不朽の名作『スタンド・バイ・ミー』(1986)、『ミザリー』(1990)などで知られるロブ・ライナー監督が、最新監督・出演作映画『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(3月29日公開)PRのために初来日し、31日に都内で試写会イベントを行った。

ライナー監督の名作の一つであるジャック・ニコルソン&モーガン・フリーマン共演の映画『最高の人生の見つけ方』(2008)を原案にした、吉永小百合&天海祐希共演の日本版リメイクが今秋公開される。
ライナー監督は「2人にはジャックとモーガンが楽しんでいたのと同じくらい楽しんでもらえれば、きっといい作品になるだろうね!」と期待し「女性2人の物語としてリメイクされ、さらにそれが日本の大スターと聞いて、素晴らしい企画だと思った。お互いの演技を楽しみながら作ってもらって、ジャックとモーガンが作り上げたような作品にしてほしい」とエールを送った。
監督生活35年目にして初来日のライナー監督は「アリガトウ!コンニチワ!」と日本語で挨拶して「日本に来るというチャンスにやっと恵まれました。私の監督作品の中で一番自分に近い作品が『スタンド・バイ・ミー』ですが、それが日本でヒットし、いまだに愛されていることを知っています」と日本の映画ファンに感謝。『最高の人生の見つけ方』の原題『The Bucket List』にかけて「これで僕の“Bucket List”の中の“日本に来る”という項目にチェックを入れられたよ」と満面の笑みだった。

『記者たち 衝撃と畏怖の真実』は、ウディ・ハレルソン、ジェームズ・マースデン、トミー・リー・ジョーンズ、ミラ・ジョヴォヴィッチ、ジェシカ・ビールら豪華演技派スター総出演で描く実録社会派ドラマ。イラク戦争突入前夜のアメリカを舞台に、中堅新聞社の記者ジョナサン・ランデー(ハレルソン)とウォーレン・ストロベル(マースデン)が、ブッシュ政権の欺瞞を暴いていく姿を描く。
ライナー監督は「この映画は現代に警鐘を鳴らす作品」と表し「自由な報道なくして、民主主義は成立しない。メディアが真実を追求し、一般大衆がそれを知らなければ再びイラク戦争のような惨事が起こる」と断言。“フェイクニュース”などの現代社会がはらむ問題を引き合いに出し「トランプ大統領は『メディアは民衆の敵だ』というが、報道が真実を伝えられなければ独裁政治が生まれる。それを阻止するためには、一般市民が、何が今起きているのかを知らなければいけない」と熱弁した。



テキスト・写真:石井隼人
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