3日、AbemaTVにて『番組制作権争奪リアリティーショー クリエイターズファンディング』の#4が放送され、ついに優勝者が決定。株式会社サイバーエージェントおよびAbemaTV代表取締役社長・藤田晋より番組制作費300万円が手渡された。
この番組は、世界に向けて発信できるヒットコンテンツを生み出すことを目指し、AbemaTVと経済産業省がタッグを組んだクリエイター発掘リアリティーショー。書類選考で選ばれた9名のクリエイターたちは、AbemaTVでの番組放送権と制作費300万円を賭けて競い合う。9名のクリエイターは3つのブロックに分かれて戦い、各ブロックの勝者同士が最終決戦で激突する。予選では3分以内の予告動画を披露。制作費として30万円がそれぞれに渡された。予選Aブロックではコマ撮りアニメーター・細見佑樹（35）が、Bブロックでは映画監督・貴田明日香（24）が、Cブロックでは素人・徳永楓実奈（20）が決勝進出を決めている。
A～Cブロックまでの審査員は映画監督・山崎貴氏、映画プロデューサー・石井朋彦氏、脚本家・旺季志ずか氏といった面々。そして、最終審査会には、藤田が優勝者を決定する審査員として加わった。また、藤田は本番組を企画した張本人でもある。見届け人として登場していた小沢一敬（スピードワゴン）から「やっぱり若いクリエイターを育てたいという思いがあるんですか？」と聞かれると、「育てたいという思いもあるけど、どっちかというと囲い込みたいというか（笑）」と本音を明かしていた。
予選Aブロック 細見作『クラフト家の不思議な発明』（詳細はリンクをクリック）
映像を観て藤田は「YouTubeでウケそうな感じもあるし、観ていて中毒性がありそう」と評価。最後に細見は「300万円を投資していただけたら、私1人ではなく、他のクリエイターを連れてくることができるので、もっとブラッシュアップすることができると思います」とアピールしていた。また石井氏は「（これが）AbemaTVで流れて、世界のアニメーション映画祭に流れて、そこから広がるというのがアニメーションの良さであると思います」と解説していた。
予選Bブロック 貴田作『受け入れて』（詳細はリンクをクリック）
コメントを求められた藤田は「社会性の強い映画の予告編を見たような気持ちです。これって予告編ということを意識して作ったんですか？」と貴田に質問を投げると、「予告編なんですけど、最初から最後まで台本は書いてます。それと結構（カメラを）まわしましたね。映画1本撮れるくらいは」と返しつつ、実際に本編を作るとしたら「1時間半くらいの作品」と具体的な構想も明かした。それから藤田は「第1回『クリエイターズファンディング』最優秀受賞作品と言って放送するにはちょうどピッタリな感じ。”この思いを伝えたい”という気持ちが本当に伝わってきた」と高評価のコメントを述べた。改めて作品を見た山崎氏も「やっぱり完成度が高いですよね。感情が揺さぶられるし、やっぱりすごいんだな」と話す。続けて見届け人の鈴木奈々が「性同一障害だったり、LGBTのことを知らない方も、この作品を観て、知ることができると思うし、この作品が有名になったら同性婚も認められるかもしれない」と熱弁すると、番組MCの設楽統（バナナマン）も「本当にそれはあるよね。クリエイターの人が生み出すパワーで世の中の何かが変わることってあるからね」と同調していた。さらに小沢も「僕らもコントとか漫才とかを作る上で”これやりたいんだ！”って強い思いがあるやつが強いと思ってる。そういう意味ではすごく強いと思う」と語った。
予選Cブロック 徳永作『素人起業』（詳細はリンクをクリック）
素人の処女作を観て、藤田は「編集とか映像にセンスを感じますよね。彼女自身のポテンシャルを感じます」とコメントした。予選の時から、徳永の存在を高く評価していた旺季氏も「自分の中の問題意識だったり、痛みだったりというがあったりすると創作の時にやっぱり力って出るんだなって感じました」と話していた。
全ての作品を見て、藤田は「難しくなっちゃいましたね。三者三様すぎるので」と苦渋の表情を浮かべる。またここで、設楽から「実際、番組作りに300万円以上かかっちゃうかもっていう場合はどうしましょう？」と現実的な質問が投げられると、藤田は「300万円で本当にいい番組ができたら僕としてはすごいラッキーなんですけど」と笑顔で返す。間髪入れずに設楽が「（300万円より）もうちょっとかかっちゃう場合はOKですか？」と問うと、藤田は「大丈夫です」と答えていた。
いざ発表の段となり、見事、貴田の作品が優勝となった。藤田は現金300万円を渡す際、「ぜひこれで『カメラを止めるな！』を超える作品を」と貴田に期待を込めた。決め手を聞かれ藤田は「第1回の優勝作品として、やっぱり流したいなと」と明かした。
貴田監督作品『受け入れて』は近日AbemaTVにて公開予定。予告動画はぜひこちらからチェックを。
なお、クラウドファンディングサイト『Makuake』では7月30日まで期間限定で「性同一性障害をテーマにした映画『受け入れて』支援プロジェクト」を展開中。支援者を主役にしたショートストーリーを貴田が監督として撮影する応援プラン、支援者を主役にしたショートストーリーを貴田が書くプラン、都内で開催される関係者初号試写会ご招待プラン、監督・出演者からのビデオレターが届くプラン、さらに映画エンドロールに名前が載るプランなどがサポーターへのリターンとして用意されている。詳細は「Makuake 受け入れて」で検索を。
