新元号・令和を迎えての将棋界初の公式戦として、王位戦挑戦者決定リーグ戦・紅組の対局が5月1日に行われた。先手・木村一基九段(45)と後手・菅井竜也七段(27)の一局は、317手にも及ぶ大激戦の末、木村九段が勝利した。午前10時から持ち時間4時間の対局としては、異例の長さとなり、終局時間は午後9時54分。記念すべき令和初日を飾って余りある大熱戦となった。
昭和48年(1973年)生まれの木村九段と、平成4年(1992年)生まれの菅井七段の対局は、挑戦者決定リーグ紅組の2連勝同士の対決。勝った方が3連勝でリーグの単独首位に立ち、かつ新元号での初対局ともなり、お互いの持ち味がフルにぶつかる名局となった。早指し・早見えが特徴の菅井七段がどんどんと指し進める中、「千駄ヶ谷の受け師」の異名を持つ木村九段が、得意の粘りを見せて、勝負は混沌としたまま終盤戦へ。お互い入玉し「持将棋」になる寸前だったが、菅井七段の投了で長い一局に終止符が打たれた。
◆持将棋(じしょうぎ)
プロの公式戦において、お互いに入玉し、詰ませる見込みがなくなり、これ以上駒が取れなくなった時点で、駒を数える。玉を除いた駒(盤上・持ち駒とも)のうち、飛車と角を5点、その他の駒を1点とカウント、両者とも24点以上あれば引き分けで再試合、24点に満たなければ負けとなる。
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