ここ数年、注目を集めている「リケジョ」こと理系女子。以前よりも活動が注目されるようになったが、世間において理系の女性はまだまだ少数派だ。
SHELLYがMCを務める『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース』(AbemaTV/アベマTV※毎週土曜23時から放送中)では、「リケジョが地球を救う」をテーマに、理系女子たちが、その実態を赤裸々に語った。
(▲慶應義塾大学大学院メディア研究科・浅田七星さん)
慶應義塾大学大学院メディア研究科の浅田七星さんは、大学で照明を作っている。太陽が昇り、落ちていくのを色と光で再現した照明だ。浅田さんは自身の研究について「陽の当たらない環境はストレスになって、活動の効率が落ちたり睡眠不足につながったりする。照明を作ることで、そういったストレスを緩和するのが目的」と話す。
浅田さんの照明は、11月に渋谷ヒカリエの超福祉展にも出展された。浅田さんの話を聞いたSHELLYは「自衛隊の潜水艦とかにもよさそう」と共感。「人間らしい生活をするためにも光が必要」と絶賛した。
小学生の頃から好きな教科が算数と理科だった浅田さん。自然や物理が好きなこともあり、理系の大学に進んだが「逆に大学であまり理系は面白くないんじゃないかと思ってしまった。理系の大学は“グレーな世界”だった」と告白する。
(▲ライフイズテック株式会社グローバル事業部・三木アリッサさん)
浅田さんの話を聞いたライフイズテック株式会社グローバル事業部の三木アリッサさんはこう解説する。
「(理系大学は)多様性がない業界。研究機関なら女性は多いけど、ビジネスサイドになると女性はほとんどいないし、40~50代の男性が牛耳っている。日本の理系大学のうち女性は25%しかいない。工学部や機械科は女性が極端に少ない」
OECD『理系大学の女子の比率(2014年)』によると、世界で理系の大学にいく女性の割合は39%。さらに、文科省『学校基本調査』(2014年)を見てみると、日本はわずか25%にとどまっている。OECDの平均と比べても、日本は理系を選ぶ女性が少なくワースト2位だ。
三木さんは「生物分野や医療分野はロールモデルがはっきりしているので、女性も多い」と話すが、一方で「日本の根強い問題は、小さい頃からジェンダーバイアス(性的偏見)がかかっていること」と指摘。理系に憧れがあっても、自分の娘がそこにいくイメージを持てない人が多く「親がビビって『文系でいいわよ。結婚して子供を産みなさい』って言ってしまう」と分析した。
(▲MC・SHELLY)
三木さんの話を聞いたSHELLYは「ジェンダーバイアスって子育てをしているとすごく感じる!」と共感。2歳の娘を育てているSHELLYは、娘の選択肢を狭めたくないと考え、ある日おもちゃ屋さんで「どれがいい?」と娘に聞いたところ、車のおもちゃを選んだという。
また、SHELLYの姉の子供も女の子だが、戦隊モノが好きだという。SHELLYは「知らないうちに、女の子はドレスが可愛い。アイドルやモデルが最高、みたいな」と、選択肢を狭める刷り込みがされている可能性を指摘した。
(▲国立極地研究所助教・田邉優貴子さん)
女性が理系に進むことで、結婚や出産などのライフステージに何か影響はあるのだろうか。国立極地研究所助教の田邉優貴子さんは「どの職業も同じかもしれませんが(女性が研究職を続けるのは)すごく難しい」と話す。
田邉さんは「博士課程でドクターをとって28歳。なかなかストレートでとれることはないから30歳くらいでドクターをとると、そこから業績をあげていかないとアカデミックなポジションはとれない」と説明。女性の出産適齢期といわれる年齢と重なるため、出産をする女性はどうしても男性とは差が出やすいという。
最近では出産・子育て等支援制度(キャリアを中断することなく研究開発を継続できる制度)ができ、研究の現場から離れた人を補助する制度もあるが、田邉さんは「その制度でパーマネントの職に就けるかというと難しいのでは。2~3年、補助を出してくれても、遅れを取り戻すのは難しい。今、研究職に残っている女性は子育てしながらでも、ほぼ休まずに研究してきた人だけ」と現状を語った。
(C)AbemaTV
(AbemaTV『Wの悲喜劇』より)
(ライター/小林リズム)