11日、デビュー3周年を迎えた欅坂46の「3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE 日本武道館公演」千秋楽公演が行われた。
節目となる公演である以上、既発シングル曲とともにデビュー以来の軌跡を振り返るのが、いわば"アニラ""バスラ"の定石。欅坂も1周年では全曲披露、2周年でもセンター・平手友梨奈不在の中で既発シングル曲を全て絡ませる形でセットリストが構成されていた。
しかし今回の武道館公演では欅坂、さらに言えば平手のパブリックイメージともいえる、メッセージ性が強く緻密なフォーメーションが持ち味の楽曲群を中心に選択。あえてユニット曲を排し、全曲を2期生も含む全員で披露。シングル表題曲も3曲にとどめ、先行の大阪のフェスティバルホール公演(4月4~6日)以上に統一感のある内容となった。
観客の意表を突いたのは、1曲目も同様だった。これまではライブ最終盤での定番曲だった『危なっかしい計画』で登場。3年間の思い出がモニターに映し出されるなか、笑顔でステージを駆け抜けた。しかし、ここでいきなり「以上、欅坂46でした」と全員が舞台から退出。そして『overture』という、リセット、リスタートを感じさせる展開に。この演出は、MCでキャプテン菅井友香が明かしたように、大阪公演と東京公演をまたぐという意図があったようだ。
ここからは『避雷針』から『二人セゾン』まで一気に進行。シリアスな曲が続く中、MCで一息。菅井が舞台上で時を刻む巨大な砂時計について、「私たちが欅坂に始まる前から、そしてこのライブが終わったあとも時間が流れていくことを表していて、今日もみなさんにとって忘れられない時を刻めたら」と説明。
次にトークテーマは3年間を振り返る内容に。菅井は話を振った渡邉理佐に「ゆっかーはどう?」と切り替えされ、「ええっ!やめてよ~、いつもみんなに"どう?"って言ってきたけど、言われるとこんな気持ちなんだなって(笑)」と照れていた。小池美波は武道館を目標にしてきたことを明かすと、土生瑞穂が「生きてきた中で一番濃い3年間。一番飲んだのはタピオカ。今日も飲んだので元気です」。すかさず菅井が「タピオカのように噛みごたえのあるグループになりたいな(笑)」と会場を笑わせていた。
また、2期生で最年少メンバーの山崎天は「やりたかった曲が多くて嬉しい」、森田ひかるは「鈴本さんに二人セゾンのダンスをアドバイスしていただいて…」と明かすと、鈴本は優しく後輩に微笑んでいた。
千秋楽となるこの日は、本編終了後にさらなる"アンコール"が待っていた。赤い花びらの中に横たわる平手の映像が移ると、MVと同じ衣装のメンバーが舞台上に現れ、最新シングル『黒い羊』のイントロが流れ出すと、観客からどよめきが起こった。そして大サビで平手は舞台後方の階段を駆け上がると、MVで見せた以上の悲痛な表情で主人公の感情を表現。楽曲の世界観に、ファンは息を飲んだ。そしてアウトロでは小林由依が平手に突き返されたヒガンバナの花束を砂時計の下にそっと置くと暗転。再び平手の映像が流れ、クローズアップされた瞳から一筋の涙が流れると、ライブはエンドロールへ。「キャスト」として1期生と2期生の名前が並ぶ中、休養中の原田葵の名前を見つけたファンは胸を熱くしていたようだ。
photo,text:Kota Otani
■「欅坂46 3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE 日本武道館」セットリスト
M01.危なっかしい計画
M02.Overture
M03.避雷針
M04.大人は信じてくれない
M05.月曜日の朝、スカートを切られた
M06.エキセントリック
M07.I’m out
M08.Nobody
M09.二人セゾン
MC/影絵
M10.キミガイナイ
M11.もう森へ帰ろうか?
M12.君をもう探さない
M13.東京タワーはどこから見える?
M14.Student Dance
ダンストラック
M15.語るなら未来を…
M16.風に吹かれても
M17.アンビバレント
E01.黒い羊