歌手の前川清の次女でロックバンド「Dire Wolf(ダイアーウルフ)」のボーカル・前川侑那が、5月30日に放送されたテレビ番組でLGBTを公表した。
レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの頭文字をとり、性的少数者を表すLGBT。2015年の調査で、日本におけるLGBTの割合は人口のおよそ7.6%と言われている。
幼少の頃に男性ではなく女性を好きになることに気付いたという前川は「男性の事を好きになったのは1回もないです。中学くらいまで隠していたんですよ」と明かし「中3の時に女子3人から同時に告白されちゃったんですよ、3日くらいで。どうしようと思って(相手は)先輩だし断りきれない、どうしようどうしようと思って3人と付き合ってしまった、同時に。」と告白。続けて「1週間で月曜日にこの人と会います、火曜日はサッカーの練習です、その後にこの人と会いますみたいな事を1週間やった時に『これは無理だ、自分が壊れていく』と思って、結局その人達に正直に話したら『なんとなく分かっていたよ』と。今でも普通に仲の良い友達で、笑い話に変わってきた」と中学時代のエピソードを紹介した。
日本でも、性的少数者の人権を尊重する社会をめざし様々な活動が行われているが、芸能人の父親を持つ前川は、なかなかカミングアウトに踏み出せなかったという。
「ずっと喋りたいとは思っていたのですが、父の方からリビングで朝ご飯を食べているときに、サラーッと『お前今後どうするんだ?俺はそのなんかこう女好きとかそういうのを表に出していった方がいいと思うけどな。そっちの方が面白くないか?』って。そういうことを話すことで父の仕事がなくなっちゃうんじゃないかとか、最悪の事を考えてしまって言う事をためらっていたのですが『そんなので俺はつぶれない。そんな小さなことで俺がつぶれるわけないだろ』みたいな感じで言ってその場が終わった。うちからしたら今までで一番うれしかった言葉だったかなと思いますね」と、当時の会話を振り返るとともに「本当に感謝ですよ。遺影みたいに写っていますけれども死んでいないですからね」と、後ろにある父・清の写真を指し笑いを誘った。
最大の理解者を得た前川には、現在交際中のパートナーがいるとのことで「アイドルっぽい方。若いかもしれない、21歳とか。1年半くらいですね」と説明。一緒に生活しているそうで、楽しいかという質問には「楽しいというか、もう1年以上経っているのでお互いの事を知り尽くしている。気楽というか、何でも言い合えるパートナー。自分の事を支えてくれるので助かっています」と語った。
(AbemaTV/『AbemaNews』より)