絶えないパワハラやセクハラの報道。セクハラやパワハラの加害者にならないためには、どのように生きればいいのだろうか。
SHELLYがMCを務める『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース』(AbemaTV/アベマTV※毎週土曜23時から放送中)では、番組進行役にりゅうちぇるを加え、特別版「Mの悲喜劇」を放送。セクハラやパワハラの加害者となったオッサンたちを招き、本音に迫った。
(▲聖隷浜松病院泌尿器科の医師・今井伸先生)
セクハラやパワハラのほとんどは、その行為がセクハラやパワハラに当たるという自覚のなさに問題がある。
聖隷浜松病院泌尿器科の医師である今井伸先生は、過去にセクハラやパワハラの加害者になってしまったゲストに「自分の行動がドラマになって出てきたとき、みんなにどう見られるのか。自分を客観視したときにどう映るのか、考えながら行動をすること」とアドバイス。「基本的に、男子は女子を触ってはいけない」と優しく話した。
金融業界で部長職を経験し、部下からパワハラで訴えられた過去がある内山亮二さんは「今は同僚でも“おう!”って肩をたたくことはできない状態。そんなスキンシップすらない世の中はどうなのか?」と疑問を述べる。
番組MCのSHELLYは「そもそもスキンシップは異性だけでなくて、親子や教師や生徒とか好き同士の間で行われるもの」と意見。続けて「信頼できる人だから触られてうれしいって思う。信頼関係あってのスキンシップだから『俺が愛情を持って触っているのに喜ばないのはどういうことだ』って感情を押し付けるのはおかしい」とコメント。
SHELLYの話を聞いたりゅうちぇるも「会社で出会ってどちらかのアプローチを受け止めて結婚する人もいるから、お互いの信頼度が大切」と話した。
(▲武蔵大学教授/社会学者・千田有紀さん)
そんなりゅうちぇるを見て、武蔵大学の教授で社会学者の千田有紀さんは「みんな“りゅうちぇる”を目指せばいい」という。
千田さんは「オッサンの悪いところは『すみませんでした』と謝れないところ。女性は『ごめん、悪かった。もうやらない』って言ってもらいたいのに『そういうつもりはなかった。何が悪い? お前がおかしいんじゃない?』ってどんどんこじれてしまうのでは」と指摘した。
番組では「バブル時代がオッサンを作った」という仮説を紹介。経済アナリストで株式会社マネネでCEOを務める森永康平さんによると「バブルが崩壊したのは91~93年。その前のバブル時代では片働き世帯がほとんどで、共働き世帯は少なかった。そのため、父親が働き、母親は家にいる。職場にいる女性は立場が低く、お茶汲みやコピーをとるなど、召使いのような働き方をさせられていた。そんな女性を見ながら管理職になっているオッサンたちがいる」と話し、バブルがオッサンを作ったという仮説を補足した。
森永さんの解説を聞いた千田さんは「今は男性の4人に1人は結婚しないけど、バブル時代は90%以上の男性が結婚を経験していた。しかも、離婚をする場合は今のように、妻が財産を半分もらえることもなかった」と話す。離婚すると女性は自立できないため、夫の立場が強く、浮気をしても許されるような雰囲気がバブル時代にはあった。
自身が30代のときにバブルを経験した内山さん(61歳)は「バブル時代で採用された人たちが今、部長職になっている。売り手市場で『うちの会社に入ってください』と頼まれた世代だからわがまま」とコメント。
内山さんは55歳で役職定年(定年前に一定の年齢になったことで管理職を解かれること)を迎え、職位的には部長と同等だが、人事評価の権限がなくなった。その結果、部下が自分の元から散ってしまい、「(自分は部下の世話をしたのに)反対のことをされた」と複雑な心境を語る。
(▲経済アナリスト/株式会社マネネCEO・森永康平さん)
内山さんの話を聞いた森永さんは「それは、これまでのマネジメントに問題があったんじゃないですか?」と意見する。
過去、森永さんは自分に部下ができたとき、尊敬しているバブル世代のオッサン上司に相談したという。森永さんは「『何かをするとき、(部下を)自分の子どもだと思うこと。その子どもが、他人のオッサンにされていることを想像して、それがいいと思うならやる。もし、やられているのを見たくないなら絶対にやるな』と言われた」と告白。それが今でも自身の軸として残っているという。
(▲MCのSHELLY)
森永さんの考え方に番組MCのSHELLYも「素晴らしい。そうすればパワハラもセクハラもしなくなる」と絶賛。森永さんは「オッサンから学ぶことはある。女性の管理職が少しずつ増えてきていて、女性上司が普通になる時代がくる。そこで同じようなパワハラを繰り返さないためにもオッサンから学ぶべき」と話した。森永さんのように、考え方を一つ変えるだけで、パワハラやセクハラの被害が少しずつ減っていくかもしれない。
(C)AbemaTV
(AbemaTV『Wの悲喜劇』より)
(ライター/小林リズム)