「部落」という言葉をご存じだろうか。どこか触れてはいけないイメージから、詳しく知らない人も多い「部落」。
「部落」とは、江戸時代以前の身分制度のもと「穢れている」など、排除されてきた人々が居住している場所(部落)をさす。「部落問題」は、その地域に居住する人々や、そこにルーツを持つ人々に対して、受けるべき権利を奪われてきた問題のことである。
SHELLYがMCを務める『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース』(AbemaTV/アベマTV※毎週土曜23時から放送中)では「部落ってナニ?」をテーマに、被差別部落出身のゲストが赤裸々に経験を語った。
(▲BURAKU HERITAGEメンバーの上川多実さん)
実際に部落で育ってきて差別を感じた経験はあるのだろうか。部落の情報発信サイト「BURAKU HERITAGE」のメンバーである上川多実さんは「友達の家に脅迫状が届いた」と告白。ほかにも、部落を理由に就職できなかった人や、結婚を機に部落にいる家族との縁を切り、行方不明になった人もいる。上川さんはそんな状況を見て育ったため「将来、結婚や就職は難しいのかもと思った」と振り返る。
(▲部落解放同盟大阪府連合会・青年部長の藤本真帆さん)
部落解放同盟大阪府連合会の青年部長として活動している藤本真帆さんは、幼い頃、周りから「部落のくせにここで遊んだらあかんやろ」と叱られたという。
また、部落出身者が結婚をする際に差別を受けたり、親族から反対をされたりすることも少なくない。MCのSHELLYは「それで(部落というだけで)結婚をやめるような相手なら別れたほうがいい」とバッサリ。
(▲「NPO暮らしづくりネットワーク北芝」職員の埋橋美帆さん)
そもそも、言語や見た目が違うわけでもないのに、なぜ相手が部落出身者だと分かるのだろうか。NPO暮らしづくりネットワーク北芝の職員である埋橋美帆さんは「特に差別が激しいと言われているのは、被差別部落の周辺の地域」だと説明。部落出身者と一緒に見られたくない意識から、余計に差別意識が働いてしまうという。
(▲教育コーディネーター・武田緑さん)
大坂府出身であり、教育コーディネーターとして活動する武田緑さんは「興信所に子どもの結婚相手の身元を調べる人もいる」と説明。興信所で調べた結果、部落出身者であることが発覚し、結婚の際に反対されるケースもある。さらに結婚前にお互いの親族がどんな職業なのかを知るため、釣書(縁談にあたり双方で取り交わす経歴書)の交換を求める人や、自身のアイデンティティとして部落出身者であることを告げると、相手の両親から「ちょっと……」と言われ、婚約を破棄されてしまった人もいる。
武田さんが「自分が部落の人と結婚をすることで身内に迷惑がかかる。自分はよくても『兄弟の結婚のときに妹が躓くかもしれない』とか『産まれた子どもがいじめられたり差別を受けたりするかもしれない』と言われて、結婚をあきらめることもある」と話すと、MCのSHELLYも驚き。二児の母でもあるSHELLYは「いじめは、いじめたほうが悪い。子どもをいじめる側をちゃんと怒らないと」と怒りを露わにした。
番組は放送終了後もAbemaビデオにて無料で視聴が可能。
(C)AbemaTV
(AbemaTV『Wの悲喜劇』より)
(ライター/小林リズム)