11月20日、109シネマズ川崎で「IMAXレーザー」の内覧会が実施され、ゲストとしてIMAXコーポレーションでチーフ・クオリティ・グルーを務めるデヴィッド・キーリー氏と、『シン・ゴジラ』の監督としても知られる樋口真嗣監督が登場した。
株式会社東急レクリエーションは、11月23日（金・祝）より同社が運営する109シネマズ川崎（神奈川県）と109シネマズ名古屋（愛知県）の2サイトに、最新鋭の上映システム「IMAXレーザー」の導入を決定した（※導入工事に伴い、109シネマズ川崎のIMAXデジタルシアターは9月25日より、109シネマズ名古屋のIMAXデジタルシアターは10月上旬より休館中）
この度、109シネマズ川崎への「IMAXレーザー」導入、およびグランドオープン日11月23日（金）を控えた11月20日に、IMAXコーポレーションでチーフ・クオリティ・グルーを務めるデヴィッド・キーリー氏と、これまでに数々の大作を手がけ、2016年に日本中で一大ブームを巻き起こした映画『シン・ゴジラ』の監督としても知られる樋口真嗣監督をゲストに迎えた内覧会を実施した。
内覧会冒頭では、IMAXコーポレーションでチーフ・クオリティ・グルー（CQG）を務めるデヴィッド・キーリー氏から、「1971年に初めてIMAXを観ました。当時私は映画を勉強する学生で、その素晴らしさに衝撃を受けました。日本では既に1970年に大阪EXPOで上映されていて、先を越されたという思いがしました」と自身とIMAXとの出会いを話した。
さらに「IMAXは約50年前、1970年の大阪での始まりから、今日では80カ国1400以上の劇場で導入されています。今日これからご覧いただくIMAXレーザープロジェクターは独創的であり、IMAXを観賞するお客様に最高のコントラストを提供します。特に白と黒の境界線が今までよりもハッキリと表現されています。IMAXサウンドも素晴らしく、ダイナミックサラウンドチャンネル、サブバスシステムと新設された天井のシーリングチャンネルが、あなたを完全包囲します」と、IMAXレーザーの技術について説明があった。
その後、IMAXレーザーの素晴らしさを体感するために、クリストファー・ノーランやJ・J・エイブラムスなどハリウッドの著名な映画人からのメッセージや映画作品を編集したIMAXレーザーのデモリールが上映されたほか、スペシャルゲストとして樋口真嗣監督が登壇した。
監督は、「筑波の科学万博にあったサントリーのパビリオンでアルバイトをしていて、そのときの休憩時間に潜り込んで観たのが初でしたね（笑）。当時大型映像の展示はいくつかあったのですが、その中でも映像システムも表現している映像も素晴らしかったですね。映画を観るだけなら家でも観れますが、IMAXは体験なので、そのときそこで観ないといけないんです！その体験を逃すと二度と体験できないですから。映画自体がどんどん体験する形になっていると思いますので、良い時代になってきたなと思います。IMAXの欠点は1つだけなんです。観ないと分からない（笑）」と、自身の体験とIMAXへの愛を語った。
また、自身が製作したIMAX作品（『進撃の巨人』『シン・ゴジラ』）にちなみ、映画監督として感じる通常画面作品との演出の違いやその効果について聞かれた監督は「海外の有名な監督達は莫大な予算のもとでIMAXカメラを使って撮れるんですけども、日本だと当初の予定よりも1カ月早く完成させてカナダに持って行くんです。するとそこで魔法が起きてIMAXの映像になる（笑）。シン・ゴジラは普段皆様が持ち歩いているようなカメラで撮っている映像も使われているんですが、その映像も魔法が起きて、見事にIMAXの映像になってるんですよね」と製作側ならではの秘話を語ると、会場からは驚きの声が上がった。
さらに、IMAXならではの魅力については「役者さんの“目”ですね。潤んだ感じとか、エモーショナルなものがすごく伝わってくるんですよ。私達が映写チェックのときには気付かなかったような“目”の表現や演技も伝わるので、ドッカンドッカンした映像よりもむしろそうした表現の方がIMAXに向いているかと思いますね。旧作をリマスターして見せるのにも相当向いていると思います」と映画監督ならではの目線で回答した。
最後に、いよいよIMAXレーザーが川崎にやってくることについて、樋口監督は「川崎はsuicaで行けますのでね（笑）。それくらい近いところにできたということで、ぜひ皆さんに来ていただきたいですね」と語り、イベントは幕を閉じた。
