
9日、日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者の弁護人を務める弘中惇一郎弁護士が会見を開き、再逮捕前に撮影された約8分間にわたるゴーン容疑者の動画を公開した。
ゴーン容疑者は11日に記者会見を予定していたことから「もし、皆さんがこの動画を通じて私の話をお聞きいただいているとすれば、それは私が4月11日に予定していた記者会見を開くことができなかったということになります」とメッセージ冒頭で説明。
ゴーン容疑者はまず「私にかけられている全ての嫌疑について、私は無実です」と改めて述べ、「私に対してなされている非難についてもまた事実無根です。それらの非難は全て、私を強欲な人物、あるいは独裁的な人物として塗り固めるためになされたものです。それらは、文脈から切り離されたり、偏見に基づいて歪められたものです」と主張した。
次に、20年間日産を牽引してきた成果に触れ、「私は日本を愛し、日産を愛しているということです。もし愛情や愛着、心からのつながりがなければ。20年間をその国で過ごしたり、20年間をその会社のリーダーとして務めることなど誰もしないでしょう」「私が1999年に日本に来たのは、打算によるものではありません。この国に魅了され、日産を再生させるという挑戦に心を躍らせたからです」「日産の仲間たちとともに、日本経済、そして日本企業の経営のあり方にも貢献してきました。これらの全ての事は、この数カ月を経験した後であっても依然として、私にとって何ものにも代えがたい記憶であり、大切な財産です。先々、皆さんにもきっとお分かりいただけるときが来ると思います」と説明。
さらに、3つ目には「いま起きていることが『陰謀』だということです」と主張。「これは単に事件ということではありません。言われているような『強欲』『独裁』などという話でもありません。これは、『陰謀』『謀略』『中傷』ということです」とし、その理由については、「何よりもまず、『恐れ』があったということです。アライアンスの次のステップ、統合、すなわち合併に向けて進むということが、ある人たちには確かな脅威を与え、それがゆくゆくは日産の独立性を脅かすかもしれないと恐れたのです」と話した。
また、日産の業績不振や検査問題に触れ、「会社が多くの難題に直面しているからということで問題なのではありません。起きた問題への対処の仕方が会社の信頼を損なっているのです。問題が解消されていないにも関わらず、会社として解決したと発言することは信頼を失うのです。これは会社(日産)の現経営陣に問題があったということです。これらの人物のことはご存知だと思います。私が尊敬している日産の従業員の方々について言っているのではありません。数名の幹部、つまり、明らかに自分たちの利益のため、そして、自分勝手な恐れを抱いたために、会社の価値を毀損している人たちのことを指しています。今回の汚い企みを実現させるべく仕掛けた多くの名前を挙げることができます。真相や事実が明らかになることを願っています」と訴えた。
最後にゴーン容疑者は、「切実な希望」として公正な裁判を受けることを主張。「私は幸いにして、この訴訟で3人の有能な弁護士に弁護してもらうことができますが、彼らからは裁判の公正性についての安心材料は提供してもらえていません。今回の裁判において公正性を保証するために必要とされる具体的な条件について3人の弁護士に説明してもらいます」とし、「この裁判で私の無実を証明したいと切に願っています。ご清聴ありがとうございました。より多くのことを皆さんにお伝えしたり、皆さんの心にある多くの質問にお答えすることができなかったことを申し訳なく思います。しかし、将来、それが叶うことを願っています」と述べた。
(AbemaTV/『AbemaNews』より)

