スマートフォンやコンピュータを通して、私たちの生活の隅々まで入り込んでいるインターネット。『ファントム』はそんなインターネットを利用して自らの野望を実現しようとする男と、それを必死で防ごうとする人々の攻防を描くサスペンスフルなサイバー犯罪ドラマだ。
(C)SBS
国際的に活躍するハッカー“ハデス”の足取りを追っていたところ、スキャンダルの渦中にある女優シン・ヒョジョンの住むマンションに辿り着いた警察庁サイバー捜査隊チーム長のキム・ウヒョン。しかし、彼女は自室の窓から身を投げ死亡。一度は自殺だと思われたものの、何者かが彼女を突き落とす動画が公開され、犯人探しが始まる。捜査の途中でウヒョンは警察大学時代の友人パク・ギヨンと再会し、彼がハデスであることを突き止める。ヒョジョンを殺した容疑をかけられたギヨンは自らの潔白を証明する映像を探し出すが、そこには新たな殺人事件の様子が映っていた。その後、ギヨンに呼び出されてウヒョンが向かった化学工場で爆発が発生。火傷を負い瀕死の状態となったふたりのうち、生き残ったのはギヨンだったが、事件の全貌を暴くことを決意した彼は、手術によってウヒョンになりきり、サイバー捜査隊へと復帰する。
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『主君の太陽』や『オー・マイ・ビーナス』など、ここ数年はラブコメディでも魅力を発揮しているソ・ジソブが、初めて刑事役を演じることが話題となった『ファントム』。さらに、「何事にも隙がなく、シャープな敏腕捜査官」ウヒョンと、「インターネットに関する知識は完璧だが、口数が多く感情の起伏が激しい」ギヨンという、まったく違うキャラクターを、“同じ外見のまま”演じるという、難しい演技にも挑んでいる。『ビッグマン』のチェ・ダニエル扮する“本当の”ギヨンとのシンクロ具合に注目してほしい。
一命をとりとめたウヒョンの正体がギヨンであるといち早く気づく部下ユ・ガンミを演じているのは『パラダイス牧場』のイ・ヨニ。敬愛していたウヒョンが追っていた事件の解明のため（ウヒョンの姿になった）ギヨンをサポートしていく。また、ヒョジョンの事件の際、現場重視の刑事としてウヒョンと対立し、後にサイバー捜査隊の後任チーム長となるクォン・ヒョクチュを、謎めいたスリラー『哭声／コクソン』など、多くの映画で活躍するクァク・ドウォンが好演している。そんな刑事たちの前に立ちはだかる、事件の黒幕チョ・ヒョンミンに扮しているのが、17年の『被告人』でも極悪非道な財閥御曹司に扮したオム・ギジュン。メガネの奥に光る冷たい視線が印象的だ。
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脚本を手がけているのは、国立科学捜査研究所を舞台にしたドラマ『サイン』で、韓国サスペンスドラマの新境地を切り開いたキム・ウニ。日本でもリメイクされた大ヒット作『シグナル』でも知られる彼女が、中傷やデマがあっという間に広まるインターネット社会の闇の中で暗躍する犯罪者（モニターの向こうの幽霊＝ファントム）と、知識とチームワークという“人間らしい”武器を使ってそれに対抗していく刑事たちの姿をスリリングに見せていく。
『ファントム』はAbemaTV【韓流・華流チャンネル】にて11月29日(木) 23:30より放送
テキスト：佐藤結
