「あだ名はブスバナナ」なぜ“ブスいじり”が生まれるのか? 男子目線の弊害とは
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 容姿が劣ることを指す「ブス」という言葉。女性の形容に侮辱的な意味で使われるこの言葉は、なぜ生まれてしまったのだろうか。

 SHELLYがMCを務める『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース』(AbemaTV/アベマTV※毎週土曜23時から放送中)では「ブスという呪い」をテーマにリアルな経験をした女性たちが胸の内を語った。

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(▲お笑いコンビ・たんぽぽ白鳥久美子

 昨年、ドラマ『ちょうどいいブスのススメ』の放送決定が発表されると、SNSを中心に「ちょうどいいブスとは何事か」などのコメントが相次ぎ、炎上する騒ぎが起きた。本作は後日『人生が楽しくなる幸せの法則』としてタイトルを改め、大きな話題になった。今、メディアでは「ブス」という言葉の認識が変わり始めている。

 お笑いコンビ・たんぽぽの白鳥久美子は「最初ブスってクラスの男子に言われて。でも『可愛い子のことをブスって言っていじめるんだよ』とお母さんが言っていたんです」と話す。白鳥は「その後、だんだん大人になっていくにつれて『あ、私ガチブスだ』って気づいた。最初はいじりぐらいだと思っていました」という。

 SHELLYが「子どもの頃に言われた“呪い”がずっと続いてきているのでは」と聞くと、白鳥は「そうですね。だから(ブスかどうかは)男子が決めるものなのかなって。自分は意識してきたことがない」と話した。それを聞いていた他のゲストたちも「(ブスかどうか)周りが決める」と言いながら頷いた。

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(▲『ブスのマーケティング戦略』の著者税理士・田村麻美さん)

 『ブスのマーケティング戦略(文響社)』の著者で税理士・田村麻美さんは「もともと私も(白鳥さんと)同じように小学校の頃にブスと言われて。それから『あ、私ブスなんだ』と気づいた。それまで家族からは『すごい可愛いよ』と言われて育ってきた。それで『私はすごい可愛いんだろうな』と思ったら、学校に行ったら『ブス』って言われて。ただ、ブスでも生きていかなきゃいけないってことで、私も人生試行錯誤して34年間生きてきました。その半生をまとめて本にした。一見売れない商品でも、マーケティングを駆使すれば売り物になるんだよって」と語った。

弟に「女の子だったらよかったのに」 親の言葉に姉としてショック

 「カフェオリオン」のオーナーであるフジコさんは、過去Twitterに“ブス体験談”を投稿したところ、大きな話題になった。その後『「美人は性格が悪い」って本当!? ブスが美人に憧れて人生が変わった話。』(大和出版)を出版。フジコさんは「(ブスだと気付いたのは)物心ついた頃から。私は弟がいるんですが、すごく可愛い顔をしていた。親戚がみんな『女の子みたい、女の子みたい』『弟くんが女の子だったら良かったのに~』って言われていた」と体験談を語った。

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(▲「美人は性格が悪い」って本当!? ブスが美人に憧れて人生が変わった話。』の著者フジコさん)

 フジコさんのエピソードを聞いたSHELLYは「女の子(フジコさんが)いるのに?」と驚き。フジコさんは「おかしいなって思っていたら、やっぱり同じように小学校上がった頃にブスって言われた。『あ、私可愛くなかったんだ』って気づいた」と話す。

 子育て中のSHELLYは、周りの子どもを褒める際に自分の子どもを必要以上に貶める発言をする大人に疑問を抱いているという。SHELLYは「『二重でいいね。うちの子なんて、一重だから~』みたいな。一重の何が悪いのか。大人の価値観で決めないであげてほしい。しかも、自分のことを謙遜するならまだしも、(子供は)別の人間」と語った。

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(▲コラムニストの朝井麻由美さん)

 SHELLYの話に、著書『「ぼっち」の歩き方』などを執筆したコラムニストの朝井麻由美さんも「そこで『私は一重だから』ってトラウマになって、後々生きていきますよね」と頷く。SHELLYは「そう!。母さんが『うちのなんて~』と言ったことで、『あっ私の一重ってよくないんだ』って。なんとなく思っちゃいますよね」と親の責任の重さを強調した。

たんぽぽ・白鳥「あだ名は“ブスバナナ”だった」 ブスいじりは“男子目線”の弊害?

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 白鳥は「私はずっと『宮沢りえさんに似てる』って言われて育てられた。髪も長いし、背が高いしって。ずっと、自分は宮沢りえさんだと思って生きてきたから、あるとき学校行って『すごいブスいじりされる』って気づいた」という。続けて「ちょっとお母さん言いすぎていたんじゃないかなと思う。『親として可愛いですよ』って言ってほしかった。自分で世界基準で宮沢りえさんだと思ってしまったから」と話した。

 そんな白鳥に朝井さんが「自己肯定感は育つ」とフォローすると、白鳥は「でも学校に行ったときは『親にすごい嘘つかれてたんだな』って思ってしまった。『何言ってんの、私は宮沢りえですけど?』って、1年ぐらい思っていた。でも、どんどんいじりが半端なくなっていくと、もう認めざるをえない。あだ名は“ブスバナナ”だった」と過酷な体験を打ち明ける。

 「他人からブスと評価されたら真摯に受け止めなければいけない」と話すゲストたちにSHELLYは「そう思ってはいけない」と反論する。

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(▲番組MC・SHELLY)

 ゲストたちから「SHELLYさんは可愛いから」と言われると、SHELLYは「それはそう思ってくれる中身の綺麗さ。結局、ブスだって言っている人の中身がないからブスだとしか思っていない。評価されたり、数値化されるものじゃない。学力みたいに数値化できるのなら『仕方ない』って思うかもしれない。でも、みんなが勝手に『顔は小さい方がいい、ということでいいですね?』『目が大きい方がいいですよね。じゃあ、目が小さい人は悪い』って、勝手になんとなくみんなが決めているだけ。それを飲み込んで、評価されるのを受け入れるのは、私は納得いかない」と熱弁をふるう。

 「“男子目線”の弊害なのではないか?」という意見に、コラムニストの朝井さんは「本当にそう。女子校って(ブスかどうか評価されることは)ない」という。続けて「むしろ、いろいろな評価軸があって、可愛いというのはひとつの基準でしかない。他にも、面白い、スポーツができる、漫画に詳しいとか、そういういろいろな評価軸がある。でも、共学って男子の目があるから、男子から可愛いと思われるか、ブスと思われるかによって、ピラミッドができてしまっている」と解説した。

(C)AbemaTV

(AbemaTV『Wの悲喜劇』より)

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