EXILE SHOKICHIが5月15日に、自身2枚目となるソロアルバム『1114』をリリースする。
EXILE SHOKICHIにとっておよそ3年ぶりとなる新作ソロアルバムには、2018年に発売したシングル『Underdog』、映画『DTC -湯けむり純情篇- from HiGH & LOW』のオープニングテーマに起用された『Futen Boyz』に加え、アルバム発売に先駆け2ヶ月連続で配信リリースされた『君に会うために僕は生まれてきたんだ』『サイケデリックロマンス feat.SALU』など全11曲を収録。今作の収録曲はすべて、EXILE SHOKICHIが作詞作曲を手掛けている。
そして、EXILE SHOKICHIはこのアルバムを引っさげ、自身初となるアリーナツアー『EXILE SHOKICHI LIVE TOUR 2019 ”UNDERDOGG”』を開催。ツアーは6月29日の長野・長野ビッグハット公演を皮切りに全国6箇所をまわり、ツアーファイナルは9月15日にEXILE SHOKICHIの地元・北海道で行われる。
これまでさまざまなクリエイターとコラボしてきたことで最新作ではより視野を広げたクリエイトができたと話すEXILE SHOKICHI。ニューアルバムにおいても新しい表情の楽曲をリスナーに提示してくれている。今回のインタビューでは新作およびツアーの話題を中心に、創作の原動力についても聞いた。
昔よりやりたいことは明確じゃなくなってきた
--『1114』を聴かせていただき、シンプルにライブで盛り上がる曲から歌で酔わせるバラードまで、表現の振り幅の広さを感じました。
EXILE SHOKICHI:ショーが見えてくる作品になったんじゃないかなと思います。
--曲を聴くとそれぞれ映像が立ち上がってくるというか、ライブ演出もイメージできる作品ですよね。
EXILE SHOKICHI:そうですね。自分の前作ソロアルバム『THE FUTURE』の楽曲精査から始まり、その穴埋めをしようと決めてから、今作の音作りはスタートしました。
--1114日ぶりにリリースするソロアルバムという意味でタイトルは『1114』ですよね?
EXILE SHOKICHI:そうです。
--年齢を重ねたことで、表現することの変化を感じましたか?
EXILE SHOKICHI:年齢をそこまで気にしているわけではないですけど、イメージしたものをより具現化しやすくなりました。スキルがついて、クリエイターたちとのコネクションもより強いものになって、単純に力が上がったというか。”こういう曲に仕上げたい”という最初の構想から大きく逸れることなく、コンセプトをきちんと作品に落とし込めることができるようになりましたね。
--では、今作では存分にやりたいことを表現できたと。
EXILE SHOKICHI:はい。でも、昔よりやりたいことは明確じゃなくなってきたんですよ。
--というのは?
EXILE SHOKICHI:昔は「こういう曲を作りたい」「こういうアーティストになりたい」という憧れにも似た思いが強くあったんですけど、そういう時期を経て今は「皆に喜んでもらいたい」「ファンの方の生活に寄り添える曲を作りたい」という気持ちに変化してきました。意味のある楽曲を作りたいというか。
--自分のための創作というよりは、ファンを思った先に音楽という表現があるというか?
EXILE SHOKICHI:そうですね、その気持ちが大きいです。もちろん自分の好きなポイントは表現しているつもりですけど、”ライブでこういう曲があれば楽しいだろうな”とか、”バラードだったら皆が聞きやすくて楽しめるかな”とか。そういう気持ちがきっかけとなり走り出す機会が増えてきましたね。
--これまで多くの曲を作ってきたからこそある種、筋力がついてきて表現できる幅も広がった。そのことが創作方法にも変化をもたらしたと。
EXILE SHOKICHI:昔は変に自分へのプレッシャーみたいなものを与えていたんですけど、いい意味でそれはなくなりましたね。
完全に自分発信で走り出しました
--昨年はソロ写真集を発表されましたが、音楽でもソロ活動を行なっていく構想は以前からあったんでしょうか?
EXILE SHOKICHI:音楽のソロ活動の構想は、自分で周りのスタッフにプレゼンして、完全に自分発信で走り出しました。
--SHOKICHIさんにとってソロ活動を行う意味とはなんでしょう。
EXILE SHOKICHI:ソロ活動ではより自分のミュージカリティを表現できますし、ここで培ったものをグループへと持ち帰ることもできます。グループへの貢献も、ソロでの経験という部分が繋がっていくと思うので、そういう意気込みや気合いで頑張っています。
--ソロ活動を再スタートさせる上でプレッシャーはありましたか?
EXILE SHOKICHI:グループの良さって喜びを分かち合えるとか、ネガティブな要素も皆で割れるってことだと思うんです。一方でソロ活動はやりがいを感じる分、ネガティブを受けるのも100%自分で。そういう意味ではよりハードなんですけど、だからこそアーティストとして強くなれるし、ソロ活動をしていく中で洗練されていくというか。これまでにそういう経験も積んできていたので、プレッシャーはなかったですね。
TAKAHIROくんから「いいバラード曲だね」
--優劣をつけるのは難しいかもしれないんですが、今作の中で”ファンを1番意識して作れたな”と思う曲はなんですか?
EXILE SHOKICHI:(しばらく考えて)『君に会うために僕は生まれてきたんだ』ですね。ライブでこういうバラードを歌いたいという、はっきりとしたイメージがあったので。
--メンバーの方から反響はありましたか?
EXILE SHOKICHI:TAKAHIROくんから「いいバラード曲だね」ってLINEをもらったり。曲の感想をLINEでもらうのは初めてだったので、びっくりしたし、うれしく思いました。
--逆に、制作期間中に行き詰まってグループの仲間に悩み事を相談したりとかは?
EXILE SHOKICHI:自分で問題を解決できるくらいのスキルは備わっていたので、それはなかったですね。自己完結型というか、全部自分の中で問題を解決していくタイプなのかもしれない。
--1枚のアルバムが完成したことで、自分の中で開けたことはありましたか?
EXILE SHOKICHI:よりミュージシャンとしてレベルアップできたなと思います。制作期間は1年半くらいだったんですけど、すごく集中して作ることができたので達成感がありますね。
--制作期間は1年半。そして前作ソロアルバムからは1114日が経過していて、多くのファンが待ち望んでいた作品だと思います。
EXILE SHOKICHI:その中でも、今作に収録されている『マボロシ』はアッパーなサウンドではあるんですけど、歌詞の内容を見てもらえると、ファンの方には感動してもらえると思います。
自分を使い尽くすショーに
--そのアルバムを引っさげて、6月29日からは単独ツアーが開催されます。
EXILE SHOKICHI:ダンス、歌、楽器も演奏して、自分を使い尽くすショーにしたいと思っています。
--舞台演出もSHOKICHIさんが担当されるのでしょうか?
EXILE SHOKICHI:自分がやります。
--話を聞いてると、演出面でもやりたいビジョンは明確に見えていそうですね。
EXILE SHOKICHI:そうですね。戦略家というか、常にイメージしながら活動しているので、方向性は決まっています。そこからスタッフさんにも加わってもらってアップデートしていくという感じですね。
--ツアーファイナルはSHOKICHIさんの地元・北海道で行われますが、当初からファイナルを地元で迎えたいという思いがあったんですか?
EXILE SHOKICHI:スタッフさんからも「最後は北海道だよね?」って声が上がって、そんな思いを皆が共有していたというか。地元でファイナルというスペシャルな感じにしたかったのでとにかく楽しみですし、自分でも忘れられない感動的な1日になるんじゃないかなと思います。
妄想家なんですよ
--SHOKICHIさんにとってステージに立つこととは?
EXILE SHOKICHI:昔は、ただ立ちたくて、ただ歌いたくて、ただ曲を作りたくてという気持ちが強く、独りよがりな感じでした。けど、キャリアを重ねる中で自分の音楽を必要としてくれているファンの方たちに、自分の存在意義をもらったなと感じたんです。その恩返しじゃないですけど、ミュージシャンとしてファンのために音楽を届けるという心意気で、今はステージに立っています。
--まずはツアーだと思いますが、その先でチャレンジしたいことがあれば教えてください。
EXILE SHOKICHI:『KOMA DOGG』という自分のレーベルがあるので、それを大きくしていきたいです。プロデュース業も活発にしていきたいですね。先日BALLISTIK BOYZのデビュー曲をプロデュースできたりしているので。
--スタッフとしても動いていきたい?
EXILE SHOKICHI:自分の中では、プロデュース業もプレイヤーなんですよね。裏方という意識はまったくありません。そこもプレイヤーとして臨んでいる感覚があります。
--常にはっきりとした答えが用意されていて、自分の中にブレない軸を持っている方という印象を受けました。普段から考えることはお好きなんですか?
EXILE SHOKICHI:妄想家なんですよ。ものすごく緻密に計画的にビジョンを進めています。いついつに何をするとか、これを必ず実現させるとか、どうやって攻めていこうかななど、日々想像しているんです。あるタイミングに、僕自身はノリと勢いと華やかさでスターダムにのし上がるタイプじゃないなと思ったんです。一つ一つ積み上げていくスタイルなんだなって。
--日々頭を働かせて、体も鍛えて、疲れることはありませんか?
EXILE SHOKICHI:もちろん、1日中ダラける日もありますけどね(笑)。これからも、表現すること、エンターテインメントすることをきっちりとやっていきたいです。