テレビ朝日では、主人公・財前五郎役に岡田准一を迎え、開局60周年を記念した超大型ドラマスペシャルとして、今年5月22(水)から5夜連続で『白い巨塔』を放送する。原作は言わずと知れた作家・山崎豊子の長編小説』。大阪の大学病院を舞台にした同作は、医療ドラマの枠を超えて人間の本性に迫り、山崎豊子作品の中でも“最高傑作”と呼び声の高い作品だ。
すでに、財前の同期で内科医の里見脩二役を松山ケンイチ、財前の愛人でバーのホステス・花森ケイ子役を沢尻エリカ、そして財前の師である第一外科教授・東貞蔵役を寺尾聰が演じることは発表済みだが、このたび、この超大作を彩る豪華キャスト陣を全解禁!テレビ朝日の開局60周年を飾るにふさわしい最高峰の俳優陣が顔を揃える、2019年の『白い巨塔』に注目だ。
小林薫、松重豊、岸部一徳…日本を代表する名優たちが作品を彩る!
財前の義理の父で圧倒的な財力を誇る産婦人科医・財前又一役には小林薫が決定。娘婿である財前を、自身の悲願でもある浪速大学第一外科教授の座へと押し上げるべく、金という“実弾”を使い、教授選に関わる人物たちを次々と取り込んでいく。豪快かつ狡猾な財前又一という男を小林がどのように体現するのか、今から期待が高まる。
浪速大学医学部長・鵜飼裕次役には松重豊。学内政治にも精通し、現在の医学部長という座に君臨する鵜飼は、東と決別し、教授選に臨む財前を自身の一派に取り込もうと画策します。数々のドラマ・映画でバイプレーヤーとして活躍する松重は、今作ではどのような存在感を見せてくれるのか。
そして浪速大学病理学科教授の大河内恒夫役に岸部一徳が決定。野心むきだしの財前をあまり快くは思っていない大河内は、教授選に公正を期すため選考委員に名乗りを上げる。岸部の重厚感のある芝居と深みのある眼光は、白熱する教授選にさらなる緊迫感を与えることでだろう。
さらに開局60周年記念のスペシャルドラマにふさわしい豪華キャストも続々!椎名桔平、八嶋智人、高島礼子、柳葉敏郎、岸本加世子、市毛良枝、浅田美代子、筒井道隆、小林稔侍といった名だたる実力派俳優たちから、夏帆、満島真之介、飯豊まりえ、斎藤工、山崎育三郎、向井康二、市川実日子、美村里江、徳永えりといった第一線で活躍中の若手俳優陣、そして一癖も二癖もある演技派俳優たちまでが、一挙集結し、『白い巨塔』という唯一無二の名作に挑む。
かつてないほどの豪華俳優陣が、どのようにドラマを盛り上げていくのか――2019年の『白い巨塔』の幕開けは、もうすぐだ。
登場人物
財前五郎(ざいぜん・ごろう) 岡田准一
浪速大学医学部第一外科・准教授。逞しい体と精悍な顔つき、加えて気さくな人柄は医学部の学生たちからも慕われており、外科医としても“腹腔鏡のスペシャリスト”として医学界にその名を轟かせていた。貧しい母子家庭に育ち、たゆまぬ努力で今日の成功を勝ち取った。
野心に溢れ、みずからの才能には絶対的な自信を持つ。自身と、義父の悲願である“第一外科・教授”の座に向かい、なりふり構わず邁進していくが、その姿勢と傲慢とも言える性格には反感を抱いている者も少なくない。
里見脩二(さとみ・しゅうじ) 松山ケンイチ
浪速大学医学部第一内科・准教授。財前とは同期。
出世には一切関心がなく、やってくる患者を親身になって診察することと、みずからの研究を突き詰めるために大学病院に所属している。患者を救うことを第一に考えており、学内の権力争いには嫌気が差している。その融通が利かない愚直な性格が原因で、周囲に疎まれていくことになる。
花森ケイ子(はなもり・けいこ) 沢尻エリカ
バー『ラディゲ』のホステスで、財前の愛人。財前が唯一心を許し、なんでも話せる相手。医師を志し、関西女子医大に入学するものの、医学界の封建制と矛盾だらけの人間関係に見切りをつけ中退した。
財前を愛し、広い心とホステスという仕事で得たネットワークを駆使して財前を陰ながら支え続ける。
東 貞蔵(あずま・ていぞう) 寺尾聰
浪速大学医学部第一外科・教授で財前の師。定年退官を前に、直属の弟子である財前を自分の後継者として教授に推そうと考えるが、財前の教授選を見据えたパフォーマンスを目の当たりに。退官後もみずからの影響力を残すため、財前ではない別の候補を立てることを決意する。
【浪速大学】
鵜飼裕次(うがい・ゆうじ) 松重豊
浪速大学医学部部長。学内政治力にも長けており、それが今日の地位を築き上げた。東と決別した財前は、後に鵜飼に接近し、教授選を戦っていくことになる。
大河内恒夫(おおこうち・つねお) 岸部一徳
浪速大学医学部病理学科・教授。野心むきだしの財前をあまり快くは思っておらず、教授選に公正を期すため選考委員に名乗りを上げる。
柳原雅博(やなぎはら・まさひろ) 満島真之介
浪速大学医学部第一外科・医局員。
佃 友弘(つくだ・ともひろ) 八嶋智人
浪速大学医学部第一外科・医局長。
亀山君子(かめやま・きみこ) 美村里江
浪速大学医学部第一外科・看護師。
野坂奈津美(のさか・なつみ) 市川実日子
浪速大学医学部脳外科・教授。教授陣の中で紅一点。
【財前家】
財前又一(ざいぜん・またいち) 小林薫
財前の義理の父。圧倒的な財力を誇る財前産婦人科医院・院長。娘婿である財前を、自身の悲願でもある浪速大学第一外科教授の座へと押し上げるべく、金という“実弾”を使い、教授選に関わる人物たちを次々と取り込んでいく。
財前杏子(ざいぜん・きょうこ) 夏帆
財前の妻。
黒川キヌ(くろかわ・きぬ) 市毛良枝
財前の母。女手一つで財前を育て、苦労しながらも医学部まで卒業させた。現在は故郷でひとり暮らしている。
【東家】
東 政子(あずま・まさこ) 高島礼子
東の妻。教授夫人で構成される“くれない会”のメンバー。
東 佐枝子(あずま・さえこ) 飯豊まりえ
東の娘。浪速大学病院図書館で司書として働いている。
【東都大学】
船尾 徹(ふなお・とおる) 椎名桔平
東都大学医学部第二外科・教授。
【佐々木家】
佐々木庸平(ささき・ようへい) 柳葉敏郎
繊維問屋・佐々木商店の店主。浪速大学に患者としてやってくる。
佐々木よし江(ささき・よしえ) 岸本加世子
庸平の妻。
佐々木庸一(ささき・よういち) 向井康二
庸平とよし江の息子
【弁護士】
関口 徹(せきぐち・とおる) 斎藤工
関口法律事務所・弁護士。佐々木家の代理人を務める。
国平幸一郎(くにひら・こういちろう) 山崎育三郎
河野法律事務所・弁護士。財前の代理人を務める。
キャストコメント
財前五郎役・岡田准一 コメント
テレビ朝日開局60周年を記念した5夜連続の大型ドラマということで、こんなにも豪華なキャストのみなさんとお仕事をすることができ、とてもうれしく思っています。みなさんと一緒に『白い巨塔』という大作に挑めたことも楽しかったですし、鶴橋監督のもと、和気あいあいと撮影ができたこともいい経験になりました。
財前又一役・小林薫 コメント
この作品に出てくる人たちは欲望がはっきりしていて、みんながその思惑の中で動いているのですが、その中でも又一という人は特にわかりやすいんです。人って、空気を読んだり、周囲とのバランスを取りながら、そういう強い欲望を出さないように取り繕うものなので、彼はある意味とても正直な人だと思います。見る側からしたら、ここまで自分の欲望をあらわにする人は、むしろチャーミングに映るかもしれないですね。
でも、そういう強い欲望をもった人が成功していくだけの物語だときっと面白くない。『白い巨塔』には、強い欲望だけでなく挫折もきちんと描かれているんです。五郎(岡田准一)も病に倒れたり、裁判で負けたり、挫折を味わいます。五郎がスムーズに上り詰めていって、女性とお金に囲まれているようなドラマだったら、見ている人も納得しないと思います。欲望と挫折、どちらの要素も含まれているのが何度も映像化されるゆえんでしょうね。時代が変わっても楽しめる作品だと思います。
鵜飼裕次役・松重豊 コメント
山崎豊子さん原作の作品は以前にも経験させていただいているのですが、あの重厚な人間模様の中にまた入るんだなという、気合いも入りますし、覚悟が要るドラマになるだろうと思いました。原作の世界観を現代に置き換えて再生するのは大変ではないかと思ったのですが、台本を読んだ際には、見事に2019年のものに蘇っていると感じました。
私が演じる鵜飼という人物は、組織の中で上り詰めていくことが最高の目的であり、使命でもある。いつの時代にもこういう権威主義的な人間は組織の中に住みついているだろうと思うので、小気味よく憎まれ役に徹しようと思います(笑)。大学病院という組織の中の人間模様が、日本の社会の縮図にも捉えられるような、普遍的な面白さがあるドラマだと思うので、ぜひその縮図を覗いてみてください。
大河内恒夫役・岸部一徳 コメント
医者を目指す人は、みんな志をもってスタートして、そこから権力という渦に巻き込まれていくと思うんです。僕が演じる大河内は、一人一人の中にある医者としての良心を形にしたような存在です。大河内がいることで、医学界にもまだ良心が残っていると信じられる欠かせない存在だと思います。もちろん、この大河内の良心に共鳴する人もいれば反発する人もいるわけですが…。財前(岡田准一)も大河内の教え子ですから、やはり志をもってスタートしているんです。だけど、次第に財前の権力志向が現れてくる。まぁ、そこが財前の魅力でもあるんですけどね。大河内は自分がどうなりたいというよりも、人を助けたいと考えているので、どちらかというと里見(松山ケンイチ)に近いタイプだと思います。
財前と里見という二人の教え子が、同時に“白い巨塔”の中で、キャリアをスタートして離れていく。岡田准一さんがこの『白い巨塔』を背負って、いろんな人が演じてきた財前をどんな風にやるんだろうというのも楽しみですね。
第一夜あらすじ
腹腔鏡手術のスペシャリストとして医学界に名を馳せる、浪速大学医学部第一外科・准教授の財前五郎(岡田准一)。逞しい体と精悍な顔つきに加え気さくな人柄は、付属大学の学生や医局員たちに慕われ、浪速大学のスター准教授として君臨していた。
ある夜、浪速大学・滝村名誉教授の喜寿を祝うパーティの最中、“スペ患”である近畿新聞会長・山田音市の容態が急変。膵癌を患う山田は、執刀医に財前を指名する。本来、山田は第一外科・東貞蔵教授の“スペ患”。上司である東を差し置いて自分が執刀するわけには…と躊躇いを見せる財前だったが、心の中では期せずして舞い込んだチャンスにほくそ笑んでいた。
手術は無事成功し、財前には山田から高級ワインと数百万の現金が贈られる。財前によって自分の“スペ患”が救われたことに、表面上では平静を装いながらも、東はその事実を苦々しく受け止めているのだった…。
そんな中、浪速大学医学部では東の退官に伴う教授選挙が近づいていた。「君を次期教授に推薦しようと思う」――そう、恩着せがましく財前に囁く東だったが、その実、腹の内では財前ではない人物を、と考え始めていた。
その矢先、同期である第一内科・准教授の里見脩二から胃癌再発患者のカルテを見せられる。財前の診断では、原発巣は胃ではなく膵臓。再発は誤診断である、と指摘するが、その診断を下したのが、浪速大学医学部長の鵜飼裕次だとわかった途端、翻意する!教授選に備え、上層部に楯突くようなことは避けようとする財前を非難する里見だったが…?
やがて、東が財前以外の人物を教授選候補に擁立することが判明。財前は、義父である財前又一の財力と政治力を最大限に活かし、浪速大学医学部第一外科教授という悲願に向けてさまざまな工作を開始する。
欲望が渦巻く教授選は、思いもよらぬ展開へ…。そしてその後も、過酷な運命が財前を翻弄していくことになる!