ZOZOの前澤友作社長が、アルバイト2000人の採用と時給の大幅アップを発表。その詳細が明らかになった。
前澤氏は13日朝、Twitterに「ZOZOバイト時給1300円に大幅アップで2000人採用します。募集要項は後ほどアップします」と投稿。その後、ZOZOの公式ホームページで「ZOZOバイト改革」が発表された。
ZOZOによると、2000人の大量採用が行われるのは千葉県と茨城県にある物流センターのアルバイト従業員で、検品や発送、撮影アシスタント業務などを行う。時給は現在1000円だが、週4日以上勤務なら1300円にアップし、また成果次第ではひと月当たり最大1万円のボーナスが支給されるとしている。
令和初日の1日、「令和時代の願い。皆さんが好きなことを仕事にできますように」と投稿していた前澤氏。この日から3日連続で「労働者の権利」について意見を述べており、さらに「夢叶えるために正社員は無理だけど、バイトしながら頑張りたいって人たくさんいます。僕も学生の時、たくさんバイトしてお金貯めてスタジオ練習してバンドデビューできました」と自身の経験にも触れた。
今回の大量採用と時給アップの背景にはどのような戦略があるのか。ZOZOは、2019年3月期決算で上場以来初の減益を発表したが、商品取扱高をみると前年比19.4%増(3231億円)と増加傾向にある。そのため2月に、現状ある2つの物流センターのほか茨城県に新たに大型の施設を賃借して拠点にすることを発表。2020年に稼働が開始すれば、合わせて6000~7000億円の商品取扱高まで対応できるようになるとしている。
ZOZOの事業拡大に必要な労働力は、今回打ち出した「バイト改革」で安定的に確保できるのか。
リクルートジョブズの「アルバイト・パート募集時平均時給調査」によると、首都圏・東海・関西の三大都市圏における2019年3月度の平均時給は「1044円」。2016年4月の「977円」から上昇を続けている。
では、学生はアルバイトに何を求めているのか。「最近はあまり時給で選んでいない気がする」と指摘するのは、臨床心理士で明星大学准教授の藤井靖氏。「学生と話していると、一緒に働く人がいい人かどうかや楽しさなど、働きやすさを重視しているように思う。時給を上げるだけで人手不足が解消するかというと疑問に思う部分はある」との見方を示す。
一方で、「アルバイトが社会的に搾取されすぎだとは思っていた」とし、「アルバイトの情報が内実も含めて身近に手に入るようになった。仕事をより客観的に選べるようになり、自分のやりたい仕事や働きたい職場に行きやすくなっていると考えれば、社会的にはいい傾向だと思う」と述べた。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)










