ドラマ『冬のソナタ』でアジアのトップスターとなったペ・ヨンジュンが初めて出演し映画として大きな注目を集めた本作。これまで何度も映像化されてきたピエール・ショデルロ・ド・ラクロの小説『危険な関係』の舞台を朝鮮時代に移し、華麗に繰り広げられる大人のラブロマンス時代劇だ。

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18世紀末。朝鮮王朝の重臣であるユ長官の妻チョ夫人は、従兄弟で、多くの女性を魅了してきたプレイボーイとして知られるチョ・ウォンにある計略を持ちかける。夫が側室として迎え入れようとしている16歳のソオクを婚礼の前に妊娠させてほしいというのだ。しかし、チョ・ウォンはこの提案を「簡単すぎる」と断る。そして、婚礼を挙げる前に死んだ夫への貞操を守り続け、静かに暮らしている女性チョン・ヒヨンをターゲットと定め、誘いを拒まれながらも少しずつ近づいていく。
04年の日本初公開を前にしたペ・ヨンジュンのプロモーション来日が『冬のソナタ』の地上波放送の開始と重なった。空港に5000人以上のファンが詰めかけた様子はニュースでも大きく報道され、日本における“韓流ブーム”の幕開けを告げる出来事となった。それまでのドラマではソフトで都会的な雰囲気を見せていたペ・ヨンジュンが、トレードマークのメガネを外し、髭をたくわえ、朝鮮時代の衣装に身を包んだ姿で登場したのも新鮮な驚きだった。

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彼が扮したチョ・ウォンが女性を自分のものにしていく様々なテクニックも見どころで、ベッドシーンにも果敢に挑戦。酸いも甘いも知り尽くしたチョ夫人との駆け引き、計算通りに感情をあやつろうと接近したものの、思いがけず自らが惹かれていってしまうヒヨンとの関係など、場面ごとに違った顔を見せている。韓国での公開とほぼ同時期に開催された釜山国際映画祭での上映会場では、チョ・ウォンという人物について「初めはキャラクターを作るのが大変だったが監督と話しながら少しずつ作っていった。自分でも知らなかったような表情をしているシーンもある」と語っていた。また、「自分に彼女がいたら、絶対浮気はしない」とも話し、会場を沸かせた。お互いに配偶者のいる相手と恋に落ちる『四月の雪』もそうだったが、映画ではドラマでは見られない設定のキャラクターを選んでいるのがおもしろい。

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そんなペ・ヨンジュンが絶大な信頼を寄せながら共同作業を行った監督は、夫ある女性の恋愛を美しく描いた『情事 an affair』で知られる、ラブストーリーの名手イ・ジェヨン。同作のヒロインだったイ・ミスクをチョ夫人役に、後に『シークレット・サンシャイン』でカンヌ国際映画祭の主演女優賞にも選ばれる演技派チョン・ドヨンをヒヨン役に起用している。美しい衣装に身を包んだ、韓国を代表する女優たちの共演も見どころだ。そのほか、恋愛に奥手の若き貴族役で『ヨンパリ~君に愛を届けたい~』のチョ・ヒョンジェ、チョ夫人の夫の側室役で『トンイ』のイ・ソヨンが出演し、初々しい姿を見せている。
映画『スキャンダル デジタルリマスター版(R18+劇場公開版)』はAbemaTV【韓流・華流チャンネル】にて12月31日(月) よる11時より ~ 1月1日(火) 01:12まで放送
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