日本将棋連盟は12月25日、21日の竜王戦七番勝負第7局で敗れて、27年ぶりに無冠となっていた前竜王の羽生竜王(48)の肩書きを「九段」にすると発表した。同連盟は公式ホームページで発表、今後は「羽生善治九段」と表記される。羽生九段が段位を名乗るのは、実に29年ぶり。
羽生九段は、タイトル100期を目前にしていた竜王戦七番勝負第7局で、広瀬章人竜王(31)に惜敗。何かしらのタイトルを保持してきたが、27年ぶりに1つのタイトルも持たない“無冠”に転落していた。過去、初の竜王位を獲得した翌年に失冠した後に「前竜王」と名乗っていたこともあり、今回も名乗る権利がある「前名人」「前竜王」のいずれかを選択するのでは、という声もあった中、本人は「九段」を選択した。
羽生九段が段位を肩書きとするのは、六段として戦い、初タイトルを獲得した1989年以来29年ぶりのこと。以降、七段、八段、九段と昇段はしていながら、何かしらタイトルを保持していたこともあり、段位を名乗ることはなかった。20代の棋士らは、羽生が始めて段位で呼ばれることを聞くことになる。なお、再びタイトルを名乗る、すなわちタイトル100期に到達するのに最も早いのは、現在2位につけている順位戦A級で佐藤天彦名人への挑戦権を獲得、名人位を獲得することだ。
今回の発表を受けてファンからは「聞きなれない」「むしろこっちの方が貴重」「潔い感じがする」といった声が寄せられていた。
(写真提供:日本将棋連盟)