日本を代表する名バイプレーヤーである松重豊の待望の初主演映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』が、東急レクリエーション配給にて今年10月、全国公開することが決定した。

原作は作家・ヒキタクニオ氏が自らの体験を基に書き上げたエッセイ『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』(光文社刊)。一般的に馴染みの薄い“男性不妊”を真正面から描きながらも、ヒキタ氏のユーモアあふれる語り口で展開される本作は大きな話題を呼び、角田光代氏も大絶賛。この度、実写映画化が決定。
映画『ぱいかじ南海作戦』『オケ老人!』をはじめ、笑いと哀愁が入り交じる舞台でも絶大な人気を誇り、脚本家や構成作家としてもマルチに活躍する細川徹監督が、困難が立ちはだかっても、明るく前向きに乗り越えていくヒキタ夫妻の姿をユーモアを交えながら抒情的に描き出す。
主人公のヒキタさんを演じるのは、数多くのテレビドラマや映画、CMや舞台などで見ない日はない名バイプレーヤー松重豊。主演テレビドラマ「孤独のグルメ」が日本のみならずアジアでも大人気の松重は、本作が映画初主演となる。男性不妊という現実にショックを受けながらも、それを受け止め、夫婦で力を合わせ、全力で妊活に取り組むヒキタの姿を、時に頼もしく、時にコミカルに演じ、ユーモアたっぷりの愛おしきヒキタ像を作り上げている。
ヒキタと二回り近い年下の妻・サチを演じるのは、老若男女問わず絶大な支持を集める北川景子。松重と共演経験はあるが、夫婦役は初となる。懸命にヒキタを支え、共に困難を乗り越えていく健気な妻の姿を見事に体現した北川は、本作で新境地を開いている。
さらにヒキタ夫婦を取り巻く人々にも実力派俳優陣が集結。ヒキタの担当編集者・杉浦を濱 田岳、サチの厳格な父親・和夫を伊東四朗、ヒキタ夫妻の主治医・桑島を山中崇が演じ、随所に魅せる個性派俳優たちの名演にも注目だ。
また、本作が今年4月に開催される「第9回北京国際映画祭」のコンペティション部門に正式出品されることが決定!ワールドプレミアとして、10月の日本公開に先駆け、世界へ向けての初お披露目となる。日本映画のコンペティション部門出品は園子温監督『ラブ&ピース』以来2作目となる。なお、主演の松重の参加は現在調整中だ。
キャスト(キャラクター紹介)
松重豊:ヒキタクニオ
49才、作家。子どもは作らないと決めていたが、妻の一言がきっかけで妊活を始めるも、自らに不妊の原因があることが判明。子どもを授かるために全力で妊活に挑む。
北川景子:ヒキタサチ
ヒキタの妻。二回り近く年下でありながら、自由な生活を送るヒキタをいつも支えているしっかり者。女性側に負担がかかる不妊治療にも弱音をはかずに取り組む。
濱田岳:ヒキタ担当の編集者・杉浦俊一
作家であるヒキタの担当編集者。既婚の子持ち。ヒキタとは一緒にサウナに行ったり、飲みに行ったりする関係性。
山中崇:不妊治療専門医・桑島医師
ヒキタ夫妻の担当医。穏やかで温かくヒキタたちを見守る。
伊東四朗:田野辺和夫(妻・サチの父)
サチの父親。大学教授をしており、厳格で頑固な性格。娘を想うあまり、不妊治療には反対している。
キャストコメント
ヒキタクニオ役:松重豊
Q.脚本を読んでみて
A.妊活モノというのは全く想定外の出演依頼でして、ひとくちに子作りと言っても、大変な苦労があるものだなと、読んではじめて知らされることばかりでした。
Q.ヒキタさんを演じてみて
A.北川景子さんが奥さん役でしたので、この年齢差をどう成立させなきゃいけないのか、そればかり考えて現場に入りました。でもそこはさすが北川さん、実に自然な夫婦感を醸し出してくれました。思えば私にとって、夢のようなひとときでした。
Q.撮影や共演者について
A.北川さんはじめ、伊東四朗さん濱田岳くん、じつにナチュラルにこの世界を包んでくださる共演者に囲まれ、ストレスを微塵も感じないスタッフワークと共に、クランクアップが恨めしいほどでした。
Q.「北京国際映画祭」コンペティション部門への正式出品が決まって
A.こういう華やかな舞台は自分には無縁だと思っていました。北京には美味しいカフェがあって、そこに繰り出してスイーツを食べるのが今から楽しみです。
ヒキタサチ役:北川景子
Q.脚本を読んでみて
A.不妊治療をテーマにしながらもコメディタッチで描かれていて面白かったです。弱音を吐かず、懸命に夫を支えるサチさんの姿は同じ女性としても感銘を受けました。ヒキタさんとサチさんが歩んできた道のりをいかにリアルに、ユーモアたっぷりに表現できるかが鍵になると思いました。
Q.サチを演じてみて
A.ヒキタさんとサチさんはふた回りほど年の離れた夫婦ですが、松重さんとは何度も共演させていただいているので、信頼関係が出来上がっている状態で演じられたのは本当に良かったと思います。クランクインしてすぐに、自然と夫婦になれたような気がしました。私はこの作品に取り組んで不妊治療について詳しく知ったのですが、夫婦の心の絆と、困難にぶつかっても乗り越える強さがなければ到底できない、大変なことだと知りました。私は経験がありませんでしたが、サチさんの不妊治療に取り組む姿勢をリアルに表現したいと思いました。とても難しかったですが、この作品がたくさんの方に届いてほしいと思います。
Q.撮影や共演者について
A.撮影はほぼ一年前。もう懐かしいです。松重さんと毎日朝から晩まで一緒にいて、本当に家族のような錯覚さえ覚えました。濱田岳くんもよく知った方なので、アットホームな現場でした。桜のシーンが印象的で、天候にも桜にも恵まれ、とても良いシーンになりました。楽しみにしていてください。
ストーリー
ヒキタクニオ、49歳。職業、作家。二回り近く年の離れた愛する妻・サチと仲良く2人で暮らしている。サウナとビールが大好きで、ジム通いのおかげでいたって健康体。子どもは好きだけど、自分たちの子どもは作らずに2人だけで生きていくと決めていたが、ある日「ヒキタさんの子どもに会いたい」と妻は言った。その一言がきっかけで妊活を始めるも、なかなか結果は出ず・・・クリニックでの検査の結果、不妊の原因はヒキタ自身にあることが判明!そこからヒキタ夫妻の悲喜こもごもの妊活の日々が始まる。
(c)2019「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会