大阪のダブルクロス選挙の引き金となったのは、大阪都構想の是非を問う住民投票を巡る、維新と公明党との交渉が決裂したことだった。公明党の土岐恭生大阪市議は「自分の思い通りにいかなければ任期途中で投げ出して、税金を無駄遣いしてでも選挙に打って出る。知事としての職務、職責の放棄だ」と批判した。一方、対立候補を擁立させた自民党は公明党などの"反都構想"勢力と幅広く連携していく構えで、立憲民主党や共産党も共闘する可能性を示唆している。
16日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ!』に出演した政治ジャーナリストの安積明子氏は「公明党は全力を挙げて維新つぶしをやるようだ。公明党の票は予想以上に多くなりそうで、100万いくかもしれないという感じがする。かつて白浜一良さんという、もともと公明党だった方が新進党から出た時は色々な支援を受け、100万票取っている」と指摘。
元宮崎県知事の東国原英夫氏も「自民党は維新の政治を終わらせると公言している。維新は戦いが好き。戦国が好き。血気盛んでやる気満々。これは存亡をかけた関ヶ原だ。維新としては府知事選、市長選ともに勝利し、府議会と市議会でも単独過半数を取るのが理想的だが、そうはいかないだろう。府知事・市長は取れても議会はおそらく難しい」との見方を示す。
その上で「公明党は都構想には反対だが、住民投票そのものには賛成していた。だから維新は取引をして、4つの選挙区で候補を出さず、公明党に譲った。にもかかわらず、今回は住民投票にも反対した。なぜ反対に踏み切ったかというと、世論調査をして、勝てる可能性があると判断したんだと思う。だから維新vs自民党というよりも、維新vs公明党という戦いだ。公明党は大阪府知事選、または大阪市長選に候補者を出すべきだと思う」と指摘した。
日本維新の会の幹事長代理である足立康史・衆議院議員は「公明党がなぜ立場を変えたのかというと、それは外的要因ではない。大阪の公明党は大阪市会議員がメチャクチャ力を持っている。仕事を失う人が暴れている。政治というのは崖っぷちで戦ってこそ前に進むことができる。平べったいところに座っているだけで政治ができるわけではない。自分で崖を作りながら、その崖を生きぬくことで民意を集めることができる。もちろん現状維持ならやらなくていい。でも僕たちは現状をもっと前に進めていきたいから選挙をする。宗清さんが属している自民党だって、日本国を前に進めたいと思ったら解散しまくるだろう。解散をやる度にエネルギーをもらって改革をやっている。国政の安倍さんと大阪の松井・吉村、そして僕たちがやっているのは、選挙を経ながらステップアップしていくという意味では同じことをやっている」と話す。
一方、大阪府議出身の自民党・宗清皇一衆議院議員は「もともと市議会、府議会の選挙も4月7日に行われる予定なので、維新の会はそこで民意を問えばいい。わざわざ知事と市長が辞めてまで出直し選挙をする必要はなかった。誰も自分たちの椅子(議席)を守りたいからなんて言っていない。これは維新のすり込みだ」と反論。「自民党と公明党は共闘して一緒にやるが、他の政党は立場が違うからどうするのか知らないし、我々の方から彼らに共闘を呼びかけるということはない」と主張していた。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)