「ご飯、食べましたか?」という言葉をあいさつ代わりに使い、「食事は複数でするのがあたりまえ」だった韓国でも、最近は“ひとり飯”や“ひとり酒”を好む人が増加している。『おひとりさま~一人酒男女~』は、そんなトレンドの中で作られ、人々の本音がぎっしり詰まったヒューマン・ラブストーリードラマだ。

(C) STUDIO DRAGON CORPORATION
公務員試験合格を目指す受験生たちの救世主として、圧倒的な人気を誇るスター講師ジョンソク。実力を認められ、キム校長が営む予備校に引き抜かれてきた彼は、そこで、何をやっても要領の悪い新人講師ハナと出会う。学歴、外見、実力に恵まれ、他人を見下して生きてきたジョンソクは、いつの間にかハナのことが気になりだす。一方、ジョンソクの弟で就職浪人のコンミョンは、母に強要されて兄の勤める予備校へ。そこで、一目惚れの相手ハナと再会する。
自分に関するすべてのことに“高いクオリティ”を求めるジョンソクの華麗なひとり酒ライフから幕を開けるこのドラマ。「質の高い場所で、質の高いつまみを食べながら、質の高い飲酒文化を楽しむ」彼の極端なこだわりが、かなりユニーク。イヤホンでクラシック音楽を聴き、飲みすぎ防止のため血中アルコール度を測りながらお酒を飲む姿に「そこまでやらなくても…」と思うものの、「だれにも強要されず、聞かなくていい話を聞かず、作り笑いもせずに、自分のペースで」飲みたいという彼の意見には共感する人も多いのではないだろうか。演じているのは、『1%の奇跡~運命を変える恋~』のハ・ソクジン。工学部出身で、「ただ頭がよいだけではなく、主観がはっきりしていて、話術に優れ、ユーモア感覚を持っている」男性を指す、“脳セク(=脳がセクシー)”の代表としても知られている彼が、嫌味なほど完璧ながら、どこか憎めないジョンソクを好演している。

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そんなジョンソクとは対照的に、一人暮らしの家に戻ってきて飲む缶ビールを何よりも愛しているのが、能力はいまいちでも周囲の人たちから愛されている講師ハナ。AIアシスタントが相談相手というほど孤独な彼女だが、やがてジョンソクと彼の弟コンミョンの両方から思いを寄せられるようになる。『トンイ』で清楚な王妃に扮していたパク・ハソンの、かなり“壊れた”演技が見もの。コンビニの前に置かれたテーブルでビールを飲んだり、宴会の席でソメク(ソジュ=焼酎+メッチュ=ビール)を作ったりといった、韓国の飲酒文化についても知ることができる。

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舞台となっている鷺梁津(ノリャンジン)は、公務員試験(考試)の準備をする人たちが集まる低価格の宿泊施設「考試院(コシウォン)」が集まる“村”として知られている場所。『華政』のコンミョン扮するコンミョンや、ドラマ初出演となるSHINeeのキーが釜山方言を駆使して演じるキボムなど、受験生たちの生活もリアルに描かれている。

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人生に「ひとり酒」が欠かせないふたりの恋の行方を、大好きなお酒を片手にゆったり楽しんでみてほしい。

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『おひとりさま~一人酒男女~』はAbemaTV【韓流・華流チャンネル】にて11月29日(木)よる9時より放送。
テキスト:佐藤結
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