都会の喧騒を忘れさせる落ち着いた空間「ホテルバー」に響くシェイカーの音、作り出される色鮮やかなカクテル。華麗な手さばきを見せるのは、バーテンダーの花田美咲さん、27歳。都内の一流ホテル「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」の高層階にある、夜景も望めるオシャレなバーで働いている。
「バーテンダーの資格はあるんですけれど、それはスタートに過ぎないというか。カウンターに入ってお客様とやり取りしたりして、だんだんバーテンダーという職業に近づいていけるのではないかと。(お酒に)全然詳しくなくて、ゼロからのスタートだったので本当に大変でした」(花田さん)
花田さんがバーテンダーになったきっかけのひとつは、父親の存在。ホテルマンとして働く父の姿を見て、当初は同じ道を目指していた。高校卒業後は、青森から上京し都内の専門学校に進学。すると、ある転機が訪れる。
「東京のホテルを見に行く機会とか利用する機会があって、生まれて初めて『オリジナルカクテル』を作っていただいた。その時、カクテルを作ってくれたのが女性のバーテンダーだったんですね。結構クールな方でかっこいいなと思って、憧れてなりたいなと思ったのがきっかけです」(花田さん)
ホテルマンからバーテンダーへ。花田さんの人生を変えたのは、“運命の出会い”ともいえる1杯のカクテル。そのカクテルを作ったのは、世界大会への出場経験もあるバーテンダー歴14年の渡邉由希子さん。花田さんは渡邉さんのもとで働き始め、憧れのバーテンダーを目指すことを決意。当時の花田さんの印象について、渡邉さんは次のように話す。
「一生懸命やりすぎて、とっさに考えていることが口に出ちゃう感じだった。お客様の前で『やべっ』とか『えっ、どうしよう』とか。まだまだ一般の女の子がうろちょろしているような状態だったんですけど、慣れていくのはあっという間で早かったですね」
大先輩のサポートを受けながら、レシピや実技を学んだという花田さん。バーで働き始めてから1年後、筆記試験と実技試験に合格し、見事バーテンダーの資格を取得した。しかし、カクテルの技術を競う大会に初めて出場した際、大きな壁にぶつかることに。
「最初に臨んだ大会が、バーテンダーの資格を取って2カ月後くらいの時にあったものなんですけど、同期のバーテンダーが20人中1位で予選を通過して、私がビリだったんです」(花田さん)
最下位での「予選落ち」という厳しい“現実”を突き付けられた花田さん。それでも、悔しさをバネにリベンジすることに。
再挑戦の結果は…応募総数800作品の中から「リキュール部門」の最優秀賞を受賞した。
現在、一流ホテルのバーカウンターに立ち、カクテルを通じて日々さまざまなお客さんと触れ合っている花田さん。最も心がけているのは「100%の自信を持って、カクテルを提供すること」だという。
「英語が喋れなくて苦戦しているんですけど、語学とかも勉強して、海外のゲストにも喜んでいただけるようなサービスをしていきたいなと思っているのと、これからは東京や世界で活躍できるバーテンダーになれるよう頑張っていきたい」(花田さん)
また、AbemaTV『AbemaMorning』の取材に際し、特別にオリジナルカクテルも作ってくれた。“さわやかな朝の 癒しの田中萌アナ”と番組ロゴの色合いをイメージしたカクテルは、その名も「Brilliant Morning Fizz」。田中アナは「酸味がいいですね。おいしい!お酒の味がグッと来るのかと思ったら、さわやかで華やかな香りがして飲みやすいです」と感想を語った。
(AbemaTV/『AbemaMorning』より)