大手芸能事務所「avex」のモデルオーディションに、見たこともないスタイルの男が現れた。身長178センチで、体重は「110キロぐらいありました」と笑ったのが、俳優グループ「イケ家!」で活動する、近藤廉(れん)だ。すらりと細い体型のイケメンたちが大量にいる中で、体重なら倍近くあったと思われる近藤は、その優しい顔立ちとキャラクターで「役者集団のぽっちゃり役者」として合格、俳優の道を歩み始めた。この近藤、ただのぽっちゃりではない。なんと陸上競技の砲丸・円盤投げでは、日本トップクラスの選手だった。
近藤廉、24歳。体の大きい芸能人は多数いるが、ちょっとタイプが違う。丸々と太っているわけでもない。かといって、ゴリゴリのマッチョ体型でもない。この体を作り上げたのは、中学生のころから始めた砲丸投げ、円盤投げといった投てき競技の影響だ。「高校生の時に日本一になりまして。陸上を本気で専門にやりたいと、順天堂大学に進学しました。リオオリンピックも目指しました」という、いわゆるトップアスリートの一人だ。卒業後には、チームを持つ企業へ就職し、2020年の東京オリンピックを目指すという選択肢もあったが「4年後、果たして日本のトップになれても、世界のトップは厳しい」と、10年に渡る陸上人生に別れを告げて、新たな道を歩むことにした。
とはいえ、高校時代は「けがをするから」と体育祭に出られず、文化祭も試合で出られなかったぐらい、学生時代の大半を競技に捧げてしまったため、一般就職というのも簡単ではない。さらに、大学での競技を終えたころには、就職活動のピークはとっくに過ぎていた。好きなものと言えば、よく聞いたり歌ったりしていたEXIEL。中でもATSUSHIのファンだった。「ソロライブに行った時に、隣にいたファンの方が泣いていたんですよ。だから自分も何か感動を与えられる存在になりたいと思ったんです」。芸能関連の経験はまるでなかったが「ATSUSHIさん=avexというイメージがあったので」と、その思いだけでホームページから、オーディション登録まで一気に進めた。
実は近藤、このオーディションが、なんのためのものかよく調べずに申し込んだ。「会場に行ったら、みんなめちゃくちゃ細くて、スラッとしていて。モデルのオーディションだったんです」と照れくさそうにした。「1人だけ場所を2倍取っているような感じで、でもとにかく目立ってはいましたね。相当、場違いなところに来たと思いました」と振り返ったが、人生どこで何がどうなるかわからない。「avexで役者集団を作ろうと思っていて、イケメンだけじゃなくて、ぽっちゃりの役者も使っていきたいと言ってくださった方がいたんです。ご縁がありました」と、なんと合格した。
現在ではドラマや舞台、AbemaTVの恋愛リアリティーショー「恋愛ドラマな恋がしたい3」にも出演し、徐々に活動の幅を広げている。大きな体と優しくて誠実な性格も、確実にファンに届き始めている。夢の一つには、中学生のころからみっちりと親戚に教え込まれた麻雀の作品に出る、というものもある。「俳優の方ですごく好きなのは、佐藤二朗さん、山崎樹範さん。名脇役と呼ばれる方々が、素晴らし過ぎる。麻雀とコメディを掛け合わせるのは難しいんですが、自分が何かの役をやるなら、雀荘の店長なんだけどめちゃくちゃ強い、みたいなのがいいです」と、想像を膨らませた。今はまだ異色の経歴が目立つ近藤だが、その演技が多くの人に認められるころには「へ~、近藤廉って陸上選手だったんだ」という、意外な一面として語られるようになるはずだ。
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近藤廉
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