホワイト』が11月23日(金)より公開される。吉本が演じるのは親の資産で何不自由なく育ってきた新入社員・如月彩花。新卒でホワイト企業と思って就職した会社で、パワハラ全開の上司・松山翔平(波岡一喜)の下につく。部下を奴隷のように扱う翔平に怒る彩花だったが、彼女自身も翔平に負けず劣らずなクズ。新卒らしからぬキメキメの白スーツで出社し、敬語は使わず、指示にも従わず、上司の背中に中指を立てる始末。破天荒で生意気、一見すると嫌われ役のキャラクターを、愛嬌たっぷりに憎めないヒロインに昇華させた吉本に、撮影の舞台裏を聞いてきた。

「どうなってもいいか!」開き直ると役が入ってきた

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ーー過激なセリフも多い作品でしたが、脚本を読んだときはどのように感じられましたか?

意外と文字で見る分には凹凸ない感じかなと思ったんですけど、大塚(祐吉)監督だって聞いていたので単純なキャラクターにはならないんじゃないかな、と思っていました。大塚監督とは『罪の余白』(15)のときにご一緒させていただいて、すごく変わった人だっていうのは知っていたので。……そしたら、やはりぶっ飛んだ役でした(笑)。

ーー今回、オリジナル作品だったとのことですが、当て書きだったり?

当て書きではないと思います!わたしと彩花は全然ちがう(笑)。監督から「こんな暗い人間をこんな明るくするのは大変だったよ」って言われたので(笑)。

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ーー演じていて1番難しかったところは?

役が入ってくるまでに時間がかかりました。リハーサル期間が4日間あったんですけど、3日間、監督と2人でズドーンと落ち込むくらい入ってこなかったんです。頑張って演じようとしたんですけど、なかなか彩花としてのテンションが上がらなくて。彩花って、常に自分が1番、自分が正しいし、人が「黒」って言っても「白」に変える自信がある、プライドを持っている、いつもテンションのメーターがすごく上がっている人なので、そうじゃないと演じられない。自分はやっぱ暗いのかな……って思い、悩みました。でも4日目のリハーサルで、お昼を監督と食べながら話して、「どうなってもいいか!」って開き直って。それで彩花のスイッチが入ったというか。開き直るって悪いことじゃないんだな、と気づきました。そこから最終日まで彩花のテンションでできました。

ーー監督とはそのときどんなお話をされたんですか?

監督と何時間も話して、監督の持っている彩花像っていうのを全部吐き出してもらって。それを全部ノートに箇条書きして、それを読んで入ってきた部分もあります。あと、監督が言ってくれた言葉も大きかったです。「彩花としてうまく生きられたら、それはお前のおかげ。もし、生きられなかったら俺のせい」って。それで、もしダメだったら監督のせいにすればいいんだ!って思えて、開き直れました(笑)。

ベスト体重より5kg増 彩花役はぶちゃいくな方がいい!?

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ーー今回、今までの吉本さんの印象になかったボブヘアーですね。この髪型も監督の指示ですか?

はい。「ヘルメットみたいな髪型にしたい」っていうのがあったようで、そういう髪型になりました。「(髪を)耳とかにかけますか?」って聞いても、「いや、かけなくていい!おもしろおかしくしたい」って言われて。そのとき、自分が太り気味だったので、「痩せたほうがいいですよね?」って監督に確認しても、「いや、痩せなくていいよ!逆にちょっと太って」って言われて。痩せているシュッとした人が彩花のセリフを言うと嫌味に聞こえる、ちょっとぽっちゃりしてぶちゃいくな人の方が愛嬌がある、とのことで。

ーー太っている印象がなかったです!

このときはベスト体重より5kg重かったです。わたし、体重の増減で顔がすごい変わりやすくて、このときは二重幅が違うんです。

ーー太っちゃった理由は?

食べ過ぎ……ですかね(笑)。あと、本番ではわざと朝から水をたくさん飲んで、ぶちゃいくになるように浮腫ませたりしていました。

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ーー彩花と吉本さん、似ている部分はありましたか?

彩花って独自の感性で「白がいい」っていうじゃないですか。それと同じように、わたしは黒がいいんですよ。「この色がいい!」ってある色を好んで着ているという部分は似ているかもしれないです。彩花が白を着ると気合が入るように、黒を着ているときは気合が入ります。私服とかもずっと黒で、「他の色も着た方がいいんじゃない?」って言われるくらい、黒ばっか着ているんですけど(苦笑)。あと、ダボっとしている服が落ち着きます。シュッとした服よりも、(ダボっとしているときの方が)自分らしくいられる気がします。自然体でナチュラルな自分でいられる気がします。

「今まで一番台本を読んでいない」その理由は?

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ーー演技の面で、監督から印象的な指示はありましたか?

ずっと「力を抜け」って言われていました。「日常でこういうとき力入る?」「いや、入らないでしょ?」「だったらその役として生きていればいいから、力入れる必要なんてない。うまく演じようとしなくていい」「抑揚とかもつけなくていい。素直に喋ってくれればいい」という風に言っていました。なので、いかに朝起きてから力を抜いて現場に行けるかっていうのを考えながらやっていました。だから、今までで一番台本を読んでいないです。現場で相手とのキャッチボールで生まれたことやその場に立って生まれたことを大切にしていました。彩花はポーズをつけるのが好きなんですけど、そのポーズを考えたり、中指を立てるときの効果音とか、台本に書いてあることプラスαでつけ加えるということに集中していたので、内容を理解するということ以外には読まないようにしていました。

ーーどんな効果音やセリフが現場で生まれましたか?

監督が彩花にそっくりなので、(大塚監督から)盗んでいました。久住小春さんに中指を立てるシーンのときに、監督から「面白い中指の立て方ない?」って聞かれて、効果音をつけようと思って「ぽよ~ん」って言うのは自分で提案しました。

ーー(笑)彩花が提出する辞表も「自表」って漢字を間違えていましたね。ああいった小ネタもおもしろかったです。

「自表」って書いちゃうんですよね(笑)。あれは吹越さんの案だったかな。「字とか間違えればいいのに~」って。監督はそういうの大好きだったから採用されて、「自分の自にしちゃえ!」って(笑)。

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ーー吉本さんのお気に入りのシーンを教えてください。

お気に入りのシーンは最初と最後。どっちも面接のシーンなんですけど、彩花が一緒のようで違う。ちょっと大人になっているところが好きです。あと冒頭のシーンは監督を完全にコピーできているな、と自負しています。面白い人間はやっぱり真似した方が得だなと思って(笑)。

ーー揉めるシーンが多い作品ですが、現場の雰囲気は和やかでしたか?

和やかでした。波岡さんも優しかったです。波岡さんが忙しくてリハーサルのときも合わせられなくて、オフもしゃべらないで役にグッと集中するタイプと、オンオフはっきり切り替えるタイプと、どっちだろうと思って、ちょっとビビりながら入ったんですけど、オンオフはっきり分けるタイプでした。休憩時間もすごく楽しくお話ししてくれました。

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ーー印象に残っているお話はありますか?

波岡さんは“願掛け”をしているらしくて。“願掛け”ってわたしはしたことなかったので、それでやってみようかなって影響を受けました。オーディションを受けるときは裸足で芝居するとか、そういうちょっとした願掛けをするようになりました。

ーー矢本さんはどんな方でしたか?

矢本さんのオンとオフがすごかったです。一番親近感のある、まともな役なんですけど、矢本さん自身は本当に王様みたいな人。はっきりしていて、彩花の要素を持っていて、ブラックユーモアの塊のような人で。でもカメラが回ると役に入って下手なキャラに。それがすごいなーと思いました。わたしは矢本さんの性格がすごく好きです。

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ーー最後にこれから映画を見る読者にメッセージをお願いします。

こんな女の子いるかな?っていないな?でも、いたら、会社とか周りの人ってこうなるんじゃないかな、そのスパイスっておもしろいなと単純に思ってもらえたら嬉しいです。この作品を素直に楽しんでもらえて、ちょっと共感出来る部分があるなって、つまんで持ち帰っていただけたら嬉しいなと思います。

ストーリー

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 親の資産で何不自由ない生活を送ってきた如月彩花、新卒。ホワイト企業と思って入った会社には、なんとパワハラ全開のゲスなエリート上司が!部下はもれなく全員奴隷化がデフォルトの、驚異の体育会系!今まで味わったことのない屈辱の連続に怒り心頭の如月だったが、そのゲス上司に負けない驚きのクズっぷりを発揮するのだったーー。敬語は使わず、指示には従わず、キメキメの白スーツと社内でも完全に厄介者と噂され……。そんな中、時を同じくして父の会社が倒産。さらにゲス上司からの嫌がらせに加え、会社の命運を担うプロジェクトまで任され……。猛毒フレッシャーズ女子・如月はこの苦難を脱することができるのか!?

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スタイリスト:山本隆司

メイク:小嶋絵美

写真:野原誠治

テキスト:堤茜子

11 月 23 日(金・祝)よりアクアシティお台場、ミッドランドスクエアシネマほか全国順次公開

(c)テレビ大阪サービス

映画『レディ in ホワイト』11月23日(金・祝)より全国順次公開
映画『レディ in ホワイト』11月23日(金・祝)より全国順次公開
映画『レディ in ホワイト』公式サイト。ホワイト企業に入社したつもりが、パワハラ全開のゲス上司の直属に!部下はもれなく奴隷扱いの脅威の体育会系に屈辱の連続!しかし猛毒フレッシャーズ女子・如月はゲス上司に負けぬ驚きのクズっぷりを発揮するのだった!クズ新人vsゲス上司、有毒社員たちの仁義なき戦いがいま始まる! 11月23日(金・祝)よりユナイテッド・シネマ アクアシティお台場、ミッドランドスクエアシネマほか全国順次公開。
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