22日放送のAbemaTV『NewsBAR橋下』に出演した橋下氏が、日産自動車のカルロス・ゴーン会長逮捕について言及した。
まず、橋下氏は「(日産社内の)権力闘争であることは間違いなくて、そこに検察が入っちゃったからどうなのかな。脱税だったらアウトだと思うし、そうだったら国税も入って徹底的にやってほしいと思うけど」とコメント。その上で「ただ、僕の考えでは、ゴーンさんの報酬は低いと思う。あれだけ立て直した人に対して、日産は恩知らず。日本維新の会と一緒!潰れそうになった時のワンプッシュが一番重要だし、そこでリスクをとって上手くいったんだから、当然リスクを取った人に利益を還元するのは当たり前。日本維新の会の国会議員だって、大阪維新の会の看板で就職したようなもんだから」と話した。
するとゲストの経済評論家・上念司氏が「確かに日本の自動車メーカーの経営者に比べると多いが、アメリカの経営者はむしろもらいすぎ。ビッグ3なんて、あんなグダグダで従業員はヒーヒー言っているのに、たくさん退職金ももらって辞めていく。ただ、ゴーンさんは橋下さんほど苦労してないかもしれない。あれは再建屋がよくやる、典型的な"ビッグバス会計"という手法。それをやれば簡単だなと思って買った可能性もある。ビッグバス会計とは、大きいお風呂に入って垢を落とす。つまりしがらみを切って特別損失をドカンと出す。やろうと思えば簡単なことだが、ゴーンさんの前の日本人経営者たちは組合の抵抗や部品メーカーへの天下りもあってできなかった。でも、一度大ナタを振るえば、あとは普通に営業しているだけで"奇跡のV字回復"になる。こういうことを外圧じゃないとできないという、日本人の情けない心性もあると思う」とコメント。
橋下氏は「確かに大阪府庁改革もそうだった。役所にはいっぱい贅肉が付いているから、それを落としたらV字回復した。会計制度をブラッシュアップした今、キャッシュフロー計算書を見たら大阪府・大阪市はこんなプラスになったの?というくらいになっている」と明かした。
さらに橋下氏は「刑事手続について、世界各国から批判を受けると思う」とも指摘する。
「僕は日弁連や大阪弁護士会が大嫌いだけど、日本の刑事手続が野蛮だということでは一致している。よくイスラムの石打ち刑を野蛮だと言うけれど、日本の密室での取り調べも欧米からしたら超野蛮。先進国では取り調べの時にも必ず弁護士が付く。客観的な証拠がある中でも、自白をとる時は弁護士の立ち会いがないと。強大な国家権力と、いち被疑者だったら、力の大小は明らか。僕も絶対ダメだと言ってきたが、力及ばずだった。司法改革が始まって、取り調べの過程を録画しようとしたが、検察庁や法務省の猛反対もあって、結局は全体のたった3%だけ。家族のやりとりにもすごく制限がつくし、今回の件でフランスが日本の刑事手続を猛批判しているから、問題があぶり出されると思う。検察としても大変なことになると思う。ある意味では今回の件で日本の刑事手続きが国際スタンダードになる可能性もあるかもしれない」。
(AbemaTV/『NewsBAR橋下』より)