美容整形手術をブログで公表、さらにその過程をテレビの密着取材を通して明らかにしたことが話題を呼んだタレントの有村藍里さん。その告白に、ネット上にも「めちゃくちゃ可愛い」「応援してる」と、前向きな声が多数みられた。
今や美容整形施術件数は年間190万件を超え(日本美容外科学会)るなど、昔に比べて身近になってきた美容整形。湘南美容クリニック横浜東口院の加藤周院長は、「売り上げの20%くらいが男性で、伸び率も女性より高い。時代の流れがあると思う」と話す。
芸能人のみならず、一般人が手術を受けたことを明らかにすることも増えているが、それでも街で聞いてみると「わざわざお金をかけてまでやることはないかな」「親から頂いた体なので、いじるのは良くないのかなと思う」との声も。ネットでも「整形した女と子どもつくって、ブサイクが生まれたら詐欺だから」「ゴールはどこ?やりすぎて依存症になる危険もあるよね」「同じ顔ばっかり」「美しさは外見だけじゃないでしょう」と厳しい意見も見られた。
11日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、整形に対する意識の変化について考えた。
■整形を受けた3人の女性たちの意見は
「昔から一重ってだけでいじめられていて。自分の気持ちが明るくなるならって」。コンプレックスを無くすため、二重瞼にするための整形手術を受けることを決意したあいかさん(24)。「埋没法」と呼ばれる手術を受け、鼻には形も整えるためのヒアルロン酸も注入した。所要時間は約30分。術後の腫れもほとんどないといい、明るい表情で鏡を覗き込み、颯爽と病院を後にした。
歌舞伎町でバーの店長をしながらアイドル・コスプレイヤーとしても活動する明治さんも、「人生で1番頑張ったことが整形だから隠したくないし、堂々と整形だよって言いたい」とTweetした。
高校時代の写真を手に「横向くと輪郭がゴリラみたいにもっこりしてた」といい、これまでに目や鼻、アゴなど、約700万円をかけてきた。「骨切るとかって死亡リスクもあるし、なかなか簡単に埋没みたいに手を出せることじゃない。やったことある人ならわかると思うけどダウンタイムも本当にしんどい。でも、ネガティブじゃなくてポジティブな整形の人が増えてきた」。
整形に対する世の中の見方が変わっていることを実感しているという明治さん。「昔は合コンとかに行っても絶対に選ばれなかった。今は合コンはしないけど、男の人に相手にされるようになったというか、視界に入れてもらえるようになった。やっと可愛い子たちと同じ土俵に立ったという感じ。世の中が顔だというのは、本当にそうだと思う。性格って言うけれど、まず最初に顔でフィルターをかけているから」。
整形に約500万円をかけていることを公表している川井優恵乃さん(24)は、整形に関するリアルな口コミを探せるアプリ『Meily』を開発した。
「美容整形の情報ってすごい貴重だけど、調べるのにすごく時間がかかる。アプリでもっと分かりやすく作れるんじゃないかと思ったのがきっかけ。整形は、見た目のその先にある、自分を好きになったり、自信を持ちたいという思いの先にあるもの。おしゃれとか、ダイエットとか、全てやってもコンプレックスを治したいと考えてしまうもの。リスクを許容できるかを考えた上で踏み出すべき」。
■「整形のゴールは"明るい自分"」
「整形シンデレラ」を企画し、自身も美容整形手術を経験したことがある美容医療コーディネーターの富田聡氏は「整形のゴールは美しくなることではなく、毎日明るい自分で過ごせるか」と話す。
「クリニックのほとんどは美容皮膚科で、年間190万件という手術件数には、脱毛やレーザー等も含まれる。レーザーもすごく進歩していて、通常のケアをしている人たちが大半だ。それでも友達が整形しているという情報が入りやすくなり、気軽に手を出しやすくなったことは確かだと思う。スマートフォンで写真を撮ってアップすれば不特定多数の人に"いいね!"を押されたりする時代になったので、逆にコンプレックスを抱えてしまった人も多いのではないか。また、男性の場合、昔は一重だと印象が悪くなるという営業マンなど、明確な理由を持って整形をしていたのが、最近ではおしゃれで、という人が増えてきたと思う。親にもらった体なんだからという意見についても、幸せに生きたいという願いのために整形をしたいという相談が多い」。
その上で「そもそも整形は"作りもの"だと言われるが、本人の持っているベースがある。韓国ではみんなが好きなか顔にするので同じ顔になっているだけで、日本の整形はベースとなっている本人の魅力を伸ばす。でも、自分がどうしたいか決まっていない人がいる。二重の手術でも、自分がどういう二重になりたいかが決まっていない。そうすると、腫れが落ち着いてきて、ダウンタイムが終わった時に、"もっとこうしたい"というループが始まってしまう。あるいは目が理想の形になったら、他の部分もバランスを整えたいという気持ちが生まれてしまう。依存とは一概に言えないが、一度体験して良い思いをすると、"もう一度"となってしまいがちだ。"綺麗だね"という言葉はプライスレス。本来はタダなのに、お金をかけてもらいに行かないといけない。だから普通の状態の時から"綺麗だね"と言い合えるような文化にしていくことが大事だと思う」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)