「これをやらないとおしまいだよ」。15日放送のAbemaTV『NewsBAR橋下』にゲスト出演した元衆議院議員の亀井静香氏出演。自主独立を訴え、自主憲法制定への思いをぶつけると、現実的な改憲を訴える橋下氏との間で激しいやりとりが展開された。
亀井氏:晋三(安倍総理)もよくやっているけれども、トランプの"ポチ"じゃだめだよ。だって冷戦も終わったのに、沖縄をはじめ、この日本列島はアメリカの基地だらけじゃないか。日本国の総理は"あなたたち、こんなものは引き上げてくれ"と言わなきゃいけないのに、一言も言わないじゃないか。自主独立だ。日本はちゃんと軍を整備して、ミサイルを撃ってくれば撃ち落とす、そういう自己防衛をしていかないと。それをせんで、アメリカの基地を置き、特に沖縄に負担をさせているのは良くない。
橋下氏:"アメリカのポチになるな"と言うのは簡単だし威勢もいい。かっこいい。石原(慎太郎)さんも、ずっとそういうことを言われてきた。でも、それを実現させようと思ったら憲法9条の改正が必要だ。これも言うのは簡単だけど、今まで70年、自民党だって手を付けてこなかった。安倍さんがチャレンジしようとしているけれど、自衛隊を合憲化するというところまでが精一杯だし、それですらできるかどうかわからない。自主独立というのもわかるが、僕らみたいな無責任な政治評論家が言う話であって、本気でやるんだったら憲法9条を改正しないと。
亀井氏:今の憲法は、誰が考えたってマッカーサーが作った憲法でしょう。そんなものは自主憲法に変えていくのが当たり前だ。
橋下氏:でも、亀井さんも中枢にいらっしゃった自民党はやらなかった。それは吉田茂首相の頃から国の状況を見て、軽武装で、経済の方を重視して歩んできたから。"やらない"という選択をしてきたわけだから、今ここで"自主憲法制定だ"と言ったって、国民は全く受け付けないと思う。
亀井氏:国民がアメリカの奴隷の繁栄に甘んじたんだ。奴隷の方が楽なんだ。そうじゃなくて、日本の文化・伝統を踏まえた日本人の生活の仕方があるでしょう。そういうものに従った憲法を作らなきゃいかん。
橋下氏:もう誰も自衛隊のことを違憲だなんて言わないし、みんな合憲だと思っている。それなのに憲法に書くだけで朝日、毎日、その他のメディアも反対してきたし、それを突破できる政治家も今までいなかった。だから亀井さんが言われることはできないでしょう。もちろん石原さんも含め、戦争を経験されたかどうかで違うとは思うし、GHQが10日間くらいでパパっと草案を作ったとか、そういうことについては腹立たしいという気持ちもあるけれど、僕らの世代は今の憲法の全部を書き換えないといけないとは思っていない。今の日本社会に不満もあるかもしれないけれど、その憲法の下で生活してきたんだから。
亀井氏:今の国民は、自分の生活に直接の関係ないと関心を持たない。
橋下氏:それは矛盾ですよ。国民の生活が第一だっておっしゃっている。
亀井氏:言っているけど、国民がそうなっていることは事実だ。
橋下氏:それなら生活をしっかり支えるのが政治家の役目であって、憲法を全部書き換えろなんて無理なことを言っていたって仕方がない。
亀井氏:私もすぐに憲法改正ができるとは思っていない。"歌の枕詞"だ。憲法に関心があると思われたいから、政治家たちはそういう言い方しているだけの話で、実際は国民の中から"この憲法じゃいかん"という"うねり"が生まれてこない限り改正はできない。
橋下氏:自民党はすぐ自主独立、自主憲法の制定って言うけれど、国民は付いてこないし、ほとんどの国民はアメリカなどとチームで防衛しようと考えている。僕は核兵器を持とうという考えだけど、多くの国民はそう思っていない。それも政治家の問題提起がなかったからだし、特に自民党の責任だと思う。
僕は生まれてから大学を卒業するまで教育費は全部無償にすべきだと言ってきた。それは法律でいいという意見もあるけれど、今の政治家は"お金がないから"と言ってやらない。もし教育無償化を憲法に書き込めば、お金を用意して、絶対やらないといけなくなる。安保法制の時には違憲か合憲かで揉めたが、誰も判定できないから、みんな言いっぱなしだった。それも最後に判定する憲法裁判所を作るよう、憲法に書き込めばいい。そういう、実益にかなった改正をしたほうがいいと思う。政治家が実益を訴えればできますよ。
亀井氏:国民がそんなことにうねりのようなエネルギーを出してくるはずがない。
橋下氏:国民のことを全然信用してないじゃないですか(笑)。
亀井氏:信用してないってわけじゃないけど、残念ながらね。
橋下氏:やりますよ。政治家がちゃんと言えば。
亀井氏:教育の無償化だって、憲法を変えなくっていくらでもできる。
橋下氏:だから今まで70年間、自民党の政治家がやってこなかったじゃないですか。
亀井氏:あんたが政治家になってやればいいじゃないか(笑)
橋下氏:(笑)