5月11日、映画『僕に、会いたかった』公開記念舞台挨拶がTOHOシネマズ日比谷にて行われ、主演のTAKAHIRO、共演の松坂慶子、山口まゆ、柴田杏花、秋山真太郎、錦織良成監督が舞台挨拶に登壇した。
『僕に、会いたかった』は、TAKAHIROが初の単独主演を飾った1作。12年前、ある事故をきっかけにして記憶を失い、漁に出られなくなった元漁師の徹(TAKAHIRO)は、亡くした過去に葛藤しながらも、島で懸命でいまを生きている。そんな徹を、やさしく見守る母(松坂慶子)、そして島留学にやってくる学生たち。彼らとの触れ合いの中で、徹の失った時間は戻るのか、徹の身には何が起こったのか…。
この日、ヒールを履いていた松坂を気遣い、階段の上り下りでスマートに手を貸していたTAKAHIROの姿に、場内からはため息が漏れた。ごく当たり前のように行ったエスコートについて、TAKAHIROは「ジェントルマンなんで!」と大きな声で言ってみせ、場内を一変、笑いで包み込んだ。
親子役となった松坂について、TAKAHIROが「こんなにおキレイな方がお母さんでいてくれるなんて」と恭しく語りながらも、「後光が射しているようで神秘的な方だったんですけど、役に入るとお母さんとしてスッと佇んでいるのはさすがだな、と感じました」と俳優として、尊敬のまなざしを送る。
また、錦織監督が「TAKAHIROさんは、ふざけた感じのコメントをしますけど、実はものすごく真面目な人」とTAKAHIROの人となりに触れると、すかさずTAKAHIROが「そうなんですよね!案外そうなんですよね!」とかぶせる。「信ぴょう性がなくなるでしょう(笑)」と苦笑いの錦織監督だったが、続けて「TAKAHIROさん自身もピュアだし、松坂さんもすごくピュアでおおらかなマインドの方でしたので、イメージ通りだと思いました」と映画の出来栄えに自信をのぞかせた。すると、松坂が「(TAKAHIROが)現場からちょっと離れたところで気持ちを作ったりしていましたよね。徹になりきって真面目にストイックで…今は面白い人になっていますけど(笑)」とチャーミングに微笑み、息の合った様子を見せていた。
舞台挨拶の翌日が母の日ということもあり、TAKAHIROより松坂にカーネーションの花束をプレゼントする一幕も。サプライズに驚きながら、大きな笑みを見せた松坂に、TAKAHIROは「これからもお母さんと呼ばせてください!」と告げると、松坂も「喜んで!徹からというより、TAKAHIROさんからのカーネーションですね」と、大切そうに美しい花束を抱きかかえていた。
『僕に、会いたかった』は全国ロードショー中。
取材・文・撮影:赤山恭子