東京杉並区の高円寺にある美容室「COWEN」が話題になっている。その名も「失恋美容室」。美容師に自身の失恋エピソードを披露するだけで、「通常5000円~」のカット代金が無料になるというシステムだ。
自身のオフ最終日にこの美容室を訪れたのはテレビ朝日の三谷紬アナウンサー。同美容室の酒井栄太さんに「美容室の利益」を質問したところ「失恋エピソードを買い取っている」という驚きの返事が返ってきた。
酒井氏によると、そもそもこの会社は動画や漫画を作ったり、エッセイなどを書いたりするコンテンツ制作会社。カットの対価として客より聞いた失恋エピソードは、これらのコンテンツの元ネタになるのだという。限定10人で募集を開始したこのサービスに対して、じつに260件もの応募が殺到したことを受け、今後は美容室以外の展開も検討されており、酒井氏は「いいエピソードがいただければ、僕らとしても万々歳。映画化を狙っていきたい」と壮大な目標を語ると「緊張してきました」と話した三谷アナが、初恋の失恋エピソードを披露し始めた。
「私、今年25歳になるんですけど、22年前の話です」
「22年前!?」と驚いた美容師をよそに、2歳だった記憶を辿りながら「当時私の家に来ていた運送会社のお兄さんが、だいたい今の私と同じくらいの年齢で、後藤さんという方だった。アンパンマンとかミッキーとかトーマスより、後藤さんが好きだった」
映画の元ネタにはなりにくいと思われる“幼すぎる”初恋エピソードだったが、この話には意外な結末が。ある時突然、後藤さんが来なくなってしまい、後任のお兄さんに後藤さんについて尋ねたところ「心臓発作で亡くなった」という事実を知らされたのだという。
言葉をなくして涙ぐむ三谷アナをよそに、シャリシャリと髪を切るハサミの音だけが響く。その静寂を切り裂くように「近々ではないんですかね?」と至極真っ当なツッコミを入れた美容師に対して、三谷アナは「近々が……大学卒業してから1回も彼氏ができなくて」と身も蓋もない返答をした。
さらに三谷アナは「飲み会に誘われても行きたくない。家でビデオを見て泣いている方が良い。彼氏とも逐一連絡を取りたくない」など矢継ぎ早に失恋話から脱線したカミングアウトを続けると、「そういうことを面倒くさがるから彼氏ができないんじゃないの? 25歳でしょ? それはアカンよ」と美容師。そして出来上がった髪型を見るなり、「片山さつきさんみたい」と大胆発言まで飛び出した。
このサービスについて意見を求められた漫画家の江川達也氏(58)は「お宝ざくざくのエピソードもあれば、ガラクタもある。ただ、いっぱいエピソードを取ればお宝ザクザクはあるのでいいサービス」と意外にも肯定的なコメント。しかし千原ジュニアの「カット技術とかはどうなっているのか」という質問に対して、三谷アナが「ニューヨークとかなんかで修行してきたとか」と応じると「えらいざっくりした」と呆れ果てた千原ジュニアは「お前女子アナか!?」と鋭いツッコミを入れていた。(AbemaTV『Abema的ニュースショーより』)
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