6月は家族・絆…心を浄化させる作品が続々公開。2019年公開の泣ける映画3本を紹介する。

■『長いお別れ』(5月31日公開)
<あらすじ>
父、昇平の70歳の誕生日会。久しぶりに集まった娘たちに告げられたのは、厳格な父が認知症になったという事実だった―。日に日に記憶を失っていく昇平の様子に戸惑いながらも向き合うことで、自分自身を見つめ直していく家族たち。そしてある日、家族の誰もが忘れかけていた“愛しい思い出”が昇平の中に今も息づいていることを知る……。
<見どころポイント…中野量太監督初の小説の映画化チャレンジ!>
本作のメガホンをとったのは、『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016)が国内の映画賞34部門で受賞を果たすなど、高い評価を得た中野量太監督である。多くの作品で「家族」をモチーフに撮り続けてきた監督。これまでオリジナル脚本による家族の映画にこだわりを見せてきていたが、今回はそのこだわりを捨てて、小説の映画化に挑戦!それだけこの原作にほれ込んだという。
<ここが泣ける!>
認知症という、他人ごとではない病気。自分がなるかもしれないし、もしかしたら自分の家族がなってしまうかもしれない。そんな身近な病を通して映画かれる「家族のカタチ」にぜひ注目してほしい作品。日に日に代わってゆく父の姿に、家族は戸惑い、悲しみに打ちひしがれていくが、そんな中でもふとした時に見える父の愛情に、心打たれること間違いなしだ。
■『今日も嫌がらせ弁当』(6月28日公開)
<あらすじ>
シングルマザー・かおりは自然と人情豊かな八丈島で次女・双葉と暮らしていた。可愛い娘が反抗期に突入し、話しかけても返事をしてくれないようになってしまう。そこでかおりは、娘への対抗として“嫌がらせ弁当”を作ることに。毎日渡されるド派手なキャラ弁に“うざい!”と言いつつも残さず食べる娘と、毎日欠かさず弁当を作る母。徐々にそれは、母から娘に向けられた大切なメッセージとなっていく。不器用な愛とそれを受け取る娘の絆に、誰もが胸を熱くする。
<見どころポイント…登場するキャラ弁に注目!>
何と言っても本作の見所は「キャラ弁」。貞子弁当や木工用ボンド弁当、さらには人気芸人たちのネタ弁当まで!小島よしおやエレキテル連合がキャラ弁役として声で出演している。その中の一人のダンディ坂野は「キャラ芸人なのでこういった風に使っていただけるのは嬉しいです」とコメント。かおり役に篠原涼子、次女役に芳根京子、他劇団EXILEより佐藤寛太などの多数豪華キャストで固められている。
<ここが泣ける!>
キャラ弁を通して伝わっていく母の愛とそれらを受け成長していく反抗期娘の姿にとにかく感動。素直に気持ちを伝えられない反抗期娘の姿に、自己投影してしまう人も多いのではないだろうか。そしてラスト、母のもとへと届く一通の手紙とキャラ弁、涙なしでは見られないシーンになっている。
■『泣くな赤鬼』(6月14日公開)
<あらすじ>
その高校教師は、陽に焼けた赤い顔と、鬼の熱血指導から“赤鬼先生”と呼ばれていた。甲子園出場を目指し、強豪チームを率いた黄金の時代から10年の月日が流れ、野球への情熱が衰えかけていたある日、かつての教え子・斎藤(愛称:ゴルゴ)と思いがけない再会を果たす。野球の素質を持ちながらも、挫折して高校を中退した生徒だった。しかし、立派な大人に成長したゴルゴは、病に侵され、命の期限が迫っていた。厳しさでしか教え子に向き合えなかったあの頃の後悔。赤鬼先生は、ゴルゴのために最後に何ができるのか―。
<見どころポイント…教師と生徒の絆>
何と言っても重松清作品の定番は「教師と生徒」。元生徒の病気をきっかけに、失った時間を取り戻していきながら、過去と未来をつないでいく本作は、何にも代えがたい「人を思いやる気持ち」の大切さを教えてくれる。また、人はいつからでも立ち上がれること、何があっても立ち向かうことができる、という強いメッセージを感じ、若者も大人も、全ての人が勇気をもらえる作品となっている。
<ここが泣ける!>
赤鬼と呼ばれる厳しさ全開であった教師。そんな赤鬼先生も、最後には病に侵されている教え子を目の当たりにし泣き崩れてしまう。厳しかった赤鬼先生の心情の変化、また仲間の行動に涙腺崩壊間違いなし。

(c)2019「泣くな赤鬼」製作委員会
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