伝説の深夜番組『虎の門』のAbemaTV版で、新企画「マニアックティーチャー」が放送された。マニアックなジャンルに詳しい芸人たちが次々に登場する同コーナーでは、BL(ボーイズ・ラブの略称)に詳しい、ぷにょんペリラ・内藤友加里が登場。
内藤によると、男性同士の恋愛を描いたBLには、さまざまなジャンルがあるという。その中で内藤が今回紹介するのは「ナマモノ」と呼ばれるジャンル。
「ナマモノ」とは、実在する人物でBLを楽しむ権利的にも際どいジャンルで、ファンの間で「三次元」と呼ばれることもある。内藤は「有名人、著名人、スポーツ選手など幅広く対象にしている」という。
そもそも、アニメや漫画のキャラクターではなく、なぜ実在の人物で妄想するのだろうか。その最大の理由について、内藤は「まず、生きているから」と解説。「この世に“推し”が存在することが素晴らしい」と力説した。
さらに、自分自身も芸人の内藤は、なんと大先輩の芸人で妄想するのが楽しいと衝撃の告白。「芸人さんだと、舞台などで他の芸能人とノリでキスすることが多い。他のお客さんは笑いながら『気持ち悪い』という感じで見ている中、私はキスした瞬間『あ~!ありがとうございます!』(合掌しながら)と感謝を述べている」と具体的なエピソードを赤裸々に語った。
もちろん「ナマモノ」ならではの注意点もある。内藤は「勝手に妄想しているから気を付けなきゃいけないことがある。やはりご本人が存在しているので、著作権、肖像権、名誉毀損など訴訟問題と常に隣り合わせのジャンル。なので、絶対にご本人にバレてはいけない。傷つけたらファン失格。仲間内では“隠語”を使う」と独特のルールについて説明した。
本当は門外不出の隠語だが、今日は特別に少しだけ教えてくれることに。1つ目は「中途殿堂×酒姫」。これは、漫才コンビ・チュートリアルの徳井、福田を表す隠語だという。殿堂は“吉本イケメン芸人の殿堂入り”でわかりやすいが、“酒姫”とはどういう由来なのだろうか。内藤は「福田さんはお酒が好きなイメージ。“姫”については、BLの隠語では左右どちらに名前が書かれるかにも意味がある。左が攻め、右が受け。だから“姫”として可愛がられる」と解説した。
「思わず本人を隠語で呼んでしまうのではないか」という心配の声に対し、内藤は「リアルで声に出ないよう腐女子はちゃんとしてる」と強調。
もう1つ内藤が紹介した隠語は「首長・玄米×低音」。これは、漫才コンビ・麒麟の田村×川島を意味しているという。麒麟の川島本人を目の前にした内藤は「今、最大の禁忌を犯している」と焦りの表情を浮かべる。川島が「姫のところに書かれている!?」と驚いていると、内藤は「腐女子個人の好みによっても攻め・受けは変わる」と説明した。
低音ボイスがチャームポイントの川島はともかく、田村はなぜ“玄米”なのだろうか。内藤は「ネタの中で田村さんが玄米の例え話をよく出されているので、そういうところから引っ張ってくることもある」と隠語の決め方を解説した。
なんとも奥が深いBLの世界。内藤が次に紹介したジャンルは「無機物」だ。内藤は「この世の中のありとあらゆるものを、すべて2つ組み合わせることで、その間にBLを見出す遊び」を紹介。
例えば、東京タワーとスカイツリーも無機物BLのネタになるという。内藤は「この“ふたり”がお付き合いをしたら、どういう恋愛をするのか……想像するのが楽しい」と言いながら小さな模型を取り出した。「ちょっとやってみますね」と、模型を使ってBL恋愛を実演。
「東京タワーさんは年季が入っているので、ちょっとおじさん。枯れ専で、『俺なんか……』とちょっとやさぐれ気味。そこに、新進気鋭のスカイツリーくんがドーンと登場!背も高く若いスカイツリーに、敵対心を燃やす東京タワー。でも、スカイツリーくんの方は、先輩の東京タワーさんに対してものすごく憧れが強い。この憧れが、気づいたら恋心に発展している訳ですよ!」と興奮気味に語る内藤に、MEGUMIから「展開が早い」とツッコミが入る。
無邪気に寄ってくるスカイツリーに対して、最初は鬱陶しいと感じる東京タワーも、徐々に押しの強さにほだされるのが一連の流れ。内藤は「年下が年上を攻めることは“下克上”と呼ばれます。年上にリードしてもらいたい人の場合は、攻め・受けが逆」と解説した。
ずん・飯尾が「例えば、通天閣の遠距離恋愛みたいなのもあるんですか?」と質問すると、内藤は「三角関係もいいですね。ここに通天閣さんが来たら、どうしましょう」と目を輝かせる。
ここで麒麟・川島は「通天閣はデリカシーがない」と妄想。「歴史の古い通天閣は昔、東京タワーといろいろあったのではないか」など、妄想が広がっていく。内藤は「通天閣さんはデリカシーがないから、東京タワーさんが夜どんなだったかをスカイツリーくんの前で暴露してしまいそう。それで、スカイツリーくんが嫉妬しちゃう……みたいなのもすごくいい」と妄想を炸裂させた。
だんだん妄想がヒートアップしてきたスタジオでは「海外からエッフェル塔も参加させてみてはどうか」というアイデアも。勝俣が「東京タワーはエッフェル塔を参考に造られているから、憧れがあるのでは?」と言うと、内藤は「スカイツリーは、エッフェル塔に東京タワーの面影を感じるはず。ちょっと浮気しちゃうかも。これもいいですね。浮気モノもおいしい!」とBLの楽しみ方を紹介。ストーリーが展開する中で攻めと受けが逆になってしまうこともあるらしく、内藤は「これはリバと呼ばれます」とBL用語を次々と解説した。
いとうが「(妄想の中で)子どもができることもあるんですか?」と質問すると、内藤は「子どもは同性愛の中で、なかなか難しい問題。ただ、なくはない。奇跡が起きてしまうこともあって、今は“オメガバース”というジャンルもある。でも時間がないので……」とコメント。
区切りの悪い展開に、スタジオの出演者たちは「とりあえず、終わったら楽屋でオメガバース調べます」と興味津々。今回の放送はAbemaビデオで無料視聴が可能だ(期間限定)。
次回、11月18日(日)よる10時からの『虎の門』は、「第2回 声優耳打ちしりとり」を放送。見逃し防止には番組表から「通知を受け取る」がおすすめだ。