顔が熱くなる、汗が止まらない、自分がおしっこ臭く感じる……これらは更年期障害の症状である。“更年期”と聞いて、「自分にはまだ先の話」なんて思っていないだろうか。実のところ、更年期に関する情報は20代で知っておいても損はないことが多い。
SHELLYがMCを務める『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース』(AbemaTV/アベマTV※毎週土曜23時から放送中)では、更年期症状を経験した女性たちが登場。「20代から知っておきたい更年期」をテーマに、経験者が赤裸々に語った。
【次回放送】▶︎5月25日(土)23時~
(※見逃し防止には視聴予約がおすすめ)
▲産婦人科医の中田真木さん
産婦人科医の中田真木さんは「社会で活動している間にその年齢(更年期)になるので、若いときから知っていると怖くないし、対応の仕方もできる」と話す。
実際に、週刊文春WOMAN編集長・井崎(正しくは「崎」は立つ崎)彩さんが文春WOMANで大体的に特集した更年期の記事は、女性の読者から「大反響だった」という。
「発売後にTwitterでは反響がなかった。でも、編集部には手紙やメールが殺到して。『更年期障害に苦しんでいる』って言うのは恥ずかしいけど、実は言いたいことがあるんだと分かった」
▲WOMAN編集長・井崎(正しくは「崎」は立つ崎)彩さん
働くアラサー女性のための情報サイト「ウートピ」編集長の鈴木円香さんは「更年期には個人差がある」と症状に言及。「閉経がいつくるのかも(個人個人で)違うし、更年期に気づかない人もいれば、更年期で死にたくなったという人もいる。自分が更年期にどう準備したらいいか分からない」と漏らす。
▲「ウートピ」編集長の鈴木円香さん
また、PMS(月経前症候群:排卵から月経開始までの黄体期に身体的・精神的に不快な症状が表れる)と同じく、更年期障害も症状や重軽度は人によって違い、一言では語ることができない。
井崎さんが担当した特集では、更年期によるホルモン治療も紹介した。読者からは「ホルモン治療をしたら親戚に『(がんのリスクがあるのに)なんでやったんだ』と責められた。書いてくれてありがとうございます」という手紙が井崎さんのもとへ届いたという。
中田さんは「ホルモン治療にがんのリスクがあるとは一概には言えない」と語る。しかし、閉経後においては、ホルモン治療を使うと乳がんや子宮がんになりやすくなるというのは全世界に共通している考え方だという。
一方で「ホルモンがなくなると、更年期障害も萎縮症状(閉経と慢性的な膣炎によって膣壁がますます薄くなり、かゆみ、乾燥、頻尿などが表れること)が出てきて、骨粗鬆症も出やすくなる」と話す中田さん。ホルモン剤を使えば更年期の症状は効率的に治めることができるが「1万人全員に閉経後にホルモン剤を出すと、乳がんが増える数値にはなる」とデータについて語った。
生理不順や重い生理痛に悩まされ、低用量ピルを服用している女性も多い。閉経前のホルモン投与は、身体にどのような影響があるのだろうか。中田さんは「(ホルモン投与は)がんが増えるだけでなく減る効果もある。ひとことでは言えない」と中田さんは語る。
井崎さんによると、週刊文春WOMANが行った更年期特集の中でもっとも反響があったのは、中田先生が担当した「閉経関連泌尿生殖器症候群(GSM:更年期以降の女性ホルモンの低下に伴う外陰、膣の萎縮変化、不快な身体症状症候群)」だったという。
「女性は30代後半から膣の状態が荒れてくる。40歳になると、人によっては膣壁の状態も落ちていく。局所の痛みやかゆみだけでなく、尿の出がだんだん悪くなる。慢性膣炎の状態になると、いつも臭いがあり、もれているような感覚になってしまう」(産婦人科医・中田真木さん)
中には、椅子に腰掛けるだけで、デリケートゾーンの皮膚が痛くなってしまう人もいるほどだという慢性膣炎。週刊文春WOMANの井崎さんは「自分がおしっこ臭く感じるっていうのは分かる気がした。手紙では友達に相談しても“何言ってるの?”と言われ、言うのをやめたという人もいた」と話す。デリケートな話題であるため、友人や家族にも相談できない。また、おしっこ臭いというだけで、病院に通っていいものなのかと悩む人も多い。
自分が「更年期障害かも?」と思ったら、専門医に相談し、自分に合った治療法を見つけていくのが適切だ。
(AbemaTV/『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース~』より)
(ライター/小林リズム)