今、無駄をなくしたシンプルライフを送る、いわゆるミニマリストが増加している。
その一人、けんさんは引っ越してきたときの１割程度の荷物で暮らす。献立に悩む時間や無駄なお金を使わないよう、食事の内容はほぼ毎日同じ。テレビも捨て、２年間でおよそ200冊の漫画を手放し、読みたいときは漫画喫茶へ足を運ぶという。「服を選ぶということがものすごくストレスで、全部同じにすればそれもなくなるというふうに思い、どんどん物を捨てた結果、今の状態になった。物をどんどん捨てていくと、自分にとって必要な物と不必要な物が分かってくる。今後、現金がなくなってほしいという思いはある。大学のコンビニとかに行くと、ものすごい行列ができていて、みんなが現金で払っている。スマホでピッてやるだけになればいい。ただ、スマホを持ったことで、せかせかしている感じもする」と話した。
そんなすっきりした部屋に飾られた大量のフィギュアについては「『ラブライブ！サンシャイン!!』というアニメのフィギュア。これは生活必需品」。
一橋大学大学院の竹内幹准教授は、合理的な生き方を求める人について「多くの物を抱えるということは、不確実性を抱え込むこと。そうした曖昧さをなくしたいという思いの表れなのかもしれない。認知能力が高い場合、心理的な思い込みにはまりにくいという研究結果もあるので、そういう人だと言えるかも」との見解を示す。
他方、「無駄は必要だと思う」と断言する人もいる。「無駄発明家」として、台湾で開いた個展では２万5000人を動員した藤原麻里菜さんは「インスタ映え台無しマシーン」「札束でぶたれるマシーン」「気付かれないように中指を立てるマシーン」などを生み出してきた。「無駄だとは思っている。“いらねーな！”と思うが、そういう時間を積み重ねるからこそ人生がめちゃくちゃ面白くなるんじゃないかなと思っている」と話す。
ふかわりょうは「基本的に人間は無駄なものや面倒くさいものを排除することはできないし、むしろ愛していると思う。例えばYouTubeでお金を払わずに音楽を聴けるようになったが、その分ライブに行ったり、どこかで汗をかきたい、何か面倒くさいことしたい、と欲していると思う。効率化している部分が変わってきているだけで、そういうことに気づいていない」と語り、「もし富士山にエスカレーターを使って登ることができるようになったとしたらどうする。僕は自力で８時間かけて登って見た山頂に景色と、エレベーターで登った景色に差があると思うタイプだ」と問いかけると、藤原さんは「私は"歩くの無駄だな"と思いながら無駄を愛する感じ。無駄な物を作るときも効率的に作ったりする。どこに無駄を使うかを計算する」と回答。けんさんは「無駄と呼ばれるものにも、自分が幸せであったり、生き甲斐を感じたり、お金を生み出したりしていればいいのかもしれない。何を残して、何を捨てるかというのがミニマリストとして重要なこと」と話した。
「コスパコスパ言っている人間は信用していない」と話す古坂大魔王は「コスパがいいということは、いつでも持てるということだと思う。ところが人が通ったことのない道、そのすばらしさを論じていくのが芸術とか芸能。インターネットで一番いい方法を調べればいいし、難しいことをやると叩かれる。でも、僕はコスパと無駄は2:8くらいのバランスがいいと思う」と話していた。（AbemaTV／『AbemaPrime』より）
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