ファン・ビンビンの激しすぎるラブシーンが中国では上映禁止に！　珠玉の官能作『天安門、恋人たち』『ロスト・イン・北京』

　若いふたりが出会って恋に落ち、お互いを求め合う。その衝動は万国共通だ。今回、紹介する2本の映画では、中国の当時を生きる主人公たちのリアルな恋愛模様が描かれていく。

鬼才ロウ・イエ監督が放つ、激動の時代を生きる恋人たちを描いた問題作『天安門、恋人たち』

　80年代後半に北京の大学で出会った学生たちの十余年にわたる愛憎を追う『天安門、恋人たち』。激動の時代の中、体をぶつけ合うことで互いの存在を確かめ合う恋人たちが登場する。

　地方の街から北京の大学に進学し寮生活を始めたユー・ホン。マイペースに大学生活を楽しんでいた彼女は、寮内で知りあったリー・ティの紹介で彼女の友人チョウ・ウェイと出会い、彼こそが理想の人と直感。すぐに付き合い出し、寸暇を惜しんで愛を交わすようになる。

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　『パープル・バタフライ』、『スプリング・フィーバー』、『ブラインド・マッサージ』などの作品で、人間関係の残酷さをビターなタッチで見せ、国際的にも高い評価を受けてきたロウ・イエ監督。『天安門、恋人たち』では、意志の強い女性主人公ユー・ホンが、故郷の恋人、大学時代の恋人、そして、社会人となった後に出会った男性たちとセックスを繰り返し、それこそが自分のコミュニケーションの方法であると思うようになっていく姿を見つめる。ユー・ホンを演じているのは『最愛の子』のハオ・レイ。「中国映画史上初」と言われた全裸のセックスシーンに挑み、ヒロインの複雑な軌跡を見事に演じきっている。過激な性描写に加え、民主化を求める学生たちを軍が鎮圧した89年の天安門事件を学生たちの側から描いたこの作品は、中国国内で上映禁止と監督の5年間の表現活動禁止という処分を受けることになったという。

ファン・ビンビンの濃厚すぎるラブシーンが物議を醸した『ロスト・イン・北京』

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　一方、女性監督のリー・ユーが手がけた『ロスト・イン・北京』は、先ごろ、脱税騒動で世界的に話題を集めた中国のトップ女優ファン・ビンビンが、北京の片隅で必死に生きる女性の毎日をノーメイクアップに近いリアルな姿で見せていく。

　地方から北京へと出てきて窓の清掃をしながら暮らすアン・クンとその妻ピングォ。巨大なマッサージ店で働くピングォは、ある夜、店のオーナー、リン・ドンに襲われてしまう。そのことを知った夫アン・クンはリン・ドンの妻と会って金を要求するが「夫に復讐したいなら、あなたもやり返せばいいのよ」と言われて事態は意外な方向に。さらに、ピングォが妊娠したことがわかり…。

　ハリウッド大作『X-MEN:フューチャー＆パスト』にも出演し、国際映画祭のレッドカーペットで見せるゴージャスな姿でおなじみのファン・ビンビン。『ロスト・イン・北京』では、貧しいながらも幸せな毎日を送っていた彼女の人生が店のオーナーと望まない関係を持ったことをきっかけに変化していく姿が描かれる。仕事帰りの夫が汗を流す狭いバスルームでの、情熱的なラブシーンなど、他の映画では見せたことのないような生々しい姿に驚かされる。中国公開時には激しいセックスシーンがカットされ、その後は上映禁止にまでなったとのこと。『愛人ラマン』で少女との情事シーンを見せたレオン・カーファイが、社長役で登場するのも懐かしい。

　『天安門、恋人たち』は12月29日(土)よる23:00～、『ロスト・イン・北京』は12月30日(日)よる23:00～よりAbemaTV【韓流・華流チャンネル】にて放送。