26日、AbemaTVにて『番組制作権争奪リアリティーショー クリエイターズファンディング』の#3が放送された。
この番組は、世界に向けて発信できるヒットコンテンツを生み出すことを目指し、AbemaTVと経済産業省がタッグを組んだクリエイター発掘リアリティーショー。書類選考で選ばれた9名のクリエイターたちは、AbemaTVでの番組放送権と制作費300万円を賭けて競い合う。9名のクリエイターは3つのブロックに分かれて戦い、各ブロックの勝者同士が最終決戦で激突する。予選では3分以内の予告動画を披露。制作費として30万円がそれぞれに渡された。予選Aブロックではコマ撮りアニメーター・細見佑樹（35）が、Bブロックでは映画監督・貴田明日香（24）が決勝進出を決めている。
実はこの徳永、予選Bブロックの映画監督・貴田の作品を観て号泣している。感受性豊かかつ、本番組初の素人という肩書き。未知数すぎるこの存在がどんな作品を創るのか、番組MCを務める設楽統（バナナマン）も興味津々の様子だった。
山口県の西部に位置する宇部市に、県内外から機械のエリートが集まる国立の名門・宇部工業専門学校がある。徳永は普段、校内にあるものづくり工房にいる。この工房は彼女が所属している部室。徳永は自作ロボットのアイデアを競うロボットコンテスト、通称”ロボコン”にチームリーダーとして出場した経験を持つ。かつ、中国ブロック大会の上位に進出する実力者でもある。今現在、部活には総監督として在籍。1989年にテレビ放送を開始した近未来ロボットアニメ『機動警察パトレイバー』に影響を受けて、ロボットにはまったという。
しかし今年5年生の彼女はこの3月、学校もロボコンも卒業する。自身を「泳ぎ続けないと死ぬマグロと同じ」と語る徳永。そんな彼女が今作で描くテーマは「20歳。新たな道を探す自分の姿のドキュメント」。自分自身の成長物語を映像として発信するという。
初めての映像作品に選んだ題材は”等身大の自分”。落ち着いて見える彼女だが、中身は将来に悩む20歳の女の子。ここ5ヶ月で20kgほど体重は増加。その原因は最近覚えたてのお酒だと語る。番組スタッフとともに居酒屋に入店した徳永は「ストレスは水溶性じゃない。酒と油で溶かすんですよ」と説く。どうやらストレスが原因で体重が増加してしまったらしい。
居酒屋では酔いがまわった徳永から本音が。彼女は「今回の企画に期待している。私にとっても地元にとってもメリットがある。（宇部市は）本当にど田舎で何にもないけど、飯美味いし酒は美味いし。だから山口はいいんですよ」と語る。この作品で20歳の自分を描くとともに、生まれ育った故郷への恩返しをしたいと話す。
この後日、カブに乗りまるで郵便屋さんのようなスタイルでやってきた彼女。映像に関してはズブの素人のため、制作に苦しんでいると吐露する。5年間複雑なロボットのプログラミングを経験していた徳永は編集ソフトの扱いはさすがに一流だが、細々としたところが自分の理想と乖離しているそうだ。
そんな徳永は番組の収録スタジオに場所を移しても胸の中に秘めた熱い思いを語る。それから「今回の映像作品で汚い道を歩いていく、そんな私に投資して欲しいと思っています」と涙ながらに訴えた。これを受け設楽は「ある種、我々も”何か将来やらなきゃ”みたいな思いってあるじゃないですか。自分は何者でもないとか、何か成し遂げたいとか、代表作を作りたいだとか。でもね、それは20歳だからとかじゃなくて、我々にも（そういう気持ちは）あるし。だからこのテーマって広い範囲の人に見てもらえると思う」と熱弁。徳永は涙を堪えつつ頷き、見届け人として登場していた小沢一敬（スピードワゴン）は「素晴らしいことを言ってる。この番組の本質を言ってる」と称賛のコメントを寄せた。
徳永の映像が流れ終わると、スタジオをなんとも不思議な空気が包んだ。何かを期待させるような映像に仕上がっていて、出演者一同、興味をそそられた様子。審査員として登場していた脚本家・旺季志ずか氏は「（続きを）めっちゃ観てみたい」とコメントしていた。
審査員を務めるのは旺季氏のほか、映画監督・山崎貴氏、映画プロデューサー・石井朋彦氏といった面々。採点基準は「企画自体が面白いかどうか？」の企画力10点、「映像を効果的に撮影・演出できているか？」の表現力10点、「3分の予告が魅力的か？」の構成力10点。1人が持つ点は30点までで、90点が最高得点となる。
・山崎貴氏 合計25点（※内訳 企画力8点、表現力8点、トレーラーの構成力9点）
コメント：映像がダメだったらどうしようと思ったけど、すごく良かった。1カット目の表情で”なんかいいじゃん！”と。
・石井朋彦氏 合計27点（※内訳 企画力9点、表現力9点、トレーラーの構成力9点）
コメント：最初の1カット目の彼女の顔がすごい綺麗だった。明らかに人生が変わる感じがあったから、ぜひ観たいなと。
・旺季志ずか氏 合計29点（※内訳 企画力10点、表現力10点、トレーラーの構成力9点）
コメント：すごい馬券を買った気分です。大穴かもしれないけど、続きの観たさがありました。申し訳ないけど、他の人の作品は想像がつく部分がある。けれど彼女はどうなるんだろうという”心配”と”期待”がある。すごいドキドキさせてもらえるからそこに賭けました。
・徳永楓実奈 合計81点
見事1位通過を決め、全出場者の中でも最高得点をたたき出した。設楽も「映像の中にある文字の入れ方もセンスがある。3分間の中の笑いの分量というか」と太鼓判を押す。決勝進出を決めて、徳永は「ありがとうございます」ととにかくうれしそうな表情を浮かべていた。
そして設楽から「制作予算（30万円）は何に1番使ったの？」と質問が入ると、徳永は「バイクに使いました。カブは24万円です」とさらっと回答。スタジオ出演者を驚かせ、しっかりとオチまでつけた。設楽は最後に「底知れぬパワーの人材…」とコメントしていた。
・決勝進出者 決定
<予選Aブロック>コマ撮りアニメーター・細見佑樹（35）
<予選Bブロック>映画監督・貴田明日香（24）
<予選Cブロック>素人・徳永楓実奈（20）
以上の3名が決勝に駒を進めた。最終審査には株式会社サイバーエージェントおよびAbemaTV代表取締役社長・藤田晋が登場。その最終審査会の様子は5月3日21時からオンエアされる。一体誰が番組制作費300万円と放送権を手にするのか。気になる方は、ぜひ放送をチェックしよう。
▶︎審査員・山崎氏と石井氏が絶賛した1カット目の表情にも注目！ 徳永楓実奈の20歳のドキュメンタリー映像はコチラから
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