3月20日、都内にて映画『麻雀放浪記2020』の完成披露舞台挨拶が行われ、斎藤工、もも(チャラン・ポ・ランタン)、ベッキー、竹中直人、白石和彌監督が登壇。白石監督がピエール瀧容疑者への思いを語った。

同作には、麻薬取締法違反の容疑で逮捕されたピエール瀧容疑者が出演しており、公開が危ぶまれていたが、同日朝、東映本社にて行われた会見にて多田憲之氏(東映株式会社代表取締役社長)、白石監督、紀伊宗之氏(プロジェクトリーダー)、村松秀信氏(企画制作部長)より、ノーカットで予定通り4月5日に公開することが発表されていた。「罪を犯した一人の出演者のために、作品を待ちわびている観客に対し、既に完成した作品を公開しないという選択肢は取らない」と結論を下したとのことだ。

主人公・坊や哲を演じた斎藤工は「構想10年と書いてますが、個人的に阿佐田哲也さんの奥様と映画化ということを夢見てきました。今朝公開発表されるまで、不安な中過ごしていましたが、みなさんに観ていただけることになりまして嬉しく思います」と挨拶。

今回の決断について白石監督は、涙ぐみながら「今日午前中に会見しまして、こうしてここに立ってる今もこの決断が正しかったのかわからない状態です。(公開後)批判もいただくと思いますけど、こういう結果になりました。この場をお借りすることができて、嬉しかったです。こうことになってしまいましたが、お客様に楽しんでもらいたいと思って作った映画です」とコメント。
さらに「瀧さんとは『凶悪』という映画から映画を何本も作ってきたんですけど、瀧さんが……瀧容疑者と言うんでしょうけど……こういうことを起こすとは全然思ってなかったですけど、最近の報道では20代からというのもあって。長い間共にしてきたこともあったのですが、その中で気付けなかったのは僕の不徳のいたすところ。それでも瀧さんがやってしまったことを許すわけにはいかないですし、ただ作品に罪はないということを宣言して、この映画だけじゃなくて日本の映画界のためにも、過去の作品を封印するというのは(避けたい)。 それも正しいかどうかはわからないですけど」と苦しそうに瀧容疑者への思いを吐露。「僕はこれまで映画の中で禁止薬物を使用する描写をしてきたので、これからは個人的に、薬物乱用を防止するような、啓発するような活動に取り組んでいきたいなと思います」と語った。
これを受け、斎藤も「この作品は今朝までずっと難産。これからどうなるかもわからない。僕も第一報を聞いたときは、全然状況が咀嚼できなくて、どうなるんだろうって。映画やドラマにとって、とても重要なピースであったピエールさんが……。いろんな作品で苦しむ人たちがいる。これから起こることって計り知れないな、うねりの始まりを見ているような恐ろしさがあります」と複雑想いを語った上で、「人が人に届けるということをゴールに、 その一心で突っ走ってきたので、東映さん、プロデューサー、そして白石監督が英断してくださったので、とてもとてもホッとしております」と白石監督に感謝。「引き続きこの映画をよろしくお願いいたします」と観客に呼びかけた。


テキスト:堤茜子
写真:You Ishii
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